- 2017-10-23
- 株の初心者用講座
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仕手株は短期急騰する銘柄の1つで、大きな利益を狙えることから魅力があります。
ただ、仕手筋の手口は巧妙で、個人投資家が参戦する時には既に売り抜けている場合が多いのが特徴です。
その為、高値掴みをしてしまうのが個人投資家で、痛い目に合わないように注意するにはその手口を覚えておくべきでしょう。
そこで、仕手筋の手口から、過去の大物仕手筋、現在のネット仕手筋までの特徴を取り上げました。
目次
1.仕手筋の手口
仕手筋が行う手口はどのような流れなのでしょうか?まずは見ていきましょう
1-1.仕手筋の儲けの手口
仕手筋は大量の資金を持ち、意図的に株価を釣り上げて利益を得る集団です。
その為、仕手筋が仕掛けた銘柄は大きく急騰することがあり、何も知らずにその銘柄に参戦してしまうと危険です。
そういった仕手株を掴まない為にも、まずは仕手筋の手口から確認しておきましょう。
仕手筋の手口を大きく分けると
仕手筋の手口を大きく分けると
1.銘柄選定
仕手筋がターゲットにする銘柄を選びます。主に低位株やボロ株など値動きの軽い銘柄で、貸借銘柄などを選びます。
2.株の仕込み
市場に気付かれないよう、噂にならないよう静かに株を少量ずつ買い集める。
3.株価のつり上げ
買い集めた銘柄を今度は目立つように資金を投じ、株価をつり上げる。
4.提灯を誘う
マスコミや、ネットのニュース、掲示板などに情報を流し、買いを煽ることで個人投資家などが相乗りする「提灯」を誘う。
5.ふるい落としと冷やし玉
株価が上がり過ぎたら「冷やし玉」の売りを入れ、過熱し過ぎている状態を冷ましながら、空売りも誘い込む。
6.売り逃げ
十分株価が上がったところで、仕手は大量の売り注文をぶつけ売り逃げます。
このように急騰と急落になるよう操作し、株価を吊り上げて相場が1番熱いときに売り抜けるという流れが仕手筋の手口です。
個人投資家が参戦する頃には過熱ピーク時となっていることが多い為、高値掴みになるかの度胸だめしとなります。
仕手筋の売り逃げにより株価が急落し、高値で掴んでしまった投資家は売るに売れない「塩漬け」状態に陥ってしまうおそれがあるので、このような仕手株には注意が必要です。
1-2.提灯などの用語
大まかな仕手筋の手口が分かったところで、上記で出てきた「提灯」などの用語を覚えておきましょう。
提灯(ちょうちん)
提灯とは、仕手筋や機関投資家などの大口の売買に個人投資家などが便乗して買いに走る状態のことを言います。
提灯がつく、提灯買いや提灯売りなどとも言われています。
冷やし玉(ひやしぎょく)
買い注文が集まって、相場が過熱している状態のときに出す売り注文のことを言います。
銘柄が人気化し、売り注文が全然出ないことで値段がつかず、買い気配のまま株価が上がっていくなど、相場があまりにも過熱傾向の場合に意図的な売り「冷やし玉」をだすことがあります。
振るい落とし
仕手筋が株価を吊り上げ個人投資家の提灯がついたところで、大口の売りを出し株価を下げることを言います。
株価の急落で焦った投資家も売ることで株価はさらに下落。このとき空売りも誘い込みます。
売りがやんだ頃合を見計らって再び上昇させるなど、何度か繰り返すことですぐに上がる銘柄だと判断させ、手放さない投資家と、この後の空売り踏み上げも狙います。
空売りの踏み上げ
空売りの踏み上げとは、それまで売りで入っていた投資家などが仕手筋の急激な買い仕掛けで急騰する株価に耐えられず、やむなく買い戻しする動きのことです。
つまり、空売りが多ければ多い程買い戻しが期待でき、大きな踏み上げが狙えます。
仕手筋が空売りできる貸借銘柄を選ぶのはこのような理由もあります。
- 仕手筋は安値で買い、急騰させ高い所で売り逃げる手口
- 個人投資家が仕手筋介入の噂を聞く頃は、時すでに遅し
2.有名な仕手戦と大物仕手筋
過去にどのような仕手戦が繰り広げられていたのか、有名な仕手戦で確認しておきます。
2-1.兜町の風雲児K氏が仕掛けた「宮地鉄工所」
K氏=加藤暠(かとうあきら)
1979年12月~1980年にかけて加藤暠氏が率いる誠備グループが仕掛けた「宮地鉄工所の仕手戦」です。
当事200円台だった株価は、ピーク時に高値2,950円を付け倍率14.7倍の急騰となりました。
誠備グループの仕掛けにより宮地鉄工所の発行済み株式70%を買い占め、会社乗っ取りに発展するエピソードもある程、大きな仕手戦でした。
また、この件で「誠備グループに入ると儲かる」という噂が広まり、加藤暠氏の影響力が拡大していきました。
その他にも加藤暠氏が手がけたとされる仕手戦は数多くあり、「兜町の風雲児」「東のK氏」などと呼ばれ、仕掛けた仕手株は「加藤銘柄」「K氏銘柄」などと言われました。
2-2.最後の仕手筋N氏が仕掛けた「宝林」
N氏=西田晴夫(にしだはれお)
加藤暠氏が「東のK氏」と呼ばれるのに対して「西のN氏」と呼ばれた西田晴夫氏が仕掛けた最高傑作の仕手戦。
1990年代後半、当時100円台で推移していた宝林の株価は、西田氏の仕掛けにより高値2,500円を付け、倍率25.0倍近くの急騰を見せました。
この結果から西田氏の「最高傑作」と呼ばれた仕手戦です。
大株主であったイスラエル人投資家の持ち株を買収し株価を吊り上げるなど、株の過半数を握ったことも有名です。
「宝林」とは現在でいうサハダイヤモンドのことです。
西田氏は「最後の仕手筋」とも呼ばれ、手がけた銘柄も数多くあります。
また、西田が関係していると噂になるだけで株価が急騰するなど大きな影響を与えた仕手筋です。西田氏が仕掛けた銘柄は「N銘柄」と言われている。
- K氏(加藤氏)の手がけた宮地鉄工所は倍率14.7倍の急騰
- N氏(西田氏)の手がけた宝林は倍率25.0倍近くの急騰
3.ネット仕手筋による短期急騰
ネット取引が一般的になることで、近年ではネット仕手筋と呼ばれる仕手が増加しているようです。
3-1.ネット仕手筋とは
かつてはK氏やN氏といった有名な仕手筋が大相場を形成していましたが、現在はネット仕手筋と呼ばれる仕手が誕生しています。
ネット仕手筋=インターネットを使った仕手グループ。
ネットを使ってリアルタイムに情報交換などができることで、大小多くのネット仕手筋が居るといわれています。
特に、掲示板やツイッターなどはリアルタイムで様々な情報が投稿できることで、個人投資家などもすぐに参戦し、株価が急騰しやすい状況です。
そういったこともあり、ネット系の仕手株は短期急騰しやすい反面、短期急落しやすい特徴もあります。
ある日突然株価が急騰し、値上がり率ランキング上位に出れば、デイトレーダーなどの個人投資家がすぐに買い付け、提灯が付きます。
数分でストップ高になる場合もあれば、上下に乱高下しマネーゲーム化する銘柄もあります。
このように急激に提灯のついた銘柄が、ネット仕手筋の仕掛けなのか見極めるのは非常に難しいですが、買い材料があるかは確認できます。
・IR発表などで材料視されて急騰している
・材料は無いのに急騰している
材料発表により急騰しているのであればいいですが、材料なしの急騰の場合は仕手要素が高くなりますので、避けるべきでしょう。
▼仕手株についてもっと知りたい場合はコチラ
- インターネット時代に合わせ、ネット系仕手筋が短期で仕掛ける銘柄がある
- 材料なしの急騰銘柄には手を出すべきではない。
4.まとめ
仕手筋は大きな資金を使い、人為的に株価を上げ利益を狙います。
それにより仕手株には短期急騰する特徴があるので非常に魅力的ですが、注意が必要です。
急激に急騰した銘柄で高値掴みをしてしまうのが個人投資家なので、仕手の手口に引っかからないよう、材料なしの銘柄か見極めましょう。
魅力の裏には危険が潜んでいます。
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