- 2020-5-7
- インフラ
無電柱化推進法の可決で協和エクシオは2倍!東京特殊電線は3.5倍!東京都無電柱化条例の施行でコムシスは4ヶ月で1.4倍!
来たる2020年東京オリンピックに向けて、電線地中化に大きな注目が集まっています。
2020年東京オリンピックまでに本格推進が期待される電線地中化に関連する銘柄は、相場をけん引する重要セクターになる可能性が高いです。
2020年東京オリンピックとともに、電線地中化関連銘柄に注目していきましょう。
目次
1.国家プロジェクトとして注目される電線地中化計画
2020年東京オリンピックに向けて、国土交通省や東京都が推進する電線地中化に大きな注目が集まっています。
1-1.電線地中化とは?
電線地中化とは、電力線や通信線などの電線や関連施設を地中に埋設することです。
- 安全で快適な歩行空間が確保される
- 都市景観が大幅に改善される
- 台風や地震などの災害時に電柱の倒壊や電線の切断といったリスクがなくせる
電線地中化を行うことによって景観・防災面で多くのメリットが期待されています。
- コストが約20倍
- 災害時の復旧・メンテナンスを行う手間が掛かる
東京都は、2020年東京オリンピックに向けて電線地中化を推進していく意向を示しています。
また、2016年7月に東京都知事に就任した小池百合子氏は電線地中化推進派として知られていることからも大きな期待が寄せられています。
電柱に比べてコストが20倍以上掛かるにも関わらず東京都が推進する意向を強く示しているということは、それだけ大きなビジネスチャンスであるといえます。
そのため、多くの企業による熾烈な技術競争が繰り広げられています。
1-2.東京の電柱地中化率は8%に過ぎない
グローバル化が更に進むことが間違いない21世紀は、国家間の競争を超えて大都市間の競争になる時代が到来すると言われています。
また、日本では人口減少が進むことがほぼ確実であるため、外国人観光客にとって魅力ある都市を開発しインバウンド消費を強化していくことは、日本経済が成長を持続していくためにも欠かせません。
都市の景観や防災機能に大きく寄与する電線地中化ですが、東京は他の国際都市と比べて大きな遅れをとっています。ロンドンやパリでは電線地中化が100%達成されており、香港やシンガポールでもほぼ100%電柱の地中化が達成されているからです。
一方、東京の電線地中化達成率は未だ8%に過ぎず、都市力向上における大きな課題となっています。
このため、東京都は電線地中化を推進する小池都知事を中心に、2020年東京オリンピックまでに電線地中化を推進していく姿勢を打ち出しました。
2017年9月には「無電柱化推進条例」が施行され、都道における電柱の新設が原則禁止されました。
東京の電線地中化率がまだ8%に過ぎないということは、電線地中化に関する事業は潜在的なビジネスチャンスであるとも言えます。
2020年オリンピックに向けた東京の電線地中化に関する動向と、電線地中化に関連する銘柄の動向はチェックしておきましょう。
1-3.小池都知事再選で資金流入はあるか
2019年9月の台風15号、2019年10月の台風19号は、千葉県を始めとする日本全国に大きな爪痕を残しました。
一方、マーケットでは、この2つの台風は電線地中化関連銘柄が再び注目される契機となりました。
新型コロナウィルスの影響が長引くことになれば、秋には大型台風との二重被害が発生してしまうことも懸念せざるを得なくなります。
2018年の西日本豪雨、2019年の台風15号・台風19号と、日本ではここ数年、毎年のように大規模水害に見舞われています。
新型コロナウィルスが蔓延しているからといって、自然は忖度してくれません。2020年も台風被害に備えておいた方がいいことは言うまでもないでしょう。
新型コロナウィルスの陰に隠れてしまっているものの、電線地中化に関するニュースも入ってきています。
東京都は2020年4月、災害に強い街づくりの一環として、電線を地中に埋める「無電柱化」を進めるため、小規模戸建て住宅の開発事業を対象に、最大1,000万円を助成することを決定しました。
なお、東京都の小池都知事は、電線地中化を進めてきたことで知られています。
2020年7月に行われる都知事選では、新型コロナ対策でリーダーシップを発揮している小池都知事が再選する流れはほぼ確実な情勢ですが、電線地中化関連銘柄にご祝儀買いが入ることも場合によってはあるかもしれません。
- 電線地中化は、都市の景観や防災に多くのメリットがある。
- 東京の電線地中化は他の国際都市に比べて大きく出遅れているが、潜在的なビジネスチャンスとして注目されている。
2.本格化する電線地中化計画
国土交通省や東京都が本格推進し始めている電線地中化計画ですが、関連銘柄にも多くの資金が流れ込んできています。
2-1.2016年12月に無電柱化推進法が可決!
2016年12月2日に衆議院国土交通委員会において、国や地方自治体に電柱撤去を促す無電柱化推進法が全会一致で可決しました。
この法案の可決を受けて、電線地中化関連銘柄は大きな値上がりを見せました。
【1951】協和エクシオ
通信事業者の電気・通信基盤構築を行なう情報通信建設会社です。
電線地中化を行うために必要となる地下工事技術が高く評価されており、電線地中化関連銘柄の代表格です。
2016年11月には1,495円の安値を付けていましたが、この法案の可決から1年後の2017年12月には3,065円を付け、この1年で約2倍の上昇となりました。
【5807】東京特殊電線
電線や電線加工品の製造・販売を手掛ける同社も、電線地中化関連銘柄として大きな値上がりを見せています。
法案可決前の2016年11月には963円の安値を付けていましたが、
法案成立とともに資金が流入し、2018年3月現在は3.5倍以上となる3,500円前後で推移しています。
なお、最近の報道によると、国交省は2018年度からの3年間で1,400キロメートルの無電柱化を実現するという目標を掲げることを発表しました。
電線地中化は長期間に渡る国家プロジェクトになることからも、関連銘柄に更に多額の資金が流入してきてもおかしくありません。
2-2.2017年6月に東京都で「東京都無電柱化条例」が可決!
2017年6月7日に、東京都で東京都無電柱化条例が可決・成立しました(施行は2017年9月1日から)
この法案の可決や施行を受けて、電線地中化は更に大きな注目を集め、関連銘柄は更に上昇。
【1721】コムシスホールディングス
NTTグループの電話・通信工事を請け負う情報通信建設会社大手です。
通信ケーブルを地中化し電柱を撤去することが出来る管路システム「次世代型電線共同溝」工事を手掛けていることから、注目を集めています。
同社の株価は東京都無電柱化条例が施行すると同時に上昇しました。
条例施行前の2017年8月31日には2,364円だった株価は、2017年12月に3,360円まで上昇し、4ヶ月で+40%以上の上昇となりました。
電線地中化に関連する国土交通省や東京都の動きは要チェックしておき、関連する銘柄の動向に注目しておきましょう。
- 関連法案が可決・成立したことによって、電線地中化関連銘柄は軒並み上昇。
- 国土交通省や東京都の取り組みは今後も要チェック。
3.注目の電線地中化関連銘柄
多くの資金が流入してきている電線地中化関連銘柄ですが、現在注目の銘柄を見ていきましょう。
3-1.【1721】コムシスホールディングス
市場 | 東証1部 |
業種 | 建設業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | 協和エクシオ、ミライト・ホールディングス、きんでん |
注目ポイント | 次世代型電線共同溝工事を手掛ける |
電線地中化関連銘柄としてまず注目したいのは、電気工事を手掛ける銘柄です。
同社は、NTTグループの電話・通信工事を請け負う電気通信工事ではトップの建設会社です。
同社は、通信ケーブルを地中化し、電柱を撤去することを可能にする次世代型電線共同溝工事を手掛けていることから、電線地中化関連銘柄として大きな注目を集めています。
既に電線地中化関連銘柄として投資家から物色されていますが、これからも目が離せない銘柄です。
3-2.【5805】昭和電線HD
市場 | 東証1部 |
業種 | 非鉄金属 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | 古河電気工業、フジクラ、三菱マテリアル |
注目ポイント | インフラに強い電線メーカー |
電線地中化関連銘柄としては、電気工事を手掛ける銘柄に続いて、特需が見込まれる電線メーカーにも注目です。
同社は東芝系の電線メーカーで、インフラに強いことが特徴となっています。
同社の株価は、2017年11月に高値を付けてからは高値の半分ほどに下落しており、そろそろ反発してもおかしくありません。
電線地中化が再注目される前に、押し目買いをして拾っておくのも悪くないと思われます。
3-3.【5289】ゼニス羽田HD
市場 | 東証2部 |
業種 | ガラス・土石 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | 日本ヒューム、旭コンクリート工業 |
注目ポイント | 電線共同溝(C・C・BOX)技術を持つ電線地中化低位株 |
電線地中化関連銘柄の低位株として注目されるのが、電線地中化には欠かせない電線共同溝(C・C・BOX)に関する技術を所有している同社です。
同社は、電線地中化関連銘柄としてよく名前が挙がる銘柄で、電線地中化に関連するニュースがある度に物色されてはいるんですが、低位株を抜け出すには至っていません。
これから電線地中化に関する注目度が更に上がってくれば、数倍に暴騰して一気に低位株を脱出してもおかしくないと見られます。
4.まとめ
これから人口減少社会を迎える日本にとって、21世紀の都市間競争で東京が敗北することは絶対に避けなければならないことです。
そのため、官民一体のオールジャパンで電線地中化を推進していく流れは変わらないと思われます。
東京が電線地中化を達成すれば、その流れは他の地方都市へと広がっていくことが期待されるため、電線地中化は2020年東京オリンピック後にも続く国家プロジェクトになる可能性があります。
国土交通省や東京都の電線地中化に関する取り組みにはアンテナを張っておき、関連する銘柄の動向はチェックしておきましょう。
急騰狙いのおすすめ記事