- 2020-1-27
- テクノロジー
富士通は+68%!テラスカイは+122%!フィックスターズは+123%!エヌエフ回路設計ブロックは+120%!
圧倒的な計算力を実現する量子コンピュータ関連銘柄が、隠れた注目テーマ株として上昇を続けています。
量子コンピュータはAI・IoT時代に欠かせない計算機であるため世界中の企業が開発競争を繰り広げており、2020年には一段高となる可能性も小さくありません。
量子コンピュータ関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.次世代技術「量子コンピュータ」に世界が注目!
量子コンピュータ関連銘柄に再び大きな注目が集まっています。
1-1.世界で研究・開発が進む量子コンピュータとは
量子コンピュータとは、従来の電圧で動くコンピュータとは異なり、量子力学的な原理で動作するコンピュータのことです。
従来のコンピュータは、電圧の高低を示す「0」と「1」の2進数の組み合わせ(ビット)によって動作していますが、ビット数が増えれば増えるほど計算量が爆発的に増えてしまうというデメリットを抱えています。
一方量子コンピュータは「状態の重ね合わせ」という量子力学的な原理で動作するため、計算量が多くなることによるデメリットがありません。
このため、量子コンピュータはスーパーコンピュータとしての役割が期待されています。
特に2020年以降には、全てのモノがインターネットに繋がるIoT社会が本格的に到来することになります。
あらゆる製品がインターネットに繋がることになると、AIによる莫大な情報処理が必要となりますが、この情報処理を行う上では計算能力が高い量子コンピュータが欠かせません。
2020年代に本格化するAI・IoT社会に向けて、現在、世界中の企業が量子コンピュータの開発競争を繰り広げています。
1-2.2019年には量子コンピュータに関するニュースが相次いだ
マーケットでは長らく、量子コンピュータ関連銘柄の注目度は下火となっていました。
しかし2019年には量子コンピュータ関連のニュースが相次いで発表されたことから、量子コンピュータ関連銘柄には再び大きな注目が集まりつつあります。
日本政府は2019年11月、量子技術開発ロードマップを策定。
量子コンピュータ分野でアメリカや中国への遅れを取り戻すべく、2039年までに量子コンピュータを開発する目標を織り込みました。
2019年12月19日には、日米両政府が量子コンピュータを始めとする量子技術の研究開発や人材交流で連携を深める「量子協力に関する東京声明」を発表。
この技術協力は中国を意識したものであるとされます。
さらに同日にはアメリカのIBM社と東京大学が、量子コンピュータの研究開発や実用化に向けて提携するというニュースも発表されました。
これらの量子コンピュータに関するニュースが立て続けに発表されたことにより、量子コンピュータ関連銘柄は大きく買われることとなりました。
官民一体となって研究開発が進められる量子コンピュータ関連銘柄は、2020年にはさらに大きく注目されるテーマ株になってもおかしくありません。
- 量子コンピュータは、量子力学的な原理で動作するコンピュータ。計算能力が高くAI・IoT時代のカギになるとされる。
- 019年には量子コンピュータに関するニュースが立て続けに発表されたこともあり、量子コンピュータはマーケットでも注目が集まる。
2.量子コンピュータ関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2019年から2020年に掛けての量子コンピュータ関連銘柄の株価動向を見ていきましょう。
2-1.量子コンピュータの先駆企業!【6702】富士通
ITシステム最大手の【6702】富士通は、日本企業で最も量子コンピュータへの関わりが深い企業であり、量子コンピュータ関連銘柄として必ず抑えておなければいけない銘柄です。
同社は日本企業で最も古くから量子コンピュータを手掛けており、2017年には量子コンピュータの原理を現行のコンピュータに応用できる量子コンピュータ技術「デジタルアニーラ」を開発しています。
同社の株価は、2019年1月初めには6,687円を付けていましたが、この1年間上昇を続けており、2020年1月には11,260円まで上昇。
マーケットで量子コンピュータが注目された波に乗ったこともあり、東証の代表的な銘柄でありながら、この1年間で最大+68%の大きな値上がり率となっています。
2-2.商用量子コンピュータへの参入発表!【3915】テラスカイ
続いて、新興の量子コンピュータ関連銘柄を見ていきましょう。
アメリカセールスフォース・ドットコムのシステムでクラウド導入支援サービスを手掛けている【3915】テラスカイは、量子コンピュータ関連銘柄としても注目されます。
同社は2019年7月17日、子会社Quemix(キューミックス)を設立して量子コンピュータビジネスへの参入を発表。
また同時にIBMとの連携も発表しています。
同社の株価は、2019年1月初めには1,557.5円を付けていました。その後は一時上昇したものの低迷し、6月には1,403円にまで下落…。
しかし量子コンピュータへの参入を発表したことで株価は一気に上昇。
2020年1月には3,470円にまで高騰しています。
この1年間での上昇率は+122%です。
上記2銘柄以外にも、【2693】YKTが+116%、【3687】フィックスターズが+123%、【6864】エヌエフ回路設計ブロックが+120%など、量子コンピュータ関連銘柄は多くの銘柄が力強い上昇となっています。
※いずれも2019年1月始値から2020年1月までの最大上昇率。
- 量子コンピュータへの参入を発表したテラスカイが大きく上昇するなど、量子コンピュータ関連銘柄は多くの銘柄がこの1年で力強く上昇している。
3.量子コンピュータ関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【2693】YKT | 子会社のサンインスツルメントが量子研究に欠かせない産業用レーザーなどを手掛ける |
【3655】ブレインパッド | 代表的なAI関連銘柄 |
【3687】フィックスターズ | アニーリングマシンを活用した量子コンピュータ導入支援ビジネス |
【3858】ユビキタス | AIコーポレーション:耐量子コンピュータ暗号技術 |
【3915】テラスカイ | 量子コンピュータ関連ビジネスを手掛ける子会社Quemixを設立してIBMと連携 |
【4736】日本ラッド | 産業用コンピュータで世界トップシェアの台湾アドバンテック社と協業 |
【6701】NEC | スーパーコンピュータを活用したアニーリングマシンによる共創サービス |
【6702】富士通 | 量子コンピュータ技術「デジタルアニーラ」を開発、量子コンピュータの先駆企業 |
【6864】エヌエフ回路設計ブロック | 量子分野の研究開発に使われる微小信号測定器 |
【9432】NTT | 光通信技術を応用した新しい方式の量子コンピュータの開発 |
4.オススメの量子コンピュータ関連銘柄3選!
2020年以降におすすめの量子コンピュータ関連銘柄を要チェックしておきましょう。
4-1.【6702】富士通
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | ITサービス・サーバー最大手。超高速コンピュータでも注目 |
富士通は日本で最も量子コンピュータに関わりが深い企業であり、量子コンピュータ関連銘柄として外すことはできません。
大手企業ではNECとNTTも量子コンピュータの開発を発表していますが、量子コンピュータでは富士通に一日の長があります。
4-2.【6864】エヌエフ回路設計ブロック
市場 | 東証ジャスダック |
注目ポイント | 独自技術で電子計測器や産業用電源を開発 |
エヌエフ回路設計ブロックは、電子計測器に強みを持つことで知られています。
同社が開発する微小信号測定器は、量子分野の研究開発になくてはならないものとされていることから、量子コンピュータ関連銘柄として物色されています。量子コンピュータの部品・材料関連として抑えておきましょう。
4-3.【3687】フィックスターズ
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | ソフトウェア高速化ソリューションを展開するIT企業。 |
フィックスターズは、企業のシステムを高速化するシステムを展開しているIT企業です。
近年は量子コンピュータ向けソリューションにも力を入れており、量子アニーリングマシンのための開発支援環境サービスを提供するなどしています。量子コンピュータ関連銘柄として買われている銘柄であるため、要チェックしておきましょう。
5.まとめ
量子コンピュータ関連銘柄は、富士通を始めとする多くの銘柄が2019年に力強い上昇を遂げました。
ハイテク株関連テーマでは、AIやIoT、5G、半導体といったテーマ株に大きな注目が集まっていますが、量子コンピュータ関連銘柄も隠れた注目テーマ株になっていることは間違いありません。
2020年代には、社会のAI・IoT化が一層進むことは間違いないため、世界的な量子コンピュータ開発競争が激化することは確実です。
本格的なIoT社会の到来を前に、量子コンピュータ関連銘柄を長期投資しておいてもよいのではないでしょうか?
量子コンピュータに関するニュースにはアンテナを張っておき、量子コンピュータ関連銘柄の動向にはアンテナを張っておきましょう。
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