- 2019-7-12
- テーマ株
従軍慰安婦や徴用工訴訟などを巡って、日韓関係が大きく揺れ動いています。
ただ戦後最悪と言われる日韓関係の裏で、日本と韓国の文化的・経済的結び付きはかつてないほど強くなっています。
また、サムスン電子やLG電子、ヒュンダイ自動車を始めとする韓国のグローバル企業や、世界中で人気の韓流ドラマやK-POPは世界中の投資家からも大きな注目を集めています。
韓国関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.韓国関連銘柄とは?
日韓関係がギクシャクする中で、韓国関連銘柄が密かに注目を集めています。
1-1.韓国経済の動向は?
韓国(大韓民国)は、朝鮮半島南部に位置する東アジアの経済大国です。
韓国経済は、かつては世界最貧国グループに位置していましたが、1990年代以降は輸出産業を中心に急速な経済発展を遂げています。
韓国の2018年度のGDPは世界第12位となっており、一人当たりGDPでは日本とほとんど変わらない規模にまで経済成長を遂げました。
また韓国の2017年のGDP成長率は+3.1%となっており、日本の1.7%を上回る成長率です。
韓国企業としては、世界的電機・半導体メーカーのサムスン電子や、有機ELテレビで知られるLG電子、世界的自動車メーカーのヒュンダイ自動車などが知られています。
近年文化的影響力も世界的に発揮しており、韓流ドラマやK-POPは、アジアを始めとする世界中で人気となっています。
日本でも、若者を中心にムーブメントを巻き起こしているのは知られている通りです。
ただ韓国では格差拡大が社会問題となっており、高い自殺率や少子化の進展が止まりません。
特に少子化は深刻な問題となっており、2018年の合計特殊出生率は0.98と、全世界で最低の値を記録しています。
今回注目する韓国関連銘柄は、韓国向けビジネスを手掛けている銘柄や、韓国企業との関係が深い銘柄などが中心になってきます。
1-2.日韓の文化的・経済的結び付きは増している
韓国は日本の最隣国ですが、両国は竹島を巡る領土問題や歴史問題を巡って対立が続いています。
特に従軍慰安婦問題を巡る歴史問題は、両国の間に大きな影を落としました。
2015年12月には日韓両政府の間で、従軍慰安婦問題を最終かつ不可逆的に決着させることを目的とした合意が結ばれました。
しかし、2017年5月に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権は、この合意を破棄する動きを頻発。
2018年10月には、韓国の最高裁にあたる大法院が、新日鉄住金に対して、戦時中の徴用工被害者に対して損害賠償を求める判決を下し、いわゆる「徴用工訴訟問題」が勃発。
2019年7月には、日本が韓国に対して半導体素材などに対する輸出規制を実施するに至っています。
日韓関係は戦後最悪の状態になっているのは、誰の目にも明らかな状況です。
ただ日韓関係は政治的には大きく冷え込んでいますが、文化・経済的な結び付きはより強いものになっています。
韓国観光公社が2019年1月22日に発表した観光統計によると、2018年に韓国を訪れた日本人観光客は前年比+27.6%増の294万8,527人となっています。
一方、日本政府観光局(JNTO)が2019年1月16日に発表した訪日外客数の推計値によると、2018年に日本を訪れた韓国人観光客は+5.6%増の753万9000人となり、過去最高を記録しました。
- 韓国は世界第12位の経済大国。一人当たりGDPは日本と同水準で、サムスン電子や韓流ドラマ・K-POPなどで世界的影響力を持つに至っている。
- 日韓関係は戦後最悪の状況になっているが、両国の文化・経済的結び付きは増している。
2.韓国関連銘柄は、半導体、ゲーム関連に注目
韓国関連銘柄のこの1年間の株価動向を見ていきましょう。
2-1.韓国発祥のゲーム企業!【3659】ネクソン
韓国はeスポーツ先進国ということもあり、韓国の文化に関連する銘柄は、韓流ドラマやK-POPよりもゲーム関連銘柄に注目が集まります。
オンラインゲーム大手の【3659】ネクソンは、親会社が韓国のNXCコーポレーションであり、韓国発祥のゲーム企業です。
同社の売り上げの半分以上は、中国でも配信しているオンラインゲーム「アラド戦記」が占めていることで知られています。
同社の株価は2018年7月には1,605円を付けていましたが、2018年11月には1,074円まで下落。
この下落の背景には、中国当局がオンラインゲーム規制案を出したことが原因でした。
2018年12月から2019年1月に掛けては、中国のゲーム規制が後退。
親会社のNXCがアメリカのAmazonや中国のテンセントなど複数の有力企業に買収されるというニュースが流れたことから大きく反発しました。
これにより2019年2月には、一時1,823円まで持ち直しました。
2019年7月現在は1,650円前後で推移しており、1年トータルではほぼトントンとなっています。
韓国やゲーム市場によって左右される銘柄ですので、周辺情報にアンテナを貼っておくことでチャンスをモノに出来る可能性のある銘柄となっています。
2-2.韓国関連銘柄の代表格!【6619】ダブル・スコープ
リチウムイオン電池セパレーターの専業メーカーである【6619】ダブル・スコープは、韓国に数多くの工場・生産拠点を構えてます。
韓国事業の売り上げが売り上げ全体の半分以上を占めている、韓国関連銘柄の代表的銘柄です。
同社の株価は、2018年7月には1,450円を付けており、2018年8月には一時773円まで暴落しました。
その後は持ち直しており、2019年7月現在は1,450円前後で推移しています。
韓国関連銘柄としては、韓国発のゲーム関連銘柄や、ダブル・スコープのように韓国売り上げ比率が高い銘柄に加えて、韓国向け比率が高い半導体関連銘柄にも注目が集まります。
- 韓国関連銘柄としては、韓国発のゲーム関連銘柄や韓国売り上げ比率が高い銘柄に注目。
3.韓国関連銘柄リスト
韓国関連銘柄リストを見ていきましょう。
銘柄 | 備考 |
【3165】フーマイスターエレクトロニクス | 電子部品の専門商社。韓国LG電子向けに強み。 |
【3659】ネクソン | 韓国でオンラインゲームやスマホゲームを配信。韓国発祥企業。 |
【3765】ガンホー | 韓国製オンラインゲーム「ラグナロクオンライン」の配信。 |
【4777】ガーラ | 韓国向けオンラインゲームの開発。 |
【6254】野村マイクロ・サイエンス | 半導体向け純水・超純水装置を手掛ける。韓国・台湾向けが拡大。 |
【6619】ダブル・スコープ | リチウムイオン電池セパレーター専業メーカー。韓国向けが売り上げの半分以上を占める |
【6857】アドバンテスト | 世界的半導体製造装置メーカー |
【6871】日本マイクロニクス | 半導体計測機器・検査装置が軸 |
【7214】GMB:独立系自動車部品メーカー | 韓国ヒュンダイ自動車向けが主力。 |
【8035】東京エレクトロン | 世界的半導体製造装置メーカー |
4.オススメの韓国関連銘柄3選!
2019年に注目・おすすめの韓国関連銘柄を3銘柄見ていきましょう。
4-1.【4777】ガーラ
市場 | 東証ジャスダック |
企業概要 | オンラインゲームの開発を行う。売り上げの9割以上が海外向け |
ガーラはオンラインゲームの開発を行っているゲームメーカーです。
売り上げの9割以上が、欧米や韓国の子会社からもたらされていることで知られています。
2019年5月から6月に掛けて、韓国最大規模のデジタルIT企業Megazoneとクラウドサービスで事業提携。
VRプラットフォーム事業とVRテーマパーク事業を展開する韓国のGPMとも業務締結したことを発表するなど、韓国事業に力を入れています。
株価も300円前後の低位株で推移しており、いつ爆発しても不思議ではありません。
4-2.【7214】GMB
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 独立系自動車部品メーカー。駆動系部品と補修用部品の製造販売が主軸。 |
独立系自動車部品メーカーのGMBは、韓国のヒュンダイ自動車向けに多くの部品を提供していることで知られています。
子会社の韓国GMBは、ヒュンダイ自動車グループへウォーターポンプ、バルブスプールなどの自動車部品のOEM供給を行っています。
ただ株価は大きく下げており、一時は2,400円を超えていた株価はこの1年半で850円まで暴落。
この1年半は下げ続けているため、いつ大きく反発してもおかしくありません。
4-2.【6871】日本マイクロニクス
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 半導体計測器具や半導体・LCD検査機器などの開発・製造・販売を手掛ける。 |
日本マイクロニクスは、半導体計測機器や半導体検査装置を開発している半導体関連銘柄です。
売り上げに占める韓国向けの割合は24%に達しています。
同社の株価は2014年2月に6,935円を付けてからは大暴落しており、この5年弱は1,000円前後で推移し続けています。
テクニカル的にも、そろそろ大きな反発となっても不思議ではありません。
5.まとめ
従軍慰安婦や徴用工訴訟を巡って、日本と韓国の関係は戦後最悪の状況です。
日本政府が対韓輸出規制をしたことによって、日韓関係はさらに悪化することが懸念されています。
しかし、日本でも韓流ドラマやK-POPが大人気となっており、また韓国でも日本のサブカルチャーが人気となっているなど、両国の経済的結び付きは強いものです。
韓国関連銘柄としては、韓国に関係するゲーム関連銘柄や、韓国における売上比率が高い銘柄、特に半導体関連銘柄に注目しましょう。
日韓関係を巡るニュースにはアンテナを張っておき、韓国関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう!
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