- 2020-12-8
- 人工知能(AI)
国内ドローン市場は、年成長率50%という驚異的な速度で拡大を続けています。
ただ、世界のドローン市場では中国のDJI社が圧倒的であり、日本企業の存在感はほとんどないということが実態です。
日本政府はセキュリティ上の問題から官公庁の中国製ドローンを排除し、国産ドローンを採用する方針を固めたと報じられており、ドローン関連銘柄へ資金流入の動きが出てくるかもしれません。
ドローン関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.ドローン関連銘柄とは?
物流や測量調査、農業や災害復旧など幅広い分野でドローンの活用が期待されています。
1-1.ドローンとは?
ドローンとは、無人で自律飛行できる航空機の総称です。
ドローンにはGPSや加速度センサーが搭載されているため、ラジコンのように全てを操作する必要はなく、自律的に飛行することが可能です。
ドローンはもともと軍事目的で開発されたものでしたが、近年は商用利用が進んでおり、物流や測量調査、農業や災害復旧など幅広い分野での活用が期待されています。
しかしドローン市場は世界的に急拡大していますが、世界市場で日本企業は全く存在感がないというのが現状です。
なお、ドローンの世界市場では、中国のドローン大手DJI社が世界シェアの7割を占めるドローン最大手企業となっています。
日本企業には世界的なドローン企業はないものの、日本国内でもドローン市場は急成長中です。
IT関連メディア事業を展開する株式会社インプレスが発表した2019年の日本国内ドローンビジネスの市場規模は1,409億円となっており、前年の931億円から+51%の高い伸び率となりました。
ドローン市場は、インフラ整備などのサービス市場、ドローンのメンテナンスなどの周辺サービス市場、ドローン本体の機体市場の3市場から構成されます。
市場規模を市場別に見ていくと、サービス市場は前年比+68%増の609億円、周辺サービス市場は同+46%増の326億円、機体市場は同+37%増の475億円と、いずれの市場も大きく成長しました。
今後も国内ドローン市場は急成長を遂げ、2025年度には2019年の約4.6倍となる6,427億円規模にまで成長すると見込まれているとのことです。
1-2.日本政府が中国製ドローンを排除へ動く?
国内ドローン市場は急成長していますが、ドローン本体の機体市場においては、日本企業は全く存在感がないということが現状です。
ドローン市場では中国のDJI社が圧倒的であり、日本の企業や官公庁が所有しているドローンもほとんどがDJI社製のものです。
ただ、5Gにおけるファーウェイ問題のように、中国製ドローンに依存するのは安全保障上のセキュリティリスクが懸念されます。
2020年11月30日、日本政府は、各省庁などが保有している1,000機以上のドローンについて、原則として高いセキュリティ機能を備えた新機種に入れ替える方針を固めたと報じられました。
政府は中国製に代わって、安全性の高い国産ドローンの導入を視野に入れているとのことで、自律制御システム研究所やヤマハ発動機など5社の連合が国の委託事業として開発に着手しており、来年度の量産化を計画しているとのことです。
- 日本のドローン市場は、インフラ整備などのサービス市場を中心に急成長が続く。ただ、ドローン機体市場では中国のDJI社が圧倒的シェアを誇り、日本企業は存在感がない。
- 日本政府は中国製ドローンを排除し、国産ドローンの導入に動くと報じられた。
2.ドローン関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
ドローン関連銘柄の値動きを見ていきましょう。
2-1.ドローン関連銘柄の代名詞!【6232】自律制御システム研究所(ACSL)
商業用ドローンの製造販売などドローン事業を手掛ける【6232】自律制御システム研究所(ACSL)は、上場企業では唯一のドローン専業企業となっており、東証を代表するドローン関連銘柄です。
マーケットのドローンへの注目度をはかるには、同社の株価さえ見ておけば十分と言っても過言ではありません。
同社の株価は、2020年1月初めには3,225円を付けており、1月14日には4,150円まで上がりましたが、コロナショックで3月17日には1,612円まで下落。
その後の新型コロナ相場でも反発が限定されており、最大でも3,200円までの反発に留まっています。
2020年12月時点でも、コロナショック前の株価を取り戻せていません。
新型コロナ相場では多くのマザーズ銘柄が急騰した中で、この程度の値動きに留まっているということは、ドローン関連銘柄は2020年に注目されたテーマだったとは言えないでしょう。
ただ2020年11月30日に、政府が中国製ドローンに代わって国産ドローンの導入を視野に入れるというニュースを受けて同社は買われています。
ニュース報道前の11月27日終値時点の株価は2,731円でしたが、12月2日には3,185円まで上昇し、短期間で+16%の上昇となりました。
今後の展開に注目です。
2-2.遠隔操作ソフトに強い!【3681】ブイキューブ
オンライン会議や遠隔医療といった遠隔操作ソフトを手掛ける【3681】ブイキューブは、ドローン関連銘柄にも位置付けられます。
同社は企業向け業務用ドローンの活用事業も手掛けており、同社の遠隔操作ソフト「V-CUBE ミーティング」を使いながら、ドローンで煙突や高所の定期設備点検をサポートします。
同社の株価は、2020年1月初めには654円を付けており、2月14日には495円まで下落しましたが、その後は一直線の上昇となっており、12月4日には3,770円を付けました。
新型コロナ相場を象徴する銘柄となっています。
同じくドローン関連銘柄に位置付けられる、遠隔操作ソフトに強い【3694】オプティムも大きな上昇となっています。
ただこれらの銘柄はドローンではなく、テレワークや遠隔医療、オンライン教育といった2020年注目テーマで注目されたことが大きく上がった要因と考えられます。
ドローンは成長産業ではありますが、2020年の株式市場では大きく買われたテーマ株だったとは言えません。
- 2020年新型コロナ相場では、ドローンが注目テーマ株になったとは言えない。
- 2020年11月末、政府が中国製ドローンに代わって国産ドローンの導入を視野に入れると報じられたことで【6232】自律制御システム研究所(ACSL)は買われた。今後の動向に注目。
3.ドローン関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【2303】ドーン | 地理情報システム |
【2667】イメージワン | microdrones社製ドローン |
【3444】菊池製作所 | 業務用ドローン |
【3681】ブイキューブ | 企業向け業務用ドローンの活用 |
【3694】オプティム | ドローン農薬散布防除サービス「OPTiM Drone」 |
【6326】クボタ | 農業用ドローン |
【6232】自律制御システム研究所(ACSL) | 商業用ドローンの製造販売を手掛けるドローン専業企業 |
【7272】ヤマハ発動機 | 自動飛行ドローン「YMR-08AP」 |
【7732】トプコン | ドローン測量を効率化する空中写真測量専用ドローン「MATRICE 600 PRO for TS」 |
【9232】パスコ | ドローンによる三次元測量支援サービス |
4.本命のドローン関連銘柄4選
ドローン関連銘柄が注目テーマ株となったときに備えてオススメの銘柄を抑えておきましょう。
4-1.【6232】自律制御システム研究所(ACSL)
市場 | 東証マザーズ |
注目ポイント | 商業用ドローンの販売などドローン事業全般を手掛ける。 |
自律制御システム研究所(ACSL)は、東証唯一のドローン専業企業であり、ドローン関連銘柄の代名詞です。
実際に投資するかどうかはともかく、マーケットのドローン関連銘柄への注目度を測るバロメータとしても注目です。
4-2.【7272】ヤマハ発動機
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | 二輪車の世界的メーカー。船外機にも強い。 |
ヤマハ発動機は、自社製の自動飛行ドローン「YMR-08AP」を手掛けており、東証一部を代表するドローン関連銘柄と言えます。
主要企業の中では最もドローンに力を入れている企業の一つです。
特にスマート農業には力を入れており、農業向けのドローンでは注目されます。
東証一部の低リスク銘柄であるため、投資初心者がドローン関連銘柄に投資したい場合には最もおすすめの銘柄と言ってよいでしょう。
4-3.【2667】イメージ ワン
市場 | ジャスダック |
注目ポイント | 医療画像と衛星画像の販売を手掛ける。 |
イメージワンは、衛星画像販売を手掛けるGEOソリューション事業の中でmicrodrones社製のドローンを取り扱っていることから、ドローン関連銘柄として物色されることがある銘柄です。
株価は500円台となっており、低位株とまではいきませんが、急騰が期待できる価格帯です。
5.まとめ
国内ドローン市場は年成長率50%を誇る急成長市場ですが、2020年にドローン関連銘柄は大きく買われたとは言えません。
ただ2020年11月末、政府が中国製ドローンに代わって国産ドローンの導入を視野に入れると報じたことで、代表的なドローン関連銘柄である【6232】自律制御システム研究所(ACSL)は買われており、今後の動向に注目です。
東証のドローン関連銘柄は【6232】自律制御システム研究所(ACSL)に尽きます。実際に投資するかどうかはともかく、ドローン関連銘柄の注目度を測るバロメータとして抑えておきましょう。
ドローン市場は急成長市場であるため、今後はインフラ整備や物流といったドローンを使うサービス市場において新たなドローン企業が誕生することも期待されます。
ドローンに関するニュースにはアンテナを張っておき、ドローン関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう!
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