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ゲノム編集のノーベル賞は危うい?人間を自在に設計してしまう禁断の技術とリスク

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ゲノム編集技術が、2012年に開発された新しい技術”クリスパーキャスナイン”ができたことで、世界へ広まり様々な研究が繰り広げられています。

 

人間を自在に設計出来てしまうことも可能で、病気を治療したり、理想的な農畜産物を作ったりなど様々な発展が期待です。

 

そんな革命的ゲノム編集は2017年のノーベル賞候補としても注目され、今後の動向が注視されていますので、2017年はゲノム編集が見逃せません。

 

人類最強の技術となりえるゲノム編集を見ていきましょう。

 

 

1.ゲノム編集とは

 

ゲノム編集が人類を大きく変える可能性があります。

神の領域とも言われるゲノム編集を今回分かりやすく取り上げてみたいと思います。

 

1-1.生命の設計図を書き換える技術

まずゲノムとは、遺伝子(gene)と染色体(chromosome)を合わせて作られた言葉で、DNAのすべての遺伝情報のことを言います。

 

DNAの遺伝情報は生命の設計図とも言われ、

A、T、G、Cという4種類のDNAが集まってできた遺伝情報を元に生物の体が作られています。

 

このDNAを特定の位置で切断したり、異なるDNA配列を組み込んだりすることによって、生命の設計図を書き換える技術がゲノム編集です。

ゲノムを編集することで食料やエネルギー、医療分野などにおける問題を解決できる可能性を持っています。

 

現在まで開発されている3種類のゲノム編集技術
  • ZFN(ジンクフィンガーヌクレアーゼ)1996年
  • TALEN(タレン)2010年
  • CRISPR/Cas9(クリスパーキャスナイン)2012年

 

この中でも2012年に開発された、クリスパーキャスナインは手間、コストの面で圧倒的に効率がよく、ゲノム編集の革命児として世界へ一気に広がり利用されています。

 

クリスパーキャスナインは、これまでのゲノム編集技術と比べて圧倒的に高い切断効率をもつ為、あらゆる生物のゲノム編集に利用できます。

それらのことからも世界規模で競争が進み、新しい論文が次々と発表されています。

 

 

1-2.ゲノム編集と遺伝子組換えの違い

では、そもそも遺伝子組み換えとゲノム編集はどう違うのか、見ていきましょう。

 

 

遺伝子組み換え:組み換える遺伝子をピンポイントに狙うことができない

ゲノム編集:組み換える遺伝子を数千倍の高い精度でピンポイント操作できる

 

 

このような遺伝子を組み換える部分で大きな違いがあります。

従来の遺伝子組み換えは、作物などに別の遺伝子を組み込んで、新しい性質を生み出す技術です。

 

現在流通している遺伝子組み換え作物は、ウイルスや害虫に強く、除草剤に耐性をもつように遺伝子を組み換えています。

 

日本で厚生労働省によって安全性を確認され輸入されている作物
  • ジャガイモ
  • 大豆
  • トウモロコシ
  • 綿
  • 菜種
  • アルファルファ
  • パパイヤ
  • てんさい

 

従来の遺伝子組み換え技術では、元からある重要な遺伝子を壊してしまったり、今まで働いていなかった遺伝子を起動されたりすることもあります。

 

つまり、狙った新品種を生み出すまでに労力と時間、コストが大きくかかり膨大な失敗数も生み出しています。

このため、遺伝子組み換えはまだまだ人間が完全に制御できない技術であります。

 

しかし、ゲノム編集技術は遺伝子を組み込む場所を指定したりすることが可能となるので、従来よりはるかに短い時間+低コストで遺伝子組み換えが作れるようになります。

 

これが従来の遺伝子組み換え技術とゲノム編集の違いとなります。

 

【ここだけチェック!】
  • 生命の設計図を書き換える技術がゲノム編集
  • 遺伝子組み換えを短い時間+低コストで作れるのがゲノム編集

 

2.ゲノム編集により可能になる未来

 

ゲノム編集によって遺伝子を換えることが簡単にできるようになったことで、バイオ研究の世界で一気に普及していますが、今後どのようなことが可能になるでしょうか。

 

2-1.医療分野やエネルギーといった様々な分野で利用される

まず挙げられるのが医療分野への応用です。

 

ゲノム編集によって、新たな治療方法が発見できるのではないかと期待されており、すでにエイズや白血病といったがんの治療や予防への研究、使用が進められています。

 

例えばエイズは、ヒトエイズウィルスが免疫細胞に感染するとき、特定の受容体を足場にして細胞内部に侵入しますが、ゲノム編集によって受容体遺伝子を取り除くことができれば感染できなくなります。

 

エイズの進行を遅らせることも可能で、ヒトエイズウイルスが免疫細胞のDNA配列を書き換え免疫機構を破壊しますが、ゲノム編集によってDNA配列を修復することができれば、抗ウイルス剤を飲み続ける必要がなくなります。

 

このほかにもゲノム編集技術を応用することが世界中で考案されており、生後3ヵ月の赤ちゃんをゲノム編集で救った事例も報告されています。

 

急性リンパ性白血病であると診断された赤ちゃんに、ゲノム編集で作り出されたT細胞を骨髄に移植。

手術後、1ヶ月以内に骨髄内から全てのガン細胞を除去したことが確認され、大きな話題となりました。

 

その為、これまで根本的な治療法がないとされてきた病気の治療を変える可能性があります。

 

2-2.食の世界で広がるゲノム編集

医療分野以外でもゲノム編集技術は利用され、食物などの品種改良分野での研究も進んでいます。

 

  • 日持ちが良く、病気に強いトマト
  • 成長の早いサバ
  • 衝突しないおとなしいマグロ
  • 短時間で育つトラフグ
  • 肉付きが良くなる牛

 

といった研究が行われており、特に注目なのが、世界中で飼育されている品種の牛を使ったゲノム編集で、肉付きが良くなる牛へと変えました。

 

通常の2倍の筋肉をつけることに成功しており、今後は更に研究を重ねていくそうですが、これにより食糧難で苦しむ地域へと広がれば世界を変える可能性もあります。

 

また、アレルギーなどの研究にもゲノム編集が利用されています。

卵アレルギーの原因であるオボムコイドの遺伝子を除去する研究で、卵アレルギーを持つ人が食べられるようになる他、副作用の少ないワクチン生産などに応用ができます。

 

2-3.デザイナーベイビー

ゲノム編集は、使い方次第では人間の遺伝子を直接操作することも可能で、ヒト受精卵のゲノム編集により、生まれてくる赤ちゃんをも変えることができます。

 

倫理面から考えて世界中でタブーとされている分野ですが、クリスパーキャスナインによるゲノム編集が容易になったことで、研究を進めている国もあります。

 

では、実際にゲノム編集で人間の遺伝子が書き換え可能となれば、どんなことが可能になるのでしょうか

 

遺伝子が関係する多くの病気から開放

・治療法の無い重大な病気

・継続した治療が必要な病気

・環境と遺伝の両方が関わる病気・体質

 

 

このように病気を生まれる前に防ぐことが可能となりますので、医療費の削減や介護の負担軽減などにも繋がります。

 

子供の個性も両親の望み通りにできる

・希望通りの容姿

・スポーツや芸術といった才能を持つ

・高い知性で勉強が得意

 

 

このような望みの子供を生む事ができるかもしれません。

 

ただ、デザイナーベイビーのもたらす懸念点もあります。

 

デザイナーベイビーの懸念点

・こどもの意思とは関係ない個性が決められてしまう

・能力が高い人が多くなることで、格差の拡大が出る可能性

・障害や病気を持つ人が少数になることで、人を思う気持ちが少なくなる可能性

・予測もつかないことが起こる可能性

 

 

4:56秒あたりからゲノム編集について始まります。

 

懸念点もあり非常に難しい問題でもありますが、ゲノム編集によりこのようなデザイナーベイビーも可能とする技術でもあります。

 

【ここだけチェック!】
  • エイズやガンといった病気も変える可能性がある
  • 世界の食料を変える
  • タブーであるデザイナーベイビーでさえ作れる可能性

 

3.クリスパーキャスナイン、ノーベル賞確実に陰り

 

ゲノム編集を世界中に広めたクリスパーキャスナインは、2017年のノーベル賞候補として挙げられるでしょう。

 

3-1.ゲノム編集した細胞ががん化のリスクが判明

20186月、ゲノム編集で最も研究が進んでいた「クリスパー・キャス9」に「ある欠陥」があることがわかりました。

 

クリスパー・キャス9は、ノーベル医学生理学賞が確実視されていただけに、関係者に衝撃が走りました。

 

スウェーデンのカロリンスカ研究所が、クリスパー・キャス9で遺伝子を改変した細胞が、がん化する可能性が高まる発表したのです。

 

クリスパー・キャス9では、クリスパーという分子を細胞に入れて遺伝子を操作するのですが、その際、がんを抑制する遺伝子が働かなくなることがわかったのです。

 

そのため、クリスパー・キャス9によって遺伝子操作を受けた細胞は、がん化しやすくなってしまうのです。

 

論文を発表したカロリンスカ研究所は、クリスパー・キャス9を人の治療に使うには注意が必要と呼び掛けています。

 

4.まとめ

 

ゲノム編集は世界へ急激に広がり研究が進んでいる分野ですが、まだまだ始まったばかりです。

 

日本でも2016年12月に大阪大学にゲノム編集センターが誕生し、動き出したこともあり日本でも注目です。

 

ノーベル賞候補のゲノム編集の革命児CRISPR/Cas9(クリスパーキャスナイン)は引き続き注目していきましょう。

 

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