株の基礎知識

貸株サービスの仕組みを利用して稼ごう!借りる場合の「貸し株」には要注意

 

『銀行に預けていても、まったくお金は増えない。』

『長い間塩漬けになっていて動かせない銘柄を、大量に保有している。』

そんな悩みを持っている方のため、今回はとても効率良く金利を得ることができる方法をご紹介しましょう。

 

貸株サービスのメリットやデメリット、金利の計算方法などを分かりやすく紹介していきますので、是非参考にしてみて下さい。

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貸株サービスとは

まず、貸株サービスとは何か、貸し株との違いや計算式など基礎知識についてご紹介します。

「貸株サービス」と「貸し株」の違い

「貸株サービス」は投資家が証券会社に株を貸すことを言います。

銘柄によっては金利が異なったり、貸株サービス対象外のものがありますが、株を貸し出すことで一定の金利を受け取り、コツコツと利息収入を得られるのが貸株サービスの最大のメリットと言えるでしょう。

 

一方、「貸し株」は投資家が証券会社から株を借りて「売り」から株取引をスタートさせる信用取引の一種です。

信用取引を行うには、最低でも30万円以上を証券口座に預託することや一定以上の株投資経験があることが条件。

 

ハイリスクな取引になるため初心者にはおすすめできませんが、相場暴落中に空売りで稼いだり、権利付き最終日前に貸し株を併用して(クロス取引)優待タダ取りするといった手法もあります。

 

  • 「貸株サービス」は投資家が証券会社に保有株を貸すこと
  • 「貸し株」は投資家が証券会社から株を借りること

 

似ている言葉ですが、貸すか借りるかの違いがあります。

貸株サービスの仕組み

貸株サービスは、機関投資家が株券の貸し借りを行う「貸株市場」のサービスの一つです。

 

投資家が保有している株式を証券会社に貸出し、証券会社は借りた株式を機関投資家に貸したり空売り用の株として供与します。

そうすることで、証券会社は品貸料を得たり収入を得ることができ、貸し出した方は証券会社から手数料を受け取ることができます。

 

本来個人の投資家が機関投資家向けの「貸株市場」に参加することはできません。

しかし、「貸株サービス」を利用することで、間接的に貸株市場で資産運用を行うことができるようになりました。

貸株料の計算

貸株料は、信用取引や空売りをしたことで借りた対価を証券会社に支払う「コスト」のことをいいます。

 

▼計算式

終値×保有貸株数量×貸株料÷365=1日分の金利

 

例えば、1,000円の銘柄を1,000株、貸株料3%の証券会社で信用取引し空売りした場合

1,000円×1,000株×3%÷365=82円

つまり、1日分の金利は82円。

 

信用取引での貸株料は売建てをされた場合に上記の式で計算され、徴収されるようになります。

逆日歩とは

逆日歩は信用取引における空売りで必ず出てくる単語。

証券会社において売建株が買建株を超過して株不足が発生した場合、その不足分を機関投資家等から調達する際の借り賃を言います。

 

逆日歩は「1株あたり1日○銭」の利息がかかるため、1株につき50銭の利息だとすると100株で「50銭×100株=50円」を支払う必要があります。

取引を行った翌営業日からしか逆日歩がわからないので、売建をする場合は事前に直近の需給状況を確認するようにしましょう。

 

【ここだけチェック!】
  • 貸株サービスは投資家が証券会社に株を貸すこと
  • 貸し株は投資家が証券会社から株を借りること
  • 1日分の金利=終値×保有貸株数量×貸株料÷365
  • 逆日歩は又貸しされたときに発生する借り賃
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貸株サービスを利用して保有株を貸し出すメリット

貸株サービスを利用し、保有株を貸し出すことのメリットについてです。

貸株料は高金利設定もある

貸出金利の下限は年率0.1%~ですが、1%以上の金利がつく株も多数存在します。

中にはAIベンチャー企業である【3993】パークシャの貸株金利は14%と、10%以上の高金利に指定された銘柄も。

 

【3993】パークシャの銘柄を貸株サービス活用した場合、1日の金利は「株価×保有株数×金利÷365」で算出すると204円。(※2019年3月時点)

1年間の平均株価が5,000円で推移していた場合の年利は約7万円。

 

5,000円×100×0.14(14%÷100)÷365(1/100円未満切捨て)×365=69,999.7円

ちなみに銀行の定期預金は最大0.2%程度です。(年利496.4円)

 

銘柄によっては100倍以上の差が出るため、貸株サービスを活用した方が断然効率が良いことがわかります。

塩漬け株も有効活用できる可能性がある

大きく下落していて売るに売れず長い間保有している塩漬け銘柄も、貸株サービスを上手く利用すれば金利を得ることができるのはご存知でしょうか。

金利は銘柄によって大きく異なりますが、金利5%の銘柄を100万円分貸し出した場合、年間に約10万円もの金利収入を得ることができます。

 

本来、貸株サービスを利用中は株主優待を得ることはできませんが、優待権利自動取得サービスを活用すれば株主優待を受け取る事も可能。

貸株サービスは、塩漬け銘柄から収入を得ることができる非常に素晴らしいサービスです。

保有株を貸し出しても株主優待や配当金がもらえる

株式を貸し出すと株主権利も同時に貸出先へ移転するため、株式を貸し出したまま権利確定日を迎えても株主権利は取得できません。

ただし、株主優待や配当金を受け取りたい場合は以下の方法があります。

 

金利優先

株主優待は受け取ることはできませんが、権利確定日も継続して貸株金利を取得することで配当金相当額が通常よりも5倍多く受け取る事ができます。

 

株主優待優先

株主優待の権利確定日に貸株が自動で返却され、株主優待の権利を取得することができます。

 

株主優待・予想有配優先

株主優待の権利確定日に貸株が自動で返却され、株主優待と配当金の権利を取得することができます。

 

株主優待・配当金自動取得サービスなら権利確定日に口座へ自動的に株式を返却し、貸株サービスを利用中でも自動で受け取る事ができます。

 

▼詳細記事
【【2019年版】株主優待と配当金、両方狙えるおすすめ銘柄15選】

貸出している株はいつでも売却可

貸株サービスに活用している銘柄は自由に売却することが可能。

貸し出し解除の指示や申請は不要で、売りたいタイミングで自由に売ることができます。

 

配当と株主優待を受け取ることができるこのサービスは、利益率を求める方に向いたサービスと言えるでしょう。

 

【ここだけチェック!】
  • 最大で0.2%の銀行よりも貸株サービスは10%超えの高金利もあり効率が良い
  • 塩漬け銘柄でも貸株サービスに対応していれば金利を得られる
  • 優待権利自動取得サービスを活用すれば株主優待を受け取る事も可能
  • 貸出していても解除の指示や申請をすることなく自由に売却できる
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貸株サービスのリスク、デメリット

貸株サービスはメリットだけじゃない。リスクやデメリットについてご紹介します。

証券会社が倒産したら貸株は失われる

万が一証券会社が倒産しても、投資者保護基金が1人あたり最大1,000万円まで保護してくれます。

しかし、貸株サービスを利用すると株の所有者が証券会社に移ってしまうため、投資者保護基金の保護を受ける事ができません。

 

つまり貸株サービスを利用中に証券会社が倒産すると、貸し出している全てを失うことになります。

 

▼詳細記事
【証券会社が破綻したらどうなる?株と口座の行方について解説】

貸出している間の名義は変更される

貸出した株式は株式名簿上の名義が貸出先に変更されるため、株主優待・配当金・議会権を得ることはできません。

しかし、証券会社によっては権利確定日になると名義が戻るようなサービスを提供しているところもあります。

 

前もって設定しておくことで権利確定日のみ貸株が投資家に返却され、権利確定後に再度貸し出しに回す仕組みになっています。

条件次第では株主優待を受けられない可能性がある

貸株サービスを活用中でも株主優待を受け取る方法はありますが、中には保有期間によって内容が変わるものや、長期保有が条件のものは受け取ることができません。

 

また、優待情報が毎月のように見直されてはいるものの、優待の新設や変更時期によっては対応できない可能性もあります。

配当金相当額は雑所得になる

貸株サービスを利用していると配当金を受け取ることはできません。

しかし、貸し出し中に配当金の受取が発生した場合、代わりに源泉徴収税額を差し引いた配当金の額と同額の「配当金相当額」を受け取ることができます。

 

配当金

税区分 配当所得
配当控除 対象
支払日 各企業が定める支払日

 

配当金相当額

税区分 雑所得
配当控除 対象外
支払日 配当金の支払日から約5営業日後

また配当金相当額は「雑所得」として総合課税扱いなるため、配当控除の対象外となります。

 

▼詳細記事
【株の税金対策はどうしてる?利益に関わらず知っておきたい基本知識】

【ここだけチェック!】
  • 貸株サービスを利用中は株の所有者が証券会社に移るため証券会社が倒産すると貸株分全て失う
  • 株主優待・配当金・議会権を得ることはできない
  • 保有期間により内容が変るものや長期保有が条件の株主優待は受け取れない
  • 配当金相当額は「雑所得」として総合課税扱いなるため配当控除の対象外
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各証券会社の貸株サービスの特徴

証券会社によって貸株サービスの特徴が大きく変わりますので、各証券会社毎の貸株サービスの特徴を把握しておきましょう。

GMOクリック証券

金利 0.1%~
付与日 翌月20日
金利1%以上の銘柄 665銘柄
優待取得設定 可能
配当取得設定 不可

他社に比べて金利1%以上の銘柄数が最も多い。

SBI証券

金利 0.1~1%以上
付与日 翌月15日
金利1%以上の銘柄 393銘柄
優待取得設定 可能
配当取得設定 不可

日本株だけでなく米国株も1,400銘柄ほど貸株サービスが利用可能。

楽天証券

金利 0.1~1%以上
付与日 翌月第2営業日
金利1%以上の銘柄 585銘柄
優待取得設定 可能
配当取得設定 可能

貸株金利が通常の5倍の配当金相当額受取と株主優待、貸株金利を受け取れる「一部貸出しない設定」が人気。

松井証券

金利 変動
付与日 毎月最終営業日翌朝
金利1%以上の銘柄 587銘柄
優待取得設定 可能
配当取得設定 可能

対象銘柄数は少ないものの、最低貸株金利が0.2%と他社より高い。

マネックス証券

金利 0.1~10%
付与日 翌月10日
金利1%以上の銘柄 180銘柄
優待取得設定 可能
配当取得設定 可能

銘柄ごとの設定は株主優待のみで、配当金自動取得サービスは全銘柄に設定される。

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まとめ

貸株サービスは、銀行に預けておくよりも断然効率良く利益を得ることができるサービスです。

塩漬けになっている銘柄を保有していても、貸株サービス対応銘柄であれば株主優待を受け取りながら金利を得る事も可能。

 

所有者が別に移ってしまうことでのリスクや、配当金の変わりに受け取れる配当金相当額が雑所得扱いになることを考慮しても十分活用できるサービスだと言えます。

貸株サービスを上手く活用し、効率のよい稼ぎ方を取り入れましょう!

 

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