- 2018-2-12
- 建築
日本は台風など災害大国であり、その中でも地震は度々大きな被害をもたらしています。
関連銘柄においては、大きな災害が起こるたびに復興関連が物色されます。
2019年には大きな地震はありませんでしたが、2020年に油断は禁物です。
今回は、そんな地震関連銘柄について見ていきます。
目次
1.地震・耐震 関連銘柄とは? 概要説明
地震・耐震関連銘柄とは、大規模地震が起きたときに株価の上昇が期待できる銘柄のことで、地震対策、耐震補強、地盤、住宅、建設、インフラなどの事業に携わっている企業のことです。
地震による被害が大きくなると、さまざまな物資やサービスが必要になります。
それらを生産・提供している企業は注目されます。
また地震が大々的に報道されると、国民に「備えをしておこう」という気持ちが芽生えるので、防災関連の銘柄も買われやすくなります。
1-2.南海トラフ巨大地震の対策も急がれる
2019年は、台風15号と台風19号による大規模水害は発生したものの、特に大きな地震は発生しませんでした。
ただ日本が地震大国であることは変えられない事実であり、2016年の熊本地震や2018年の北海道胆振東部地震のような大地震がいつ発生してもおかしくありません。
特に懸念されているのが、首都直下型地震と南海トラフ巨大地震です。
南海トラフ巨大地震では、西日本全域に大規模な津波被害が発生することは確実であると見られており、対策が急がれます。
2020年1月24日、政府の地震調査委員会は、南海トラフ巨大地震で西日本から東日本各地で発生する津波の確率を公表しました。
全体の20%にあたる約70の自治体で、3メートル以上の津波に見舞われる確率が26%以上あるとのことです。
- 地震・耐震関連銘柄は地震後のニーズに応えられる企業
- 「地震に備えたい」というマインドに応える防災関連も買われやすくなる
2.上昇した地震関連銘柄とその理由
2016年4月の熊本地震で上昇した地震関連銘柄をそれぞれ見ていきましょう。
なお、2018年9月の北海道胆振東部地震はそこまで甚大な被害にならなかったことから、地震関連銘柄はほとんど動きませんでした。
2-1.熊本城修復で注目!【1810】松井建設
全上場企業の中で最も歴史の古い企業である【1810】松井建設は、2016年4月の熊本地震を受けて大きく上昇した地震関連銘柄です。
同社は、社寺建築に高い技術力と実績があり、「社寺の松井」とも呼ばれます。
文化財の復元を手掛けており、熊本地震で破損した熊本城の復元にも携わっています。
同社の株価は、熊本地震が起きる直前の2016年4月14日には746円を付けていました。
熊本地震発生後に買われていき、2016年7月には1,345円まで上昇。
熊本城の復元で注目されたこともあり、熊本地震発生から3ヶ月で+80%の高い上昇率となりました。
ただ、2016年7月に高値を付けてからは値をズルズルと下げ続けており、2020年2月現在は780円前後まで戻してきています。
2-2.熊本地震で急伸!【1888】若築建設
北九州を地盤とする海上土木中堅の【1888】若築建設は、熊本地震で最も注目された銘柄の一つです。
同社の株価は、熊本地震が起きる直前の2016年4月14日には1,260円を付けていました。
4月14日夜に発生した最大震度7となった熊本地震の前震を受けて翌日に急騰。
4月17日に発生した熊本地震の本震を受けてさらに買われ、4月18日には1,860円まで上昇しました。
地震発生から4日で+47%という驚異的な値動きとなりましたが、4月18日に高値を付けてからは乱高下となり、その後は下落していきました。
大地震が発生した地域を地盤とする建設会社は、地震関連銘柄で最も物色されやすい銘柄となります。
ただ、投機による乱高下が発生しやすくなるため注意しておきましょう。
3.地震関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【1401】エムビーエス | 外装リフォーム、特殊研磨、特殊コーティング |
【1726】ビーアールホールディングス | 橋梁建設大手 |
【1758】太洋基礎工業 | 地中連続壁などの特殊土木、地盤改良 |
【1813】不動テトラ | 海上土木と地盤改良 |
【4748】構造計画研究所 | 防災コンサル、構造設計 |
【1802】大林組 | 建設大手 |
【1812】鹿島 | 建設大手 |
【1803】清水建設 | 建設大手 |
【1852】浅沼組 | 耐震、中堅ゼネコン |
【4356】応用技術 | 環境解析、防災コンサル |
【6072】地盤ネットホールディングス | 地盤解析、地盤調査、地盤補償 |
【9761】東海リース | プレハブなど仮説建物リース |
4.おすすめの地震関連銘柄3選
地震・耐震銘柄として注目しておきたい3社についてみていきましょう。
4-1.【1833】奥村組
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | 関西地盤の中堅ゼネコン。免震技術のパイオニア。 |
奥村組は、関西地盤のゼネコンであることから、南海トラフ巨大地震で注目の地震関連銘柄です。
また30年以上に渡って免震技術の研究を続けている免震技術のパイオニアであることでも知られています。
南海トラフ巨大地震に備えて長期投資しておいてはいかがでしょうか?
4-2.【1813】不動テトラ
市場 | 東証一部 |
単位 | 100株 |
南海トラフ巨大地震で懸念されるのは津波です。不動テトラは、地盤改良と消波ブロックのトップ企業であることから、津波対策で物色されることが期待される銘柄です。
ちなみに、「テトラポッド」は不動テトラの四脚ブロック製品の登録商標となっています。
4-3.【5805】昭和電線ホールディングス
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | 中堅電線メーカー。免震装置にも強み。 |
昭和電線ホールディングスは、免震装置で国内2位であることから、地震関連銘柄として注目しておきたい銘柄です。
また同社は、電線や電柱を地中化して地震や台風被害に強くする「電線地中化」でも注目が集まります。
まとめ
地震というネガティブな材料で投資判断することは簡単ではありません。
しかしネガティブな事象は相場全体を押し下げるので自身の資産にも悪影響を及ぼします。
つまり地震・耐震銘柄に投資することはリスクを減らす効果を期待できるわけです。
分散投資のひとつとして地震・耐震銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。
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