- 2017-9-14
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投資戦略の上で欠かせないのがテーマ株の存在です。
アベノミクス相場が始まって以降、急騰するような銘柄には必ずと言っていいほどテーマが絡んでおり、利益を狙える機会が増えてきています。
投資パフォーマンスの向上には、今が旬のテーマ株をいち早く察知する術を身に付けることが一番の近道でしょう。
最新テーマから今後話題になるであろうテーマまで幅広く解説していきます。
目次
1.テーマ株とは?
近年の株式市場は、テーマ重視の傾向が強い相場となってきました。
テーマとは株式市場で今話題となっている材料のことで、必ずしも同業種というわけでなく、そこに関わる全ての企業を一括りにテーマ株と呼びます。
去年は人工知能やフィンテック、オリンピック、トランプ関連銘柄など、数々のテーマ株が生まれました。
これらのテーマ株は「長期的に人気が続くテーマ」と「一過性の人気で終わるテーマ」の2つに分類され、一過性で終わるものがほとんどです。
また、この2つは共通して「期待や思惑で買われている」という特徴があり、同じテーマ同士の株価は似たような推移を辿る傾向にあります。
テーマ株投資で利益を出すには、いかに初動を掴むか、そして相場の過熱感が覚める前に売り抜けられるかがポイントで、基本的に短期投資向きです。
注目されると一気に買いが集中してしまいますので、高値掴みのリスクを抑えるためにも25日移動平均線からの乖離が10%以内で買うことをお勧めします。
その為には、常に情報収集を心がけること。
かつて大相場を形成したバイオやスマホアプリ関連銘柄のように、短期間で膨大な利益が狙えることこそテーマ株投資の最大の魅力でしょう。
ではここから、今が旬のテーマや今後も長きに渡って期待できるテーマ、毎年イベントごとに盛り上がるテーマなど、確実に押さえておくべきテーマ株をご紹介していきます。
- 長期的に人気が続くものと一過性の人気で終わる2つのテーマに分類される
- 25日移動平均線からの乖離が10%以内で買うことでリスクを抑えられる
2.今旬のテーマ株3選
2-1.ノーベル賞関連銘柄
2012年にiPS細胞での受賞をきっかけに一躍バイオブームとなった株式市場。
毎年10月はノーベル賞受賞発表の時期でテーマ株としても人気化しやすく、有力視される候補者の関連銘柄は9月中旬ごろから物色が向かう傾向にあります。
受賞者が発表されると一気に利確売りが出やすくなりますので、受賞日を迎える前にはポジションを解消しておくなど早めの利確を心がけましょう。
現に2016年10月3日、生理学・医学賞を受賞したオートファジーの関連銘柄は、受賞日翌日の10月4日にストップ高をつけて以降、大きく売られていることが確認できます。
去年まで3年連続で日本人受賞者が出ていることから、今年もノーベル賞への関心は高まっているでしょう。
注目の生理学・医学賞では免疫学がキーワードとなりそうです。
▼ノーベル賞に関する最新動向や関連銘柄はこちらをご覧下さい。
【【2018年版】ノーベル賞関連銘柄を先取り!受賞前後の株価の動きも紹介】
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2-2.リチウムイオン電池関連銘柄
リチウムイオン電池は小さく軽量で、パワフルで長持ちすることから、スマホや電気自動車向けに独占的な市場を確保しています。
とくに近年普及が加速している電気自動車市場は、巨大マーケットとなることが期待されているため投資家からの関心は高い。
まさに夢のような未来の電池が吉野彰氏によって考案されたのは、実は30年以上前の1980年代前半でした。
現在2兆円を超える市場規模に成長していることから分かるように、ノーベル賞候補として有力と称される日本人のひとりです。
2016年は世界的な排ガス規制強化の流れもあって、電気自動車とそれに搭載されるリチウムイオン電池へと一気に注目が集まりました。
2030年には大半の自動車が電気で走っていると予想されており、需要は増々高まるばかりといえるでしょう。
ノーベル賞発表を控え、急騰を狙うチャンスが刻々と近づいてきています。
▼リチウムイオン電池に関する最新動向や関連銘柄はこちらをご覧下さい。
【ノーベル賞候補のリチウムイオン電池はやはり凄い!関連銘柄を抑える】
2-3.防衛・軍事関連銘柄
近年、日本は中国や北朝鮮との関係が不安定な状態が続いており、日本周辺で有事に関連した動きがある度に防衛・軍事関連銘柄が急動意している。
緊張感が高まるなか、いつ戦争が起きてもおかしくないと言えるでしょう。
2015年10月には防衛装備庁が発足したことで、日本から海外への武器・兵器の輸出が可能となっています。
その後、保護主義的な政策を行うトランプ大統領の登場によって、日本は自国を自分たちの力で守れる態勢を整えなければならなくなりました。
戦争反対を言い続けてきた日本が今、変わろうとしているのです。
すると、戦争では国の膨大なお金が使われるために儲かる企業が出てきます。
北朝鮮問題ではミサイルが発射されるたび防衛・軍事関連銘柄へと資金が集中しており、長期化が予想されることから、関連銘柄が把握しておくことです。
▼防衛・軍事に関する最新動向や関連銘柄はこちらをご覧下さい。
【戦争リスクで株価が上がる?防衛・軍事関連銘柄と北朝鮮情勢】
- ノーベル賞関連銘柄は9月中旬ごろから物色が向かいやすい
- ミサイル発射のたびに関連銘柄は買われている
3.今後も注目されるであろう息の長いテーマ株
今後も長く相場を牽引していくであろう4つのテーマ株をご紹介していきます。
3-1.人工知能関連銘柄
今や人間の脳が行う知的な作業をも担う人工知能。
自動運転やフィンテック、IoTなど多くの次世代テクノロジーに絡むだけでなく、アルゴリズムを駆使した自動売買が日本でも主流となってきたことから投資にも密接に関係しています。
グーグルやソフトバンクなど世界のトップ企業が次々参入する注目のテーマ株、人工知能関連は今後どのような展開を迎えていくでしょうか。
まず、今年は第一回目となる人工知能EXPOが開催されました。
3年後の2020年に開催される東京オリンピックまでに現在の5倍と予想される市場規模は、これから急速に成長していくことが伺えます。
人工知能の学習能力はいま様々な方面から注目されており、病気の発見だけでなく、創薬にも期待されている医療分野。
深刻問題となっているドライバー不足も、人口知能が司る自動運転技術によって間もなく解消されるレベルにまで開発が進んでいます。
まるでSF映画のように人間とロボットが共存する世界が現実になるのも、そう遠くない未来かもしれません。
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3-2.IoT関連銘柄
あらゆるモノがインターネットに繋がることで期待できる新たなサービスや価値を含めてIoT(Internet of Things)と呼ばれています。
例えば、写真などのデータをインターネット上に保存したり、スマホで家電を操作したりなどは既に身近なもので、様々なシーンに応用できると期待されているのです。
今後、企業や工場への導入も加速し、より効率的な仕事が可能となります。
5年後、10年後には、私たちの生活もさらに便利で暮らしやすい空間になっているでしょう。
現に2020年までに世界のIoT市場規模は150兆円に届くとも言われており、国内の市場規模がいま6兆円程であることを考えると成長期待は著しい。
また、人工知能や自動運転、センサーやビッグデータなど株式市場を賑わせている多くのテーマと深く関わっていることも強みであります。
急速に拡大していくIoT市場ですが、まだこれから期待できる成長株は多く存在しており、利益を狙う機会が十分に転がっているものです。
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3-3.EV・電気自動車関連銘柄
環境問題への意識が高まるなか、電気を動力源とした電気自動車はそれを追い風に勢力を拡大しつつあります。
電気自動車の生産がガソリン車を上回るのは時間の問題と言われており、海外市場では有名なテスラ・モーターズが成功例でしょう。
燃費が良く低コスト、静かで環境に優しいなど多くのメリットが挙げられますが、国民の電気自動車への関心はまだ高くありません。
それでも近い将来、電気自動車へのシフトは必然的でしょう。
世界から見ると普及が遅れている日本ですが、電気自動車に使用されるリチウムイオン電池の技術ではトップレベル。
今後も改良を重ねて性能を高め、充電設備も整っていくことで、巨大市場へと変貌していきます。
また、同時に進んでいる人工知能による自動運転技術との融合で、いよいよ自動車業界も新たな時代を迎えようとしています。
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3-4.半導体関連銘柄
半導体とは、金属のように電気を通す導体とゴムのような絶縁体の中間の電気伝導率を持つ物質を指します。
その用途は様々で、半導体を作り出す「半導体製造装置」やデータ保存や処理に特化した「3次元NAND」、電圧電流をコントロールし省エネ化する「パワー半導体」などが主要半導体です。
ここまでご紹介した注目のテーマ株には全て半導体が使われていることから、身の回りの製品が半導体と密接であることは想像に難しくないでしょう。
IoT化が進み、普及拡大を急ぐ半導体の需要は今後増々高まります。
特に去年は半導体業界においてM&Aの当たり年と言われており、ARM社を3.3兆円で巨額買収したソフトバンクを含め、総額10兆円近いM&Aが行われました。
現在は東芝子会社の半導体事業買収に向け各陣営が活発になっており、激変する業界の動向には目が離せません。
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- 今後も注目のテーマ全てに半導体が使用されており増々需要は高まる
4.季節のテーマ株(シーズンストック)
毎年決まった時期に開催されるようなイベント投資は、値動きが分かりやすく特徴があるため、初心者にも有効な投資と言えます。
4-1.東京ゲームショウ関連銘柄(9月)
国内はもちろん海外からの関心も高い東京ゲームショウ。
毎年9月ごろに開催されており、とくにVRが目玉とされた去年は30万人近くを動員している日本最大級のイベントです。
出展企業がここで新商品をお披露目することもあるため、投資家からの注目も集まり、関連企業の株は毎年買われる傾向にあります。
その為、テーマ株投資として関連銘柄に先回りする動きも強まってきました。
東京ゲームショウの開催前から動意付いたカヤック(3904)は約2倍、ベクター(2656)は4倍以上の上昇をわずか1ヶ月ほどで達成。
そのほか刺激された銘柄も多く、毎年8月~9月にかけては短期投資家にとって利益を狙える絶好の機会となっているようです。
また、スマホアプリと言えば過去にはミクシーやガンホーなどのテンバガー銘柄も多数輩出しているセクターですので、今年も関連銘柄の動向は要チェック!
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4-2.アップル関連銘柄(9月~10月)
2007年に初代アイフォンが誕生してから今年で10年を迎えました。
例年秋ごろにアップル新製品の発表が行われているため、この時期が近づくと市場では注目テーマとして、新型アイフォンへの期待と関連銘柄は盛り上がりを見せます。
関連銘柄にはアイフォン向けの部品を供給する企業はもちろん、刷新されるディスプレイや認証機能などの噂やリーク情報などから思惑買いが向かう場合も。
今年は10週年記念ということもあり、アイフォンXとアイフォン8が発表され注目度も高い。
日本では約70%ものシェアを誇るアイフォンですが、世界で見ると実は20%ほどしかユーザーはいません。
つまりアイフォン人気は、日本だけが異常なほど盛り上がっているのです。
業績も好調であることも、この1年でアイフォンの主要関連銘柄19のうち17銘柄が大きく上昇する後押しとなっています。
▼アイフォンに関する最新動向や関連銘柄はこちらをご覧下さい。
【アップル(iPhone)関連銘柄に注目!10週年記念で新モデル発売か?】
4-3.インフルエンザ関連銘柄(11月)
例年11月ごろから感染者が増え始め、2月にかけてピークを迎えるインフルエンザの流行もまた、株式市場ではテーマ株のひとつとして注目されています。
2009年には全世界で2,000人を超える死者が出ており、国内だけでも毎年1千万人が感染するほど短期間で広まる強い感染力を持つインフルエンザ。
そのインパクトから、季節が関係するテーマ株の中でもとくに株価への影響が大きい傾向にあります。
関連銘柄には、治療薬やワクチンを扱うメーカーはもちろん、手洗いやうがい消毒、マスクなど、対策グッズ関連企業へも物色が向かいます。
基本的に、インフルエンザの流行を防ぐ術は無いというのが実情です。
国内での発生が確認されていなくても、海外で新型インフルエンザが流行りだした時点で買われるケースもあるのでチェックしておきましょう!
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【恒例のインフルエンザ関連銘柄!株価上昇のワクチンとなる銘柄はどれ?】
- 季節のテーマ株は1ヶ月前当たりから物色され始める
- インフルエンザなど新型ウイルスの発生はバイオ関連が刺激される
5.今後の注目のテーマ株
先行き期待感を残しつつ、これから本格的な上昇相場が待っているであろう注目のテーマ株をご紹介していきます。
5-1.カジノ関連銘柄
2016年12月にカジノ法案が成立し、ホテルやショッピングモール、レストランなどを含むカジノリゾート施設の実現に向けて動き始めています。
日本政府は東京オリンピック後の経済成長を後押ししたい考えで、現段階でカジノ施設が作られるのは東京、大阪、沖縄が有力との見方が強い。
カジノ関連銘柄は主にゲーム・アミューズメント関連や建築・不動産・設計関連などが挙げられますが、ホテル・観光産業などのインバウンド関連も刺激されるでしょう。
地域の活性化にも繋がり、市場は大いに盛り上がることが期待できます。
2030年までに観光客6,000万人、年間売上3兆円を目標とするカジノ構想。
国内だけでなく、海外の機関投資家や実業家などからも日本のカジノ市場は注目されるほど、今後の動向には目が離せません。
▼カジノに関する最新動向や関連銘柄はこちらをご覧下さい。
5-2.メルカリ関連銘柄
過去にも何度か上場の噂が出ていたフリマアプリの「メルカリ」がいよいよ東証に申請を行ったことで、超巨大IPOの誕生が現実になろうとしています。
数あるフリマアプリの中でもダントツに支持されているメルカリは、時価総額が1,000億円を超えるとも期待されているほど。
また、国内だけでなくアメリカにも上陸しており、去年のアプリダウンロードランキングでは全米3位も話題になりました。
非上場でありながら、グローバルに活躍の場を広げています。
恐らく2017年12月に東証1部への上場を果たすとの見方が強く、これまでにないユニコーン企業の今後の展開に投資家の期待は最高潮に達しているでしょう!
関連銘柄はそれほど多くない故に大きく資金が集中する可能性が高いため、確実にチェックしておく必要があります。
▼メルカリ上場に関する最新動向や関連銘柄はこちらをご覧下さい。
【上場は12月!メルカリの関連銘柄や提携先情報を把握して備えよう】
5-3.オリンピック関連銘柄
2020年に控えた東京オリンピックの開催が近づくにつれ、関連する様々なイベントが今後増えていくと考えられます。
予算は当初の計画から大幅に増額したことで、仕事が増える建設やインフラ、輸送など多くの関連企業が直接的な恩恵を受けています。
その他スポーツ用品や航空・民泊・レジャー等のインバウンド関連にも期待。
また、東京オリンピックの開催による経済効果は32兆円とも言われており、200万人近くの雇用も生まれることから、幅広い関連銘柄が予想されるでしょう。
選手だけでなく、私たち投資家にとってもまさにビッグイベント。
東京オリンピックに向けて膨大な税金が使われますが、閉幕後の施設利用プロジェクトなど様々な計画も挙がっているようで、再燃すれば息の長いテーマとなりそうです。
オリンピック関連銘柄が再び注目される一足先にチェックしておきましょう。
▼オリンピックに関する最新動向や関連銘柄はこちらをご覧下さい。
【オリンピック関連株の本命は?東京五輪のスポンサー銘柄にも注目!】
- カジノやオリンピックの関連銘柄はインバウンドにも期待
- 巨大IPOメルカリの上場は市場に大きなインパクトを与える
6.まとめ
テーマ株を大きく2つに分けると、一過性の人気で終わってしまうテーマと長く人気が続くテーマがあります。
どちらにも言えるメリットは、初動を掴むことで短期間に大きな利益を狙える点と、例え下落相場でも旬なテーマ株にはしっかりと買いが入っていること。
上昇相場ではより拍車がかかるのも強みです。
エントリーから売却まで早めに行動できるよう、情報収集を欠かさないことが大切ですね。