- 2017-2-20
- 銘柄選び
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アノマリーを活用して儲ける投資法をご存知でしょうか。
株式投資をしていると合理的に説明できない事象に出会う事もあります。
もしかすると、いまあなたが株を売買している時期を少し変えるだけで運用成績に大きく差が出る可能性があるかもしれません。
実際、株価が上がりやすい日、上がりにくい日というのは存在しています。
株式相場はアノマリーに左右されていると言っても過言ではないほど大きな影響力を持ちますので、その効果を知っておくだけで株式投資のパフォーマンス向上に役立つでしょう。
1. アノマリー投資とは
株式相場において「理論的な根拠はないけどよく当たる」という経験則から、説明は難しいけれど、あると言われている株価の変動のことをアノマリーと言います。
儲ける投資家はこの投資法を積極的に取り入れていることが多いです。
意外と知られていない株の歴史は古く、今から400年ほど前に誕生したと言われておりますが、
その長い歴史から導き出された統計を信じる投資家の行動こそアノマリーの影響を強めているという側面もあります。
つまり、信じる人が多いからその通りに動きやすいということです。
例えばテクニカル分析でも同じように「ゴールデンクロスしたら買い」と判断する投資家が多いからこそ、実際に株価は上昇しやすくなると考えられます。
アノマリーとは、説明できない値動きに対して経験則を当てはめようとする投資家の心理状態が作り出したものと言えるでしょう。
不思議と高くなったり安くなったりしやすい時期があり、そのパターンを利用して売買に活かすアノマリー投資法も覚えておいて損はないです。
証券アナリストの検定試験にも取り上げられていることから、侮れませんね。
2.月別アノマリー
2-1 1月~3月 (注目株:低位株、内需株)
1月は節税売りを過ぎて、顧客から集めた資金を運用する機関投資家などの大口も買い戻しに動きます。
機関投資家は運用金額が大きいため中旬にかけて株価が上昇するほど金融市場に占める存在感も大きい。
その後、1月末からは決算期で様子見ムードが強まります。
2月上旬まで決算発表があり上方修正が出やすい時期なので買いやすい相場に。これを過ぎると材料に乏しく売られやすくなります。
3月中旬から配当金狙いや4月の株高を期待した資金が流れ始め、決算対策で手仕舞っていた機関投資家も買いに動き始めることから株価は持ち直すことが期待できます。
2-2 4月~6月 (注目株:値がさハイテク株、輸出株)
5月上旬まで決算発表が多く、GW前ということもあって取引が活発化してきます。
この後しばらく材料の乏しい相場が続き、機関投資家の買いも一巡したことで方向感が出づらい時期となります。
2-3 7月~9月 (注目株:低位株、内需株)
4月は統計上、1年で最も倍率の高い月。
決算発表が集中してることで様々な思惑が働き、その過熱感からGW前まで盛り上がりをみせるでしょう。
新年度相場で新規の投資も入りやすい重要な時期です。
5月上旬まで決算発表が多く、GW前ということもあって取引が活発化してきます。
この後しばらく材料の乏しい相場が続き、機関投資家の買いも一巡したことで方向感が出づらい時期となります。
2-4 10月~12月 (注目株:値がさハイテク株、輸出株)
10月は売りが一巡した後ということで買いやすい相場に。
しかし、過去のブラックマンデーなど米国での暴落は10月に集中しています。
おまけとして10月4日は語呂合わせ「投資の日」で上がりやすいです。
11月は海外も含めて機関投資家は決算期を迎えますのでいったん手仕舞う動きが目立ちます。 連休明け最終週には株高となる傾向です。
12月までの1年を通して株で儲けたお金に掛かる税金を少しでも減らそうと損益を確定させたり、ポジション調整が活発に行われます。
海外投資家もクリスマス休暇に入るため売られやすい時期ですが、月末から1月の株高に向けて例年大きく盛り上がりを見せています。
3.曜日に関するアノマリー
3-1 月曜の株安
休日明けの反動で買い戻す相場の印象もありますが、
それ以上に休日の悪材料によって売られるケースが目立ちます。
3-2 魔の水曜日
SQ値が算出されるので相場が荒れやすいです。
当日寄り付きは裁定取引解消の売買や思惑など交錯し、波乱となることで「魔の水曜日」と言われています。
※SQ:特別清算指数、最終清算指数など
3-3 週末の株高
寄り付きは高値をつけやすい傾向にあります。
その後は休日を迎えることでリスク回避ムードが強まるので、金曜の大引けにかけて利益確定売りが出やすく動きは軟調気味です。
1週間を通してみると、月曜の終値で買って金曜の寄り付きに売ることで勝率は高まるという観測ができます。
4.その他アノマリー
面白いもので、テレビ視聴率と株価は意外と密接な関係にあるというアノマリーです。
代表的なものをご紹介します。
4-1 ジブリ映画
ジブリの呪いとも言われ、放映された翌営業日の株式相場は荒れるというものです。金曜の夜に放映されますので、アメリカの雇用統計の発表と週末の悪材料が重なるケースが多いことも関係していると言われています。
4-2 サザエさん
視聴率が上がると株価は下がり、視聴率が下がると株価は上がる傾向に。サザエさん効果とも言われ、日曜の夕方に家で過ごしてる人が多いということは、外食や買い物、旅行などの消費活動が少ないという理由があります。
4-3 アンパンマン
サザエさん効果と反対に、視聴率が上がると株価も上がると言われています。アンパンマンは困った時に人を助けるキャラクターということもあり、見た人の心にゆとりが生まれ消費活動に繋がると言われています。
5.アノマリー投資の注意点
アノマリーは必ずしも当たるというわけではありません。
また、以前は当てはまっていたけどいまでは通用しないものもいくつかありますので、この投資法を用いるには有効であるかどうかの判断も必要です。
どうしてそうなるのか説明がつかない株価の動きをアノマリーに沿って導き出す投資法には、いくつか注意点があります。
5-1 人の行く裏に道あり花の山
投資家というのはとにかく群集心理で動きがちですが、それでは大きな成功は得られません。
「人の行く裏に道あり花の山」これは株式投資で有名な格言の1つで、他人とは反対の行動をとったほうがうまくいくことが多いと説いています。
しかし、アノマリー通りに行動している投資家と逆の動きをすることで負けてしまうリスクが高まる場合もあります。 あくまで判断材料の1つに過ぎず、アノマリーを優先して株式の売買を行うのは無謀ということです。
5-2 小型株効果
大型株よりも小型株への投資でパフォーマンスが上がる「小型株効果」というアノマリーがあります。
小型株とは、時価総額(企業価値を表す指標)が比較的低い銘柄のことです。
発行済み株式(購入出来る株)が少ないので多少の買いがあれば上昇しやすいという性質上、
1銘柄の伸び率の影響が大きいことで小型株全体のパフォーマンスが高いとされています。
あるテーマが注目されたときに小型株効果は発揮されますが、銘柄選別も重要です。
時価総額が低いということに加え、株価1,000円以下の低位株だと流動性も高まるためにより効果が期待できるでしょう。
時には10倍といった株価を短期間のうちにつけることも珍しくありませんが、反対に損失を出す可能性も大きいので、一概に小型株への投資が良いとは言えません。 しっかり投資戦略を立てることが大事です。
5-3 今でも成り立つのか
広く知られてしまったアノマリーを多くの投資家が取り入れることで、その特性を失うことがあります。
そこで「今でも成り立つのか」を見極めることが大事です。
例えば1月の株高はご祝儀相場とも言われ、年初は大盛り上がりする傾向にあると言われていましたが「高いところで売ってしまおう」と裏をかいた行動を取る投資家が増えれば株価は下がるでしょう。
実際に1月は多額の売りが出るという反対売買が発生するケースもあります。
また、リーマンショックやバブル崩壊などの投資インフラが崩れた状態であればアノマリーなど無視されます。
今も通用するアノマリーなのかを深く理解する必要があるでしょう。
6.現実的で有効性があるアノマリー投資戦略
株式投資の長い歴史から見ても、一定の条件下においては高確率で繰り返し再現される現象は確かにあります。
統計的に上昇しやすい周期が分かっているのならば、一足早い段階で仕込んでおくことでそれ相応の儲けが期待できるというわけです。
実際にアノマリーを活用した勝率の高い投資法で戦略を立てていきましょう。
6-1 1月効果
アノマリー投資法を使って短期で儲けたいなら1月効果が力を発揮してくれます。
株式相場では12月末、税金対策の為に損失を確定する節税売りの動きが見られます。
その反動から1月の倍率が他の月と比べて高くなる傾向にあり、大型株より小型株のほうが上昇しやすいとも言われています。
1月に入ると節税売りやクリスマス休暇などの資金が戻ってくるため徐々に活発化してきますし、イベントごとが少ないことでマイナス材料も出にくいのも上昇理由の1つです。
1月末には国内企業の決算が本格化するので、この辺りからやっと機関投資家は本腰を入れてきます。
つまり、年始は個人投資家の資金が大半を占めていますので、結果動くのは小型株ということです。
また、2014年から始まったNISA(ニーサ)の存在も、小型株物色により拍車をかけました。
NISAは年間100万円の投資金まで課税免除で、この枠組みが追加されるのが新年1月。
年始の小型株上昇相場というアノマリーは今後も効果が期待できます。
この「1月効果」を利用して年末に売られ過ぎた小型株を中心に仕込みを入れておきましょう。
このとき、複数銘柄にリスクを分散することも大事です。
年始まで1~2週間ほどの運用を目安に、全体の利益が10%を越えたら売るというような戦略を立てると有効です。
6-2 半年投資法
10月に仕込みを始めた場合の成績が他の月に比べてダントツに良いという過去のデータから、10月末に買って4月末に売る半年投資法も有名です。
アメリカの機関投資家が10月末の決算に備えて利益確定売りを行うので、安いこの時期に買うと良い成果に繋がりやすいです。 その後11月から徐々に下値を切り上げていくトレンドが毎年形成される傾向にあります。
さて、もうひとつのアノマリー「Sell in May(5月は株を売れ)」という言葉があります。ちょうど半年になるこの時期で売りのタイミングを考えましょう。
4月からは新年度相場で新規の買いも入りやすく、統計上1年で最も倍率の高い月ですので、売買が活発になる5月を堺に4月末で売ることで勝率はかなり高まることが検証されています。
この半年投資法を用いるならば仕込みは10月。
これまで推移していた株価水準より割安状態となった銘柄に目を付けると良いでしょう。
運用期間は長めに確保していることから、翌年のテーマを加味することでより効果が期待できます。
もちろん4月を待たずして利益確定するのもいいですし、万が一の下落に備えて損切りラインを設定することも大事です。
単純な投資法ですが、曖昧な投資判断よりパフォーマンスは良いでしょう。
6-3 選挙の株高
総選挙が近づくにつれて、このようなアノマリーも意識されます。
実際に過去の推移を見てみると、衆議院の解散総選挙のとき解散後から選挙日にかけて株価は上昇する傾向にあります。
衆議院選挙の場合は3年おきに半数改選で期日が伴っている為に、与党が選挙前には人気取りの政策や景気対策など打ってくることが多く、株式相場にこのような影響があると考えられます。
また、同じように「大統領選の前年は株高」というアノマリーがあります。 アメリカは4年に一度と決まってるうえ、
経済が活気づく夏のオリンピックとも重なるためによりこうした傾向が強まるとされています。
アメリカ経済の影響を受ける日本株もプラスに働くと考えることができます。
選挙時期が近付くと国策関連銘柄に注目してみましょう。
政治改革や経済政策期待が持続していれば、選挙後いったんは売られてもその後堅調な動きを予想できますが、その逆もあります。
この投資法ならば思惑でプラスに働いてる選挙結果が出る前に利益確定することが好ましいです。
7.まとめ
ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析では説明の難しいアノマリー。
市場参加者が人間である以上、株式相場も人間の生活パターンと連動するというのは不思議なことではないはずです。
つまり、暦のうえで株価が動くという考えは一理あるのではないでしょうか。
また、深く掘り下げていくと実は合理的な説明ができるものも存在します。 株価がどう動きやすいか知っておくだけで、実際の取引でも活かせる場面が出てくるはずです。
高くなりそうな時期は買う準備をして、安くなりそうな時期には事前に売ることでリスク回避に繋がります。
ですが、リーマンショックや大震災、バブル崩壊など投資インフラが整っていない状態ではもちろん通用しません。
相場には絶対の法則というものは無く、正確に予測することすら難しい。 終わりの見えないことばかりです。 結局は確率論のようなもので「偶然」が「連続」して起こっているだけの現象かもしれません。
株式投資とは「確率に賭けるゲーム」なのです。 勝つ確率の高い時期(時間帯)に投資をすることで儲ける!
それがアノマリー投資法です。
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