- 2018-5-25
- 低位株
一攫千金も夢じゃない仕手株は非常に魅力的です。
わずか数日でも大きな資産倍増が可能で、個人投資家の中には成功者が多数いるようです。
確かに、仕手株には非常に魅力がありますが、魅力の裏には危険も潜んでいます。
そんなハイリスクハイリターンな仕手株について、攻略すべく様々なポイントをまとめました。
仕手株投資に興味がある方は、仕手株の見つけ方から売買タイミング、注意すべき点まで全てを攻略していきましょう。
目次
1.仕手株とは?
ニュースや掲示板などで噂される仕手株とは、具体的にどのような銘柄なのか基本から見ていきます。
1-1.一攫千金も目指せる仕手株とは?
仕手筋とは狙った銘柄に巨額資金を投入し、株価を意図的に吊り上げる投資家や投資グループのことを指します
仕手や本尊と言われ、政治家や資産家、医師、社長などの資金を集めるグループから個人まであり、その資金や規模は大小様々です。
仕手筋が介入し意図的に吊り上げる銘柄のことを仕手株といいます。
主に業績のさえない新興市場などの低位株を選ぶ傾向にあり、市場に気付かれないように安値で銘柄を買い集め、その後急騰させていきます。
それにより仕手株は連日急騰、連日ストップ高をつけることがあり話題になりやすいので目にすることはあるでしょう。
特に仕手が入っているとされる銘柄は、企業業績とは無関係に株価が乱高下しますので、謎の株価急騰銘柄などは仕手筋が介入している可能性が高いとされています。
ただ、仕手筋が介入した仕手株の場合は、その後持っているポジションを全て解消する徹底的な売りが入る為、急騰中に買った投資家は売りタイミングを逃すと痛い目に合います。
また、近年増加しているのがネット仕手筋。
掲示板やLINE、チャットなどを利用し、リアルタイムで情報交換することで急騰を演出しているとされています。
このようにネット仕手筋なども増加していることから、ネット上の情報には注意すべきです。
仕手株に対する知識や攻略法を身につけることが重要です。
1-2.仕手株に投資するのは違法にならないのか?
仕手筋が株価を意図的に吊り上げる仕手株への投資は違法ではないのか?疑問に思う方もいるはずです。
確かに、株価を意図的に操作する行為は「相場操縦」とされ、証券取引法で禁止されています。
違反者は「懲役」または「罰金」のほか、「損害賠償責任」などを負わなければなりません。
実際、2017年10月12日にストリーム株の株価を不正につり上げたとして逮捕者が出ました。
▼参考記事
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13H23_T11C16A0CC0000/
【3071】ストリーム
2014年2月5日の安値から9月24日の高値でみると倍率7.2倍!
この場合は、相場操縦をしたことで違法とされ逮捕されましたが、仕手株への投資は待ったく別物です。
仕手株というのは実際確実に分かる訳ではありません。
仕手株っぽい動きをしているからと噂になったり、投資家が予測の範囲で判断するので、実際は仕手株と断定することはできません。
あくまで仕手株は予想ということになります。
その為、仕手株への投資が違法ということにはならず、急騰銘柄への投資というのが現実なので安心して下さい。
また、ここまでの流れだけだと、仕手株のネガティブなイメージが先行していますが、仕手株には大きな魅力がありますので、この後メリットや魅力について見ていきましょう。
- 株価を意図的に吊り上げる投資家や投資グループのことを仕手筋と呼ぶ
- 仕手株への投資は違法ではない
2.仕手株の魅力とは?
短期トレーダーに人気の仕手株にはどのような魅力があるのでしょうか
2-1.仕手株の魅力やメリット
仕手株は今までに短期で株価2倍や5倍、夢の10倍といった短期急騰を見せています。
その為、短期で爆発的な利益を狙えることから短期トレーダーを中心に人気があります。
普段から出来高の多い東証一部などの大手企業銘柄とは違い、仕手株は出来高が少ない銘柄がターゲットになることで、短期急騰が可能となります。
前場だけで+10%の株価上昇やストップ高は当たり前で、1週間で株価2倍になることだってあります。
つまり、東証一部の銘柄で年間数%の利幅を狙うところを、わずか1~7日間で狙えるということです。
また、仕手株は低位株などの銘柄が多い為、元手が少なくても大きなリターンが狙えますので投資金が少ない投資家にも魅力があります。
例えば、投資金30万円の投資家が20%の利益(6万円)を狙うとした場合、1年で6万円の利益か数日で6万円の利益が狙えるのでは大きく変わってきます。
仕手株にはこれらのような短期急騰の魅力があります。
2-2.代表的な仕手株と急騰率
では、仕手筋が過去にどのような銘柄に仕掛けを入れ、どの位の急騰を見せたのか確認しておきます。
仕手株として噂になった銘柄
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2002年~2003年
【8029】ルック 安値124円 高値2,160円 倍率17.4倍!
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2003年~2004年
【8107】キムラタン 安値160円 高値1,980円 倍率12.4倍
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2005年
【5237】ノザワ 安値278円 高値1,720円 倍率6.2倍
【3521】エコナックHD 安値104円 高値484円 倍率4.7倍
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2006年
【8123】川辺 安値137円 高値363円 倍率2.6倍
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2011年~2012年
【4406】新日本理化 安値66円 高値1,297円 倍率20.0倍
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2013年~2014年
【3782】ディー・ディー・エス 安値51円 高値1,899円 倍率37.2倍
【9424】日本通信 安値53円 高値1,268円 倍率24.0倍
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2014年
【6356】日本ギア工業 安値312円 高値1,440円 倍率4.6倍
このように、仕手筋が介入したとされた銘柄は圧倒的な倍率を記録していることが分かります。
これらはあくまで一部の銘柄だけですが、この中だけでも10倍を超える急騰銘柄は5銘柄。
中には20倍、30倍越えの銘柄もありました。
仕手株はこのような急騰を見せることから、短期トレーダーを中心に人気となっています。
- 短期で爆発的な利益を狙えることから短期トレーダーを中心に人気
- 過去の仕手株には10倍から30倍を越える上昇を見せた銘柄があった
3.仕手株のリスクと特徴に関して
仕手株はメリットも大きいですがリスクもかなり大きく、注意すべき点が多数あります。
3-1.仕手株のリスク
仕手株は短期急騰する特徴があることでハイリターンが狙えます。
しかし、ハイリターンの裏にはハイリスクも潜んでおり、一歩間違えば大きな損失をだしてしまう可能性を秘めています。
急騰銘柄はいつまでも上昇する訳ではなく、買われ過ぎれば、その後は売られ急落します。
特に仕手株の場合は、仕手筋がそれまで買い集めた銘柄を全て売りに出るので、徹底的な売りに押され急落というパターンが待っています。
また、仕手株は特に材料がない急騰なので高い株価を維持できずに、妥当な株価に戻っていくことになります。
この動きにより、急騰前の株価以下まで下げる可能性もあるので、高値掴みした投資家は動くことができなくなってしまいます。
上記で取り上げた、過去の仕手株銘柄でもそうでしたが、ほとんどの銘柄が急騰後は元の急騰前株価付近まで値を下げています。
それにより、大きな損失を出してしまうか、塩漬け株になってしまうことが考えられますので仕手株は非常にハイリスクだと言えます。
3-2.仕手株に選ばれる銘柄の特徴
1-1でも軽く触れましたが仕手筋がターゲットにする銘柄にはある特徴があります。
- 新興市場などの低位株(発行済株式数が少ない小型株)
- 業績のさえない(普段見向きもされないボロ株)
- 空売りができる銘柄(貸借銘柄)
これらの銘柄を選ぶ傾向にあります。
発行済み株式数が少ない方が意図的に株価をつり上げやすく、安値で買い集める為には普段見向きもされない銘柄の方が好都合です。
また、貸借銘柄を選ぶのは空売り投資家の踏み上げを狙える為で、売りを誘ったあとに株価を上げていくことで買い戻しが入りやすい為です。
仕手株に選ばれる銘柄がこのような特徴であることから、急落後は見向きもされない銘柄に戻る可能性があるということです。
それらのことから、急騰中の仕手株を高値で掴んでしまった場合、ボロ株に戻ってしまった後では手放すのが難しくなります。
▼仕手株のリスクについて詳しくはこちら
- 仕手株には急騰後の急落が待っている為ハイリスクである
- 仕手株に選ばれる銘柄には何点か特徴がある
4.仕手筋の手口は巧妙
ここまでに仕手株で選ばれる銘柄の特徴まで説明してきましたが、今度は仕手筋の手口を見ていきます。
4-1.仕手筋は気付かれないように買い集める
仕手筋にはその規模や資金が大小様々ですが、ある程度決まった手口があります。
- 仕手株にする銘柄を選定する
- ターゲットとなった銘柄を安値で少しずつ買い、まとまった株数を集める
- 株価のつり上げを行い、提灯をつける
- おいしいところで売り抜ける
このような流れで仕手筋は仕掛けます。
ターゲットとなる銘柄の選定については上記で取り上げたように、低位株や空売りができる銘柄から選ばれやすい特徴があります。
その後、市場参加者に気付かれないように少しずつ銘柄を買い集め始めます。
時には、買い集め中に提灯が付くか株価を動かし注目されるか、様子を伺うこともあります。
その後、目立つように買いを入れ始め急騰させていきます。
ネットやニュース、掲示板などあらゆる手を使い、買いを煽り提灯を付けさせます。
上がり過ぎたら冷やし玉をいれ、空売り投資家も巻き込みながら出来高も増やし、上昇トレンドを形成させます。
十分に株価が上昇したら、あとは売り抜けるだけです。
このような手口で仕手株は個人投資家を揺さぶります。
仕手筋が静かに買い集めている時に相乗りできればいいですが、個人投資家が気付く時は、急騰している時になるので大きなリスクがあると言えます。
仕手株にはこのようなリスクがありますが、それでも仕手株に挑戦したい方はこの後にある仕手株の見つけ方と投資法を読み進めて下さい。
▼仕手筋の手口について詳しくはこちら
【仕手筋の手口とは?有名な仕手戦や用語なども併せて解説】
- 仕手筋は安値で大量に買い集め、急騰させ個人投資家を巻きこむ
- 売りの投資家も煽り出来高、株価を最大限にすると売り抜ける
5.仕手株の見つけ方3パターン
仕手筋の手口などの特徴を踏まえ、仕手株の見つけ方を考えていきます。
5-1.大陽線から仕手株を見つける
大陽線とは陽線で上下にヒゲがなく、一本の長いローソク足です。
大陽線は基本的に、相場の始まりから大引けまで終始買われたことで形作られます。
その為、強い買いシグナルとなり急騰銘柄や仕手株などの初動段階で表れます。
大陽線の見つけ方としては、長いローソク足ほど倍率が高い為、値上がり率ランキングなどから見つけることができます。
大陽線を見つけたら、仕手株に選ばれやすい基準の銘柄なのかも確認しておきます。
- 低位株(100円以下を目安)
- 空売りができる銘柄
- 材料の有無(材料なしで上がっているか)
- 発行済み株式数が少ない銘柄
これらの条件に当てはまった場合は仕手株の可能性が高まりますので、候補に入れます。
5-2.出来高から仕手株を見つける
仕手株が狙う銘柄は普段見向きもされない銘柄が多く、出来高も少ない傾向にあります。
そこで出来高急増ランキングを使い、仕手株を見つける方法があります。
仕手筋は新興市場の銘柄を選ぶ傾向から、ジャスダックやマザーズ市場などに絞り込みます。
ジャスダックの低位株であれば、通常1日の出来高は3万株~50万株を基準として見るといいでしょう。
ただ、銘柄により通常の出来高は様々となりますので、通常の出来高がどれだけあるのか確認しておきます。
これらの条件をクリアし、材料無しで通常の出来高から5倍~10倍といった増加が見られれば、仕手化の可能性が高くなります。
大陽線といったローソク足の動きも合わせて見ることで、より仕手株の可能性を見つけます。
5-3.噂から仕手株を見つける
相場の格言に「噂で買って事実で売れ」という言葉があります。
この格言が意味するのは、相場は事実よりも噂や思想で動くものということを表しています。
実際の相場でも、事実が分かってからでは売りに押されることが多く、噂になっている間が期待買いで株価が上昇しやすい傾向にあります。
仕手株の場合は、噂が個人投資家の耳に入るころには既に大相場を形成中ということが多いので危険なタイミングとも言えますが、初動の段階での噂であればチャンスです。
噂になっている銘柄の株価チャートを確認し、出来高が増え始めてから数日(1日~3日)であればまだ初動段階と捉えることができます。
また、先程の仕手株かもしれない銘柄の特徴を確認します。
これらの条件にマッチしても、既に出来高が増えてから何日も経過し、株価も大きく上昇しているのであれば危険なので高値での参戦は避けるべきでしょう。
- 仕手株の初動段階で表れる強い買いシグナル大陽線から見つける
- 材料無しで、出来高が5倍~10倍の増加があれば仕手株の可能性が高まる
- 初動時での噂であれば仕手株に相乗りするチャンスが高まる
6.仕手株を狙った投資法
仕手株の見つけ方が分かったら後は仕手株の投資法です。仕手株の売買タイミングはどのようにすべきか見ていきましょう。
6-1.仕手株の売買ポイント
仕手株はスピード勝負です。様子を見ている間に急騰し買えなくなるパターンや、高値掴みしてしまう可能性を考えると、仕手株を見つけた時がエントリータイミングでしょう。
・長い大陽線の出現
・出来高が10倍以上に急増
これらの条件に、材料無しの場合であれば仕手株の可能性が高まる為、迷わずエントリーするのも手です。
ポイントとしては1度に大量の買い注文を入れるのではなく、動きに合わせて買い増ししていくスタンスがいいでしょう。
ただ、仕手株などの急騰銘柄では株価が乱高下する可能性がありますので、このような銘柄にエントリーするのであれば必ず損切りラインを徹底をすべきです。
また、見込み違いの上昇であればすぐに撤退することをルール化しましょう。
6-2.仕手株の利益確定タイミング
では、安値で上手くエントリーできその後株価が急騰していった場合、考えるのは売りのタイミングです。
仕手株はスピードが早いので、利益確定タイミングも早めに行う必要があります。
- ルール化し、倍率○倍になったら売ると決める
- ローソク足が陰線で引けたら利益確定
- 出来高が減少したら利益確定
- ストップ高張り付きの場合は半分利益確定し、半分持ち越す
- その日の高値から10%以上下げたら利益確定
- 節目の株価より1つ下の価格で指値を入れる
このように様々な利益確定ポイントが出てきますが、それらは自分のルールを決めることから始まります。
どのような条件になれば利益確定するといった、マイルールを徹底してから仕手株などの急騰銘柄にエントリーしましょう。
力強い上昇を見るとどうしても欲が出るのが人間ですが、マイルールは徹底しなければ危険です。
すべては、スピードの早い仕手株からのリスクを最小限に抑えながら、利益を狙う流れが好ましいので、損切りラインの徹底と素早い利益確定の徹底を重視しましょう。
6-3.仕手株投資での注意点
仕手株は材料などが無い銘柄の急騰が多いです。
その為、一旦急落すれば急騰時よりも早いスピードで株価が下落してしまう可能性があります。
上記で取り上げた仕手株【3071】ストリームのその後を見てみます。
【3071】ストリームのその後
上昇時より何倍も早く急落しているのが分かります。
売られる時は徹底的に売られる為、乱高下する株価に動揺する方は、適切な判断が出来ない可能性がある為、向いていません。
また、仕手株は基本短期勝負となりますので、長期投資の方にも向いていません。
損切りできない、マイルールが曖昧な方も損失を大きくする可能性がありますので仕手株には手を出さない方がいいと言えます。
- 取引時間中にモニターの前に貼り付いていられる
- マイルールをきちんと定めている
- 損切りをすぐに出来る
- 株価の乱高下でも動揺せず、適切な判断が可能
これらのように、常に株価の状況を確認でき、マイルール通りに動ける方が仕手株に手を出してもいいと言えます。
- 仕手株を見つけた時がエントリータイミング
- 仕手株の利益確定タイミングも素早い判断が必要でルール化して望む
- 仕手株に向いていない方は手を出すべきではない
7.まとめ
仕手株は短期急騰の特徴から、短期で大きなリターンが狙える株です。
しかし、ハイリターンの裏にはハイリスクもあるということを覚えておくべきで、不用意に参加するのは危険です。
ただ、仕手株の特徴を理解し、素早い判断が出来る方であれば一攫千金を目指すチャンスでもあります。
特に仕手株は早い動きとなるので、十分なリスク管理とマイルールを徹底してから挑みましょう。