- 2020-6-29
- テーマ株
ニイタカは+266%!!
改正食品衛生法の施行を受けて、2021年6月から全ての飲食事業者が食品衛生管理「ハサップ(HACCP)」に沿った衛生管理をすることが義務化されます。
新型コロナウィルスの影響で3密を避けられるキッチンカーの需要が増大していますが、同時に食に対する衛生意識がさらに高まることは間違いありません。
ハサップ(HACCP)関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.ハサップ(HACCP)関連銘柄とは?
新型コロナによる食品衛生意識の高まりも背景に、ハサップ(HACCP)関連銘柄に注目が集まっています。
1-1.ハサップ(HACCP)とは?
ハサップ(HACCP)とは、食品事業者自らが食中毒や異物混入などのハザード要因を把握した上で、食品製造の全工程上について食品の安全性を確保する衛生管理手法です。
なおHACCPは、「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」の略語となっており、「危害分析重要管理点」とも訳されます。
ハサップは国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である、食品規格委員会から発表されている国際基準の食品衛生管理方法です。
ハサップを導入することによって、定められた手順で食品製造を行わなければならなくなるため、食に携わる社員の衛生管理意識が向上し、工場の生産性が上がることなどが期待されます。
また従来の抜き取り検査による衛生管理と比べると、より効果的に問題のある製品の出荷を防ぐことが可能となり、原因の追究や改善対応が迅速に行えるようにもなります。
日本では2018年6月13日に成立した改正食品衛生法が2020年6月1日に施行されました。
同法の施行を受けて、2021年6月までに全ての飲食事業者がハサップに従った食品衛生管理を手掛けることが義務化されます。
1-2.新型コロナの影響でハサップに注目が集まる!
新型コロナの影響で食に対する安全意識が高まっていることから、ハサップの義務化は大きな注目を集めそうです。
新型コロナでは外食産業が壊滅的な打撃を受けていますが、その一方で、3密を避けられるキッチンカー(移動販売車)は人気となっています。
東京都はキッチンカーに最大100万円の助成金を出すなど、アフターコロナにおいてキッチンカーの需要は拡大しそうです。
個人事業者が多いキッチンカーでは衛生面が心配されますが、まさにジャストタイミングでハサップが義務化されることにより、この心配も解消されることになりそうです。
今回注目するハサップ関連銘柄は、ハサップのための衛生管理を手掛ける銘柄や、ハサップ導入を支援する銘柄などが中心となります。
ハサップは食品業界に関するテーマですが、上場している大手食品企業は既にハサップを導入済みであるため影響はなく、これからハサップを導入することになる個人飲食業者はそもそも上場していません。
- ハサップ(HACCP)とは、食品の安全性を確保する衛生管理手法。
- 改正食品衛生法により、2021年6月までに全ての飲食事業者にハサップが義務化される。
- 新型コロナで食の安全意識が高まっている中で、ハサップ関連銘柄に注目が集まる。
2.ハサップ関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2020年に入ってからのハサップ関連銘柄の株価動向を見ていきましょう。
2-1.フードビジネス向け業務用洗剤大手!【4465】ニイタカ
フードビジネス向けの業務用洗剤や固形燃料を手掛ける【4465】ニイタカは、ハサップ関連銘柄の代名詞とも言える銘柄です。
同社は、フードビジネス向けの業務用洗剤・洗浄剤・除菌剤などで知られていますが、ハサップ導入のための衛生管理推進サポートシステム「NICE SYSTEM」も提供しています。
同社の株価は2020年1月初めには1,835円を付けていました。
新型コロナの影響でマスク関連銘柄などとともに1月中に買われ、1月31日には3,180円まで上昇しましたが、その後のコロナショックでは3月13日に1,596円まで売られました。
しかし安値を付けてからの3ヶ月は上昇トレンドとなっており、6月22日には6,720円まで上昇しています。
2020年の最大上昇率は+266%となっており、東証一部銘柄の中では新型コロナ相場でもトップクラスの値上がりとなっています。
2-2.ハサップ支援事業を発表!【3774】インターネットイニシアティブ
クラウドやセキュリティー、格安スマホなどを手掛けるIT企業の【3774】インターネットイニシアティブは、ハサップ支援事業を発表しています。
同社は2020年6月15日ハサップに基づいて冷凍・冷蔵庫や倉庫の温度を自動で監視・管理できるIoTソリューション「IIJ LoRaWANソリューション for HACCP温度管理」を開発したと発表しました。
このニュースを受けて、同社の株価がどのように推移したのかを見ていきましょう。
同社の株価は、上記ニュース発表前の2020年6月12日には3,825円を付けていました。
6月16日には3,940円まで上げましたが、その後は横ばい~下落で推移しています。
少なくとも、ハサップ支援事業の発表が株価に寄与したとは見られません。
ハサップ関連銘柄としては、ハサップに関連する事業を手掛ける銘柄がいくつか挙げられますが、ハサップそれ自体が株価に影響するほどの銘柄はほとんどないというのが実態と言えます。
- フードビジネス向け衛生事業を手掛けるニイタカは、東証一部銘柄では新型コロナ相場でトップクラスの値上がりとなっている。
3.ハサップ関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【3773】アドバンスト・メディア | HACCP運用をサポートする「食品衛生記録用ハンズフリー対話入力アプリ」 |
【3774】インターネットイニシアティブ | HACCP対応の温度管理ソリューション「IIJ LoRaWANソリューション for HACCP温度管理」 |
【4241】アテクト | 衛生検査器材 |
【4465】ニイタカ | 衛生管理推進サポートシステム「NICE SYSTEM」 |
【4665】ダスキン | HACCP導入支援サービス |
【4694】ビー・エム・エル | 子会社のBMLフード・サイエンス社が食品衛生検査を手掛ける |
【4771】エフアンドエム | HACCP導入コンサル |
【6287】サトーホールディングス | HACCP対応のIoTクラウドシステム |
【7065】ユーピーアール | HACCP対応オールインワンパッケージ「HACCPパッケージ」 |
【7476】アズワン | WEBショップ「AXEL」でHACCP対応商品を販売 |
4.オススメのハサップ関連銘柄3選!
おすすめのハサップ関連銘柄を3銘柄見ていきましょう。
4-1.【4465】ニイタカ
市場 |
東証一部 |
備考 |
フードビジネス向けの業務用洗剤や固形燃料が柱。 |
業務用洗剤などフードビジネス向け衛生事業を手掛けるニイタカは、ハサップ関連銘柄として必ず抑えておかなければいけない銘柄です。
新型コロナ相場では、東証一部銘柄の中でもトップクラスの値上がりとなっており、新型コロナで注目されるワクチンやテレワークといったテーマ株をも凌ぐ勢いとなっています。
4-2.【7065】ユーピーアール
市場 | 東証二部 |
備考 |
パレットを軸に物流機器のレンタル・販売を手掛ける。 |
ユーピーアールは、パレットやスマートパレットなど物流機器のレンタル・販売を手掛けている企業です。
冷凍庫や冷蔵庫を遠隔監視して、自動でデータを記録・保存できるHACCP対応オールインワンパッケージ「HACCPパッケージ」を発表しています。
巣ごもり消費で業績拡大している物流関連ということもあり、新型コロナ相場では上場来高値を更新しています。
4-3.【4694】ビー・エム・エル
市場 |
東証一部 |
備考 |
臨床検査大手。電子カルテシステムも手掛ける。 |
ビー・エム・エルは臨床検査大手で、電子カルテシステム「Medical Station」「QUALIS」を手掛けていることでも知られています。
子会社のBMLフード・サイエンス社が食品衛生検査を手掛けており、ハサップ認証取得を支援する「HACCPシステム診断や「HACCPチーム力量評価」などの食品コンサルティング事業を手掛けていることからハサップ関連銘柄に位置付けられます。
5.まとめ
新型コロナの影響で食に対する安全意識が高まっており、ハサップ(HACCP)の義務化は、食の安全意識の高まりを一段と加速することになるのは間違いありません。
ただマーケットにおいて明確なハサップ(HACCP)関連銘柄と言えるのは、フードビジネス向け衛生事業を手掛ける【4465】ニイタカしかないというのが実態です。
ニイタカ以外のハサップ関連銘柄は、ハサップ導入支援サービスなどを発表しているものの、食品衛生事業が株価に寄与することはほとんど期待できません。
唯一のハサップ関連銘柄とも言えるニイタカは、新型コロナによる外食産業での安全意識の高まりを反映した株高となっており、東証一部銘柄の中では新型コロナ相場でトップクラスの値上がりとなっています。
ハサップを始めとした食品衛生に関するニュースにはアンテナを張っておき、ハサップ(HACCP)関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
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