- 2019-3-8
- 教育
リソー教育は2.0倍!京進は1.6倍!
2019年10月から幼児教育・保育が無償化され、2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されるなど、政府の教育政策が注目されています。
子ども1人に投じる教育費も年々増加傾向にあり、国民の教育熱も日増しに高まっています。消費不況が叫ばれる日本において、教育費だけは例外のようです。
教育関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.教育関連銘柄に期待
2020年からのプログラミング教育や教育熱の高まりを背景に成長する教育関連銘柄に注目していきましょう。
1-1.「教育関連銘柄」とは?
教育関連銘柄とは、教育産業に関わるテーマ株の総称です。
具体的には、教育サービスを提供する塾や出版社、ICT教育を手掛けているIT企業などが該当します。
教育関連銘柄は、政府政策的にも注目のテーマ株となっています。
政府は、2018年12月28日に教育費無償化の閣議を行い、幼児教育・保育の無償化について、2019年10月1日からの実施を目指すことを決定しています。
同閣議では、2020年4月1日から、大学などの高等教育無償化のための補助金を出す方針も決定されました。
また、文部科学省は、情報通信技術(ICT)を取り入れたICT教育(エドテック)を積極推進しています。
2017年3月に発表された、小学校の新学習指導要領の改訂において、2020年から小学校でプログラミング教育を必修化し、デジタル教科書や電子黒板を導入する方針を決定しています。
2020年からプログラミング教育を必修化する背景には、これから人手不足がますます深刻化する日本で、特にIT技術者が大きく不足することを見込んでいるものと考えられます。
1-2.なぜ「教育関連銘柄」は株価が上昇するのか?
長らくデフレが続く日本において、教育費だけは例外であり、子ども一人当たりにかける教育費は年々高騰しています。
ソニー生命が2019年2月28日に発表した「子どもの教育資金に関する調査2019」によると、親の6割半が「子どもの学力や学歴は教育費次第」と感じており、親の7割弱が「早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ」と考えているという調査結果が出ています。
政府による教育無償化が行われている一方で、塾などの学校外教育費は年々増加しており、平均支出額金額は月15,170円となっています。
また、親の6割が「多少費用がかさんでも海外留学や海外研修を経験させたい」と思っており、2020年から始まるプログラミング教育にも7割半の親が肯定的な見方を示しています。
国民の間では早期教育熱が高くなっており、今や東京23区内の4人に1人、東京の一部区域では2人に1人が中学受験をする時代となっています。
人口減少や消費税増税によって、日本の内需には懸念が高まりますが、今後も教育費だけは例外になるものと思われます。
政府が2020年からプログラミング教育などを必修化し、また国民の教育熱の高まりを追い風に、株式市場においても業績拡大を見込んで教育関連銘柄に資金が流入してくることが期待されます。
- 教育関連銘柄は、教育サービスを提供する塾や出版社、ICT教育を手掛けるIT企業などが中心
- 政府は教育無償化を進めるとともに、プログラミング必修化やICT教育を推進している
- 国民の教育熱は高まっており、子ども一人当たりの教育費は年々増加している
2.「教育関連銘柄」の推移
この1年の教育関連銘柄の株価動向を見ていきましょう。
2-1.好決算と株式分割発表で株価が大きく上昇
首都圏で個別指導学習塾「トーマス」を展開する【4714】リソー教育は、この1年で大きく上昇した教育関連銘柄です。
同社の株価は、2018年3月終わりには265.7円を付けており、その後の半年間は横ばいが続いていました。しかし、2018年10月に発表した決算が増収増益となったことから株価は上昇。
※株価は株式分割後の値で算出
11月には1→3の株式分割を行うことを発表したことも好感され、2019年3月には一時536円まで上昇しています。この1年で株価は最大2.0倍となっています。
子ども一人当たりの塾代が高騰している一方で、社会全体では少子化が進んでいるため、学習塾が生き残るには厳しい環境になっています。
しかし、価値あるサービスを提供することができれば、リソー教育のように好業績を実現することが可能となり、株価も大きく上昇することになります。
2-2.決算と自社株買いで株価が上昇
京都や滋賀で学習塾「京進」を展開する【4735】京進も、この1年で大きく上昇しています。
同社の株価は、2018年3月終わりには947円を付けていました。その後の半年間は横ばいとなっていましたが、10月から大きく上昇し、2019年2月には1,547円の高値を付けました。
この1年で見ると、最大+63%の上昇となっています。
この上昇の背景には、2018年10月に発表した決算が好調で、また自社株買いを発表したことが投資家から好感されたことも挙げられます。
また、同社は留学生向けの日本語学校を手掛けていることでも知られています。
2018年12月に入管法が改正され、2019年4月から単純労働分野での外国人労働者の受け入れ拡大が決まったことでの物色買いも入ったものと見られます。
- 2018年には、好調な決算を発表した教育関連銘柄が大きな上昇となっている
- 子ども1人当たりの教育費は高騰傾向にあるが、その一方で少子化も進んでいるため、教育サービスは二極化が進むものと見られる
3.「教育」関連銘柄
銘柄 | 備考 |
【2152】幼児活動研究会 | 幼稚園・保育園で幼児教育サービス |
【3839】ODKソリューションズ | 教育関連のシステム開発 |
【3933】チエル | ICT教育システムの開発 |
【3998】すららネット | インターネット学習教材「すらら」 |
【4645】市進ホールディングス | 学習塾「市進予備校」 |
【4668】明光ネットワークジャパン | 学習塾「明光義塾」 |
【4714】リソー教育 | 学習塾「トーマス」 |
【4718】早稲田アカデミー | 学習塾「早稲田アカデミー」 |
【4720】城南進学研究社 | 学習塾「城南予備校」 |
【4735】京進 | 学習塾「京進」 |
【6049】イトクロ | 教育関連ポータルサイト「塾ナビ」 |
【9470】学研ホールディングス | 教育関連出版大手 |
【9733】ナガセ | 学習塾「東進ハイスクール」、傘下に「四谷大塚」 |
【9783】ベネッセホールディングス | 通信教育「進研ゼミ」 |
【9792】ニチイ学館 | 子供英会話教室「COCO塾ジュニア」 |
4.おすすめ「教育」関連銘柄
最後に、おすすめの教育関連銘柄を見ていきましょう。
4-1.【9783】ベネッセホールディングス
市場 | 東証一部 |
業種 | サービス業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | ニチイ学館、京進、リソー教育 |
企業概要 | 「進研ゼミ」を手掛ける通信教育大手。 |
東証一部を代表する教育関連銘柄。教育関連銘柄の代名詞的な銘柄です。
4-2.【6049】イトクロ
市場 | 東証マザーズ |
業種 | サービス業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | くふうカンパニー、イード、LITALICO |
企業概要 | 教育関連ポータルサイト「塾ナビ」を運営する。 |
塾の業績を予想するのは困難ですが、教育熱の高まりによって「塾ナビ」のような教育ポータルサイトの需要が増えるのは確実だと考えられます。
4-3.【3933】チエル
市場 | 東証ジャスダック |
業種 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | ネオス、インフォコム、フューチャー |
企業概要 | 学校・塾向けのICT教育製品を数多く手掛ける。 |
ICT教育関連では、同社は絶対に外せません。政府主導のICT教育改革でも注目が集まると期待されます。
- 教育関連銘柄は、大手の東証一部銘柄から新興銘柄まである
- 塾関係は決算発表に注目が集まる
5.まとめ
2018年は世界株安となる中で多くの銘柄やテーマ株が下落しましたが、好調な決算を発表した教育関連銘柄は堅調に上昇しました。
社会全体では少子化が進んでいるため、教育産業全体で見ると縮小が懸念されます。
その一方で、子ども1人当たりの教育費は年々増加しているため、価値ある教育サービスを提供できる企業は成長することが可能です。
また、政府は2020年からプログラミング教育を必修化し、デジタル黒板などのICT教育を積極推進していくものと見られます。塾だけでなく、ICT教育関連もチェックしておきましょう。
デフレで消費不況が長らく続く日本において、教育費だけは例外となっています。国民の教育熱は今後も高まることが予測されるため、中長期的な目で教育関連銘柄に投資してみてはいかがでしょうか。
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