- 2021-5-18
- 建築
【7898】ウッドワンは+55%!【7815】東京ボード工業は+58%!【9812】テーオーホールディングスは+65%!【7426】山大は+130%!【7897】ホクシンは+137%!
アメリカの住宅ブームを背景に木材価格が高騰している「ウッドショック」を受けて、木材関連銘柄は全面高商状となっています。
木材価格が今後も高止まりが続く場合には、木材関連銘柄は長期的な注目テーマ株となり、一段高となる可能性もあるかもしれません。
木材関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.木材関連銘柄とは?
「ウッドショック」と呼ばれる世界的な木材価格の高騰を受けて、木材関連銘柄が注目を集めています。
1-1.木材とは?
木材とは原木を切断して材料や原料として用いられる樹木の幹の部分のことです。建築や製品の材料として一定の長さや大きさなどに製材された木材は「材木」と呼ばれます。
木材は住宅や家具、日用品などさまざまな用途で使われています。
木製品に限らず、紙の原料となる木材パルプ、薪や木炭といったエネルギー源としても使われるなど、その用途は産業を問わず非常に多様です。
日本の木材産業は、安価な海外製品に押されて競争力の強化が課題となっていましたが、近年は新興国での住宅需要の高まりから木材価格が高騰したことによって、価格競争力を回復しつつあります。
林野庁が2020年10月に発表した「森林・林業・木材産業をめぐる情勢について」によると、国産材の供給量は主伐材を中心に着実に増加しており、2018年には3,020万平方メートルと、この10年間で約1.5倍以上です。
国産材が好調な背景には、製材・合板工場の整備が進んだことで木材消費量が底上げされたことや、民間で木造建築の需要が高まっていることなどが挙げられます。
ただ国内林業の生産性は確実に向上しているものの、他の産業に比べるとまだ十分な水準ではなく、林業従事者の高齢化や人材不足などが課題です。
1-2.「ウッドショック」で木材関連銘柄が買われる!
今回注目していく木材関連銘柄は、木材事業を手掛ける銘柄を総称したテーマ株です。
ただ木材関連銘柄は、株式市場において注目テーマになることはほとんどなかったと言わざるをません。
ところが、2021年4月、「ウッドショック」というワードを背景に、木材関連銘柄が急騰する展開となりました。
「ウッドショック」とは、住宅の柱や梁(はり)などに使われる輸入木材の需給が逼迫して価格が高騰している状況のことです。
アメリカや中国などで住宅需要が好調となっていることを背景に、木材不足が深刻化し、世界の木材価格は急騰。
アメリカでは、超低金利に加えてテレワークによる住宅勤務の普及が重なったことで住宅ブームが発生しています。
木材の先物価格は、2020年春のコロナショック時は300ドルを割り込み、一時251ドルまで落ち込みました。
その後は反発し、2020年8月~2021年2月までは500~1,000ドルの値で推移。
2021年3月、ウッドショックが表面化してきたことを受けて木材先物価格は急上昇。
2021年5月9日には1,733ドルの史上最高値を付けました。
木材価格の高騰は実体経済にはマイナスであり、日本でも高騰する木材の輸入に支障が出ていることから、住宅建設にも影響が出始めています。
その一方、マーケットでは木材事業を手掛ける木材関連銘柄が全面高の展開となっています。
- 木材関連銘柄は、木材事業を手掛ける銘柄を総称したテーマ株。
- アメリカで住宅ブームが起こったことを背景に木材先物価格は急騰。「ウッドショック」を受けて木材関連銘柄は全面高となっている。
2.木材関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
ウッドショックを受けて2021年に上昇している木材関連銘柄を見ていきましょう。
2-1.低位株から急騰の木材関連銘柄!【7897】ホクシン
中密度繊維板(MDF)最大手で、MDFブランド「スターウッド」を手掛ける【7897】ホクシンは、低位株から急騰している木材関連銘柄です。
同社は、2021年1月初めには111円の低位株となっていました。その後は横ばいが続いていましたが、4月23日から急騰。
4月22日に129円を付けていた株価は、4月28日には264円まで上昇しました。
2021年年初からの最大上昇率は+137%となっています。
同社は東証一部の低位株ということもあり、2021年5月時点では、木材関連銘柄の中で最も売買代金が大きい主力銘柄となっています。
2-2.木材に強い住宅商社!【7426】山大
製材と住宅資材に強い住宅総合商社の【7426】山大も、ウッドショックを受けて木材関連銘柄として大きく買われました。
同社の株価は、2021年1月初めには725円を付けていました。流動性がほとんどなく、1日に1度も取引が成立しない日も少なくない流動性リスクが高い銘柄となっていました。
4月19日から大きな上昇が始まり、4月23日には1,672円まで上昇。
2021年の年初からの最大上昇率は+130%となっています。
ウッドショックを受けて、2021年4月中旬頃から木材関連銘柄は全面高の展開となっています。
上記2銘柄以外では、【7898】ウッドワンが+55%、【7815】東京ボード工業が+58%、【9812】テーオーホールディングスが+65%などです。
※いずれも2021年1月始値から2021年5月12日までの最大上昇率
- 「ウッドショック」を受けて、2021年4月中旬頃から木材関連銘柄は全面高に!
3.木材関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【6346】キクカワエンタープライズ | 製材・木工機械最大手 |
【7426】山大 | 製材と住宅資材に強い住宅総合商社 |
【7808】シー・エス・ランバー | 在来軸組工法とツーバイフォー工法のプレカット木材加工販売 |
【7815】東京ボード工業 | 木質廃棄物を使ったパーティクルボード「E・V・Aボード」 |
【7822】永大産業 | フローリングに強い住宅用建材・内装材メーカー |
【7879】ノダ | 内装材や木質繊維板に強い住宅建材大手 |
【7896】セブン工業 | 集成材に特化した建材メーカー |
【7897】ホクシン | 中密度繊維板(MDF)最大手 |
【7898】ウッドワン | 木質総合建材メーカー |
【9812】テーオー | 北海道を地盤に首都圏にも進出する提案型木材問屋 |
【9872】北恵 | 関西を地盤とする住宅資材商社 |
4.オススメの木材関連銘柄3選!
木材価格が高止まりとなった場合にオススメの木材関連銘柄を押さえておきましょう。
4-1.【7897】ホクシン
市場 | 東証一部 |
企業概要 | MDFブランド「スターウッド」を手掛ける中密度繊維板(MDF)最大手。 |
ホクシンは、中密度繊維板(MDF)最大手で、ウッドショックを受けて最も注目されている木材関連銘柄の一つです。
低位株だったことがより注目を集めた要因になったと思われます。依然として低位株水準であるため、木材価格次第では再度急騰する可能性も十分に考えられます。
4-2.【7822】永大産業
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 複合フローリング材でトップの住宅用建材・内装材メーカー。 |
永大産業は、複合フローリング材に強い住宅用建材・内装材メーカーです。東証一部の低位株で木材関連銘柄ですが、ホクシンに比べると上昇率が控えめです。
今後ウッドショックが長引いた場合には、低位株からの急騰が起こる可能性は十分にあると見てよいでしょう。
また配当利回りは3.74%(2021年5月12日時点)という高配当銘柄であり、長期投資におすすめの木材関連銘柄でもあります。
4-3.【9812】テーオーホールディングス
市場 | 東証ジャスダック |
企業概要 | 北海道を地盤とする木材・流通・住宅の3本柱。 |
テーオーホールディングスは、グループ会社のテーオーフォレストが木材事業を手掛けている木材関連銘柄です。
低位株となっており、今後も急騰が期待できます。
ただジャスダック銘柄ということもあり、木材関連銘柄の中ではハイリスク・ハイリターンの値動きをしやすいことには注意が必要です。
5.まとめ
世界的に木材価格が高騰する「ウッドショック」を受けて、2021年4月中旬頃から木材関連銘柄は全面高となっています。
今回の木材価格の高騰はアメリカで起こっている住宅ブームを背景にしたもので、木材価格は今後も高止まりが続く可能性は十分にあります。
木材価格のさらなる上昇や高止まりが続けば、木材関連銘柄が一段高となる展開になることも考えられるでしょう。
今後木材関連銘柄が長期的なテーマ株になるか、2021年4~5月だけの短期的なテーマ株に留まるかは、全ては木材価格の動向次第です。
今後も木材価格の動向とともに、木材関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう!
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