- 2017-12-21
- 低位株
個人投資家に人気のある高配当株は、銀行に預けるより金利が高くお得感があり注目されています。
特に高配当銘柄は利回りが高い為注目されやすいですが、低位株だと通常の利益も大きく狙えます!
利益+配当金=まさにお宝株とも言える魅力的な銘柄ですが、選び方を間違えると損失を抱えてしまうだけになる可能性も。
そこで今回は、低位株+高配当株の選び方から注意点まで取り上げ、旨みを2重に狙って頂くために重要なポイントをまとめました。
目次
1.株の配当金は個人投資家に人気
企業の株を持っていると年に数回配当金がもらえますが、個人投資家の中にはこの配当金狙いの投資をしている方もいます。
まずはその配当金について詳しく見ていきましょう。
1-1配当金とは
配当金は企業が株主に対して、出た利益の一部を還元するお金のことを言います。
年に1回から2回の配当を実施する企業が多く、1株あたり○○円として還元されます。
例)1株あたり20円の配当をしている銘柄の場合
1,000株保有していると
1,000×20=2万円の配当金がもらえます
10,000株保有していると
10,000×20=20万円の配当金がもらえます。
配当金額については各企業により異なり、業績が良ければ配当金額を増やす場合もありますが、業績が悪くなれば配当金額を減らす場合もあります。
また、配当を行わない企業もあります。
- 増配→業績アップ等により配当金額を増やす
- 無配→配当が無い(無くなる)
- 減配→業績不調などにより配当金額が減る
決算発表と共に配当修正を行う場合が多いので、決算時には合わせてチェックしましょう。
個別銘柄ごとの配当金額について調べるには、お使いの証券会社ツールや四季報などで現在の配当額を調べることができます。
ただ、配当金額だけで判断するのではなく、投資額に対してどれくらいの配当金がもらえるのか、お得なのか調べる必要があります。
ここで必要な指標が「配当利回り」です。
1-2.配当利回りの見方
配当利回りとは、現在の株価に対して年間の配当がどれだけあるかがわかる指標です。
%で表示され、数字が大きい程配当金の割合が多いということになります。
具体的な計算式は
1株あたりの配当÷現在の株価×100=配当利回り(%)
このように計算され、配当利回りが分かります。
それぞれの企業から発表される配当金は同じでも、株価が違うことで利回りが変わります。それによりお得度も変わりますので、配当金を狙う投資であればしっかり覚えておきましょう。
例えば
A社とB社は1株あたり年間20円の配当をしている銘柄だとします。
A社の株価は現在1,000円
B社の株価は現在500円の場合どちらがお得でしょうか?
A社の配当利回り=20(配当金)÷1,000(現在の株価)×100=2%
B社の配当利回り=20(配当金)÷500(現在の株価)×100=4%
このようになり、B社の方が配当利回りが2%も上の為、より多く配当金がもらえる銘柄となります。
この時、100万円分の株を保有していた場合
A社 100万円の2%なので配当金が2万円
B社 100万円の4%なので配当金が4万円
となります。
このように配当利回りを知っておくことで、お得な配当銘柄を絞り込むことができるので是非覚えておきましょう。
- 配当金は企業の出た利益から還元されるお金
- 配当利回りを知ることでお得な銘柄を知ることができる
2.高配当株は銀行に預けるより魅力大
配当株の特徴を知ったところで、今度は配当株の中でも多くの配当を出す高配当株についてその魅力と注意点を取り上げていきます。
2-1. 2%以上の高配当株の利回り銘柄
高配当株は銀行などに預けるよりも利回りがいい為、個人投資家から人気があり注目度も高いです。
- 配当利回り2%~2.99%の銘柄 973銘柄
- 配当利回り3%~3.99%の銘柄 340銘柄
- 配当利回り4%~4.99%の銘柄 37銘柄
- 配当利回り4%~4.99%の銘柄 37銘柄
※2017年6月19日時点※
と、全市場で2%以上の配当利回り銘柄は1352銘柄もあります。
大手銀行の金利が0.01%~0.25%の中、これだけの銘柄が2%以上の高配当株となれば非常に魅力的です。
更に高配当である3%以上の高配当株は379銘柄もあります。
金利の高い0.25%の銀行に100万円預けた時の金利は年に2500円なのに対し、3%の高配当株を100万円分保有していた場合は年に3万円の配当金がもらえます。
高配当株はこういった高い配当金の魅力から個人投資家に人気です。
2-2.高配当株の注意点
高配当株は上記のように高い配当金がもらえることから人気ですが、魅力の裏には落とし穴もあるので注意しなければいけない点があります。
注意点
高配当株という理由だけで配当利回りの高い銘柄を選んでしまうのはNGです。
それは、高配当になっている理由が「業績が良い」か「業績が悪い」のどちらかが考えられるからです。
高配当株で企業の業績が好調、株価も上昇し伴っていれば魅力的ですが、反対に高配当株だけど企業の業績は悪化し、株価も下がっていれば要注意です。
例)配当金が1株あたり20円の企業が株価1,000円から500円まで下がった場合
20円(配当金)÷1,000円(以前の株価)×100=2%
20円(配当金)÷500円(現在の株価)×100=4%
このように、配当金は同じで株価が下がった場合でも配当利回りは変化します。
配当利回りだけを見ると2%から4%になっているので高配当で良さそうに見えますが、実際は株価が下がったことで利回りが高くなっています。
このような銘柄は、業績が良くないためその後配当を減らしたり、配当が無くなったり、株価も更に下げる可能性がある為、避けるべきでしょう。
それらのことからも、高配当株だからといってどの銘柄でもいいわけではなく、業績も合わせて確認する必要があります。
過去の業績や配当なども合わせてチェックすることで、魅力的な銘柄を絞り込むことができるはずです。
- 銀行の金利より魅力的な2%以上の配当利回り銘柄は1352銘柄もある
- 高配当株は数字だけを見るのではなく業績も合わせてチェック
3.低位株+高配当株=お宝株!
高配当株であり低位株となれば配当、株価ともに期待値が増し、更に魅力的なお宝株となります。
3-1.低位株に絞りこむことで魅力UP!
低位株は一般的に株価が500円以下と安いので値幅が大きく狙えるといった特徴があります。
値幅が軽いことから過去には急騰した銘柄が続出しているのも低位株の特徴であり、株価2倍から株価10倍といった夢のテンバガー達成銘柄もあります。
株式投資の魅力である株価上昇からの利益も求めるなら、低位株は向いていると言えるでしょう。
3-2.低位株で気をつけるポイント
低位株は値幅が軽く、倍率も高いといった特徴がありますが、その逆として下落率も同じように高い為、上昇時や悪材料などが出た場合は注意が必要です。
好材料が出ればその分株価も大きく反応しやすく、株価2倍といった上昇を見せる可能性もあります。
しかし、その分悪材料などにも大きく反応しやすい為、株価が更に半値まで下げるといったことも可能性としてあります。
このデメリットを回避するには、普段から株価の動きをチェックし、早めの判断ができるように準備するか、損切りラインをあらかじめ決めておくといったことができれば損失を大きくせずに済むでしょう。
また、普段の出来高が薄い銘柄の場合、流動性が低い為、売りたい時に売れないといったことが予想されます。
そのデメリットを回避するには、普段の出来高がある程度こなしている銘柄を選ぶことが重要なポイントとなります。
このように、低位株にはメリットが大きい分デメリットも大きいといった特徴がありますが、しっかりと対策を取る事である程度回避できます。
- 高配当株と低位株をうまく組み合わせることで2重の旨みが狙える
- 低位株の特徴をしっかり把握することでデメリットを回避できる。
4.低位株・高配当株の選び方
では、ここから低位株で高配当株のお宝銘柄の選び方を簡単にできるようまとめていきますので、是非参考にして下さい。
4-1.スクリーニングを利用することで簡単に!
高配当株を見つけるにはまずスクリーニングで配当利回りの高い銘柄を絞り込みます。
お使いの証券会社サイトや無料のスクリーニングサイトを利用するといいでしょう。
- PER(1倍~10倍以下)
株価の割安性を判断できる - PBR(1倍以下)
純資産から見た株価の割安度が分かる - ROE(10%~20%)
株主からの資金を上手く使っているか分かる - 配当利回り(2%~5%)
配当金が多いか少ないか分かる
以上の4点を最低限絞り込みスクリーニングすることで、割安な成長株を見つけることができます。
この中から株価500円以下の低位株を見ていき、魅力的な銘柄を絞り込みます。
ただ、このスクリーニングがパーフェクトな見つけ方ではなく、その他で重視するポイントがあれば利用していきましょう。
また、スクリーニング機能によっては前日終値の株価で絞り込むこともできますので、株価を初期段階で絞り込むには利用しましょう。
無料でスクリーニングできるサイトとしてトレーダーズ・ウェブ
http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/invest_tool/screening/screening_top.asp
その他にも無料のサイトは多数ありますので、自分の使いやすいスクリーニングを見つけるのも一つのポイントとなります。
4-2.権利確定日があることを忘れずに!
配当金や株主優待を受取るには、権利確定日の3営業日前までにその企業の銘柄を持っておく必要があります。
その権利確定日の3日前を権利付最終日と言い、この日に銘柄を保有しておくことで配当金や株主優待といった株主としての特典を受取ることができます。
それらのことから、この権利付最終日前には配当狙いの投資家が増える傾向にある為、株価も上がりやすいといった特徴があります。
ただ、逆に権利付最終日だけ保有していればいいので、翌営業日は株価が下がりやすいといった特徴もあります。
その翌営業日のことを権利落ち日と言い、早々に銘柄を売ってしまう投資家が居る為、権利落ち日に利益確定しておくのも一つの手法となります。
通常、権利確定日は決算が重なる3月と9月が多いですが、企業によって違うので狙っている銘柄の権利確定日はしっかり把握しておきましょう。
また、権利確定日は相場も動きやすいので株価には注視しておきましょう。
- スクリーニングによりある程度割安で成長性がある低位株が絞り込める
- 保有銘柄の権利付最終日はかならずチェックしておく
5.まとめ
このように高配当株は配当利回りが高く銀行に預けるより魅力的な為、個人投資家に人気の銘柄です。
ポイントとしては、高配当で業績の良い低位株となりますが、注意点はしっかり覚え実践して頂けたらと思います。
低位株の値動きの軽さと高配当で2重に投資の旨みを狙っていきましょう。