株主優待

信用取引をプチ応用!クロス取引で株主優待をタダ取りする方法!

株主優待を狙って株を購入した後に、優待落ちや急な悪材料によって株価が下落し多額の含み損をかかえてしまうことはよくある話です。

 

最悪の場合、そのまま株価が上がることなく、売るに売れず塩漬けとなってしまう可能性もあります。

 

もし、株価下落リスクを減らしながら株主優待の権利を取得出来る方法があるのであれば、少ない投資額でも効率よく資産も回して次々と株主優待の権利を獲得できますね。

 

今回は、信用取引と現物取引を上手く使って、株主優待を効率よく取得する裏ワザ「クロス取引」について説明します。

 

 

1.クロス取引を行うにあたって、理解すべき仕組みと用語

 

クロス取引とは、別名つなぎ売りとも呼ばれ、信用取引と現物取引の損益を相殺して±0で株主優待を取得する手法で、優待投資家の間ではメジャーな手法です。

 

しかし、クロス取引を行うにあたって、まず信用取引の「空売り」を理解しなければなりません。

空売りの仕組みや注意事項、必要な手数料など理解して行うようにしましょう。

1-1.信用取引とは?現物取引との違い

株式取引には、自分の資産で運用を行う「現物取引」と、資産や株券を借りて行う「信用取引」があります。

信用取引とは、証券会社に資金や株券を借りて取引する方法で、少額の投資金でも多額の利益を狙える方法です。

 

現物取引の場合、どれだけ頑張っても自分の資産が投資上限額です。

ですが信用取引を行うと自分の資産以上の金額で株を購入出来たり、借りた株券を高く売って安く買い戻すことで差額の利益を得る方法があります。

 

1-2.下落相場で利益が出せる信用取引の「空売り」術

空売りとは、空(持っていない状態)のものを売りに出すことから名付けられました。

少し想像しにくい取引ですので、少し簡単な例えで説明しましょう。

 

A君がB君に本を借りました。

B君は古本屋にその本を1,000円で売ることが出来ました。

 

しかしB君は借りたA君に本を返さなくてはいけません。

B君は全く同じ本を800円で買うことができ、その本をA君に返しました。

B君の手元には1,000-800=200円の利益が残りました。

 

B君にモラルがないという突っ込みは別として、

借りたものを売却⇒買い戻し⇒返却する一連の流れを空売りといいます。

 

上記の例で言えば、A君が証券会社・B君が投資家ということになりますね。

 

 

空売りのメリットは、下落相場で利益が出せることです。

株の相場は上がったり下がったりを繰り返し、現物取引は安く買って高く売ることで利益を出します。

 

株の市場が下落相場に陥った時、現物取引で利益を出すには難しいですが、株価が落ちていく間にも利益のチャンスを掴むことが出来るのです。

 

▼空売りについてはコチラを参照
株の空売りは超便利!仕組みを知り下落相場をチャンスに変える!

1-3.一般信用取引と制度信用取引の大きな違いは?

信用取引にも種類があり、「一般信用取引」と「制度信用取引」の2種類があります。

 

一般信用取引は、私たち投資家が直接証券会社から資金や株券を借りることに対し、

制度信用取引は、証券金融会社から証券会社を通じて投資家に資金や株券が与えられます。

 

要は、借りた株券(or資金)の持ち主が「証券会社」か「証券金融会社」かということです。

 

制度信用取引の場合、どの証券会社からでも行うことができますが、

一般信用取引は各証券会社が独自で決めたルールがあるので一般信用取引を行っていない会社もあります。

 

一般的に信用取引は制度信用取引を指します。

また、同じ信用取引でも必要になるコスト(金利や逆日歩。次項で説明します)が違います。

 

どちらにもメリット・デメリットがありますので、詳しくは下記のリンクにてご確認ください。

 

▼詳しくはこちら

【一般信用取引と制度信用取引の違い。ノーリスクで優待を取得するなら知っておこう!】

 

1-4.逆日歩(ぎゃくひぶ)について

前項でちらっと出てきた逆日歩は、制度信用取引のみにかかる一番厄介なコストです。

(一般信用にはかかることはありません。)

 

とある株券が一気に人気が上がり、大勢の投資家が「株券を貸してくれ!」と申し込みが入ったとします。

 

その申し込みが証券金融会社が保有している株券以上だった場合、不足した株券を機関投資家等から借りて株券を調達します。この時に証券金融会社は機関投資家にレンタル料金(品貸料)を支払います。

そのレンタル料金を、貸し出す投資家にも負担してもらう、これが「逆日歩」です。

 

逆日歩が厄介だというのは、「蓋を開けてみないといくらかかるか分からない」ことです。

昨日の時点では逆日歩は発生していないが、今日いきなり逆日歩が発生していた!なんてことはザラにあります。

 

しかも金額も分からないので、ある日突然高額な逆日歩を支払う羽目になったという可能性もあります。

少なくても、現時点で逆日歩がある銘柄に対しては空売りを仕掛けない方が良いでしょう。

 

1-5.空売りが出来る銘柄は限られている。貸借銘柄について。

空売りは全ての銘柄で行えるわけではありません。

証券金融会社が定めた基準をクリアして認められた銘柄のみ空売りを行うことが出来ます。

 

この認められた銘柄を「貸借銘柄」といいます。

 

逆に言うと、この貸借銘柄に選定されていない株は、空売りを行うことは出来ません。

また、貸借銘柄に選定されていても、一時的に空売りが出来なくなることもあります。

 

補足として、

貸借銘柄とは、株券を借りて空売り(売建)、更に資金を借りて購入(買建)も行えるという意味で、買建のみを行う銘柄を「貸借融資銘柄」といいます。

 

似た名前で解りづらいですが、「貸借銘柄」か「貸借融資銘柄」かによって変わりますので、気になる銘柄については、日証金(日本証券金融会社の略語です)のホームページで確認しましょう。

 

【参考】日照権ホームページ⇒www.jsf.co.jp/

 

 

【ここだけチェック!】
  •  信用取引で株券を借りて売買を行う「空売り」は株価下落時に利益を狙える
  •  制度信用取引を利用する際、逆日歩には注意!
  •  空売りは全ての銘柄で出来るわけでなく、貸借銘柄に選定された銘柄のみで取引が出来る

 

2.損益なしで優待だけを頂く裏ワザ「優待タダ取り」とは?

こちらで本題の株主優待をリスク0でタダ取り出来る応用をお伝えしましょう。

これが「クロス取引」「つなぎ売り」と呼ばれています。

 

2-1.タダ取りとはどのようなことなのか。

株主優待で人気を得ている銘柄は、ほぼ必ず「優待落ち」という一時的な株価下落があります。

これは、優待目的で集まった投資家達が、優待の権利を取得した後、効率を重視し売りに出るからです。

 

この優待落ちはかなり厄介で、現物買いで権利を得たものはいいけれど、多額の含み損を抱え資金が長期間拘束される可能性もあります。

 

クロス取引は、この優待落ちのリスクにも対応する手法です。

 

前項でも申し上げたように、空売りは下落時に利益が出て現物買いは上昇時に利益が出ます。

この2つを組み合わせることによって、万が一優待落ちで株価が下落しても、現物買いで損切りした分を空売りの利益で相殺することができるのです。

 

「損益なし=タダ」という流れから「優待タダ取り」と言われています。

 

2-2.実際掛かる手数料や金利について

クロス取引でタダ取りと言っても、売買するにあたっての手数料や空売り時の貸株料(株を借りている間にかかる金利)が発生します。

 

では、株主優待ランキング上位の「マクドナルド」で計算してみましょう。

 

マクドナルド株をGMOクリック証券でクロス取引をしてみた

 

【2702】マクドナルド
  • 【権利月最終日】12月26日
  • 【株価】5,200円(2017年12月26日価格)
  • 【優待単元】100株以上(520,000円~)
  • 【優待内容】マクドナルド無料引換券BOOK

 

GMOクリック証券の手数料
  •  現物取引の手数料:259円×2(買いと売りで2回かかります)
  •  信用取引の空売り貸株料:1.10%/年(制度信用取引を利用した場合)

 

1.1%÷365日=0.00003014

520.000×0.00003014=15

一日あたり15円の貸株料

 

12月26日の権利付き最終日にクロス取引した場合

クロス取引のフロー
  •  12月26日 購入で優待権利獲得
  •  12月27日 全て決済

貸株料は、売却した日だけではなく受け渡し日(売却した日から3営業日後)までかかるので、

最低でも2日分はかかります。

 

【結果】クロス取引による2日間での合計コスト

2592591515548

 

548円のコストがかかりますが、上記はあくまで例ですが、目安にはなるでしょう。

もし、こちらに逆日歩が付いていた場合、逆日歩のコストも追加されます。

 

 

【ここだけチェック!】
  •  制度信用で取り扱っていない銘柄が一般信用で取引できる可能性がある
  •  一般信用で人気があがった株は売り切れたり、少ない株数しか借りれない可能性もある
  •  金利・貸株料は、一般>制度のことが多い。(=制度信用の方が金利が安い)

 

3.人気の優待銘柄は要注意!

 

お得に優待を取得出来るクロス取引ですが、人気のある銘柄はすぐに株券不足に陥ります。

一般信用取引で空売りしようにも証券会社の株券がない制度信用取引で空売りをしかけると、実は倍率が高く高額な逆日歩がついてしまったなどという事例はよくあります。

3-1.得をしたい気持ちは周りも同じ。逆日歩に気を付けよう

リスクなく優待がもらえるクロス取引は、人気優待株に集中する傾向があります。

 

利回りが異常にいい株、使い勝手がよいお得な株、高額な金券など、このあたりはクロス取引を行っている投資家が目をつけやすい銘柄です。

下手をすると、5,000円の優待を貰うために50,000円の逆日歩を支払う羽目になることも十分ありえます。

 

クロス取引を行う際に、一番気をつけるべきは「高額逆日歩」です。

 

先ほど逆日歩は「蓋を開けてみないと分からない」と表現しましたが、ある程度予測することは可能です。

それが「貸借倍率」です。

 

貸借倍率とは、買残÷売残で計算される信用倍率の指針で、この倍率が1倍を切ると逆日歩が発生する可能性が出てきます。

 

Yahooファイナンスなどで貸借倍率を確認してみましょう。

Yahoo!ファイナンス⇒https://finance.yahoo.co.jp/

 

++一言便利メモ++

貸借倍率が1倍になると逆日歩がつきやすいとマイナスイメージをお伝えしましたが、1倍を切るということは空売りが多く、将来買い戻しが多い意味を表します。

株価は買われると上がるので、現物買いのキャピタルゲイン(売買利益)を狙うのであれば、貸借倍率は低い方が上がる可能性が高いと言われています。

 

3-2.高額逆日歩のついた銘柄

過去に優待の人気に火がつき、高額逆日歩が発生した事例を簡単に紹介します。

 

【4712】アドアーズ(現:KeyHolder)

3500株保有でOliveSPAのエステ券2万円相当のチケットが貰えるアドアーズは、2016年に優待を新設して大きな注目を浴びました。

しかし、投資家たちが我先に優待を獲得しようと次々にクロス取引を行い、2万円相当の優待株に1株あたり24円、優待獲得株数の3500株で8万4千円の逆日歩がつきました。

 

【2226】湖池屋

ポテトチップスでお馴染みの湖池屋は、100株保有で1,000円相当の自社製品が貰える人気優待株です。

湖池屋にもクロス取引で空売りが集中し、なんと1株あたり320円の高額逆日歩がつきました。

その結果、1,000円相当のお菓子詰め合わせは、3万2千円の高級ポテトチップスとなってしまったのです。

 

 

こちらの事例は制度信用取引を利用した事例であり、一般信用取引を利用した際は逆日歩はかかりません。

しかし、人気優待株は在庫に限りがある一般信用では競争率が激しくなります。

 

優待権利獲得のためのクロス取引で、結果的にコストがかかってしまう取引には注意しましょう。

 

【ここだけチェック!】
  •  人気の優待銘柄は投資家が集中するため、逆日歩が高額になりやすい
  •  優待金額<逆日歩にならないように気をつけよう

 

4.株主優待のタダ取り手順まとめ

最後に簡単に優待タダ取りの手順についてまとめましょう。

 

1.権利付き最終日に全く同じ値段で空売りと現物買いを行う

市場が始まる前に成行注文しても構いませんが、指値で同じ値段で注文でも構いません。

その場合必ず約定する価格で指しましょう。

現物と信用がお互いをカバーする為、売買価格と数量が一致していればOKです。

 

2.翌営業日(権利落ち日)に2つを同時決済する

同時決済も上記と同じで、お互いがカバーするように同じ値段に指値をした方が無難です。

 

また、権利付き最終日の市場が終わったタイミング(午後3時以降)に現渡注文でもOK。

権利落ち日から更に持ち越すと、信用空売り側に金利がプラスされていくので権利付き最終日の翌日が無難です。

 

上記の方法でクロス取引成立になります。

 

損益はお互いで相殺されていますので、この時点でかかるコストは、現物買いを行った手数料と、信用空売りの1日あたりの金利です。

制度信用取引を利用しており逆日歩があればこの時点でかかります。

 

ちなみに優待株に配当金があった場合は、配当調整金で相殺されますので、配当金は事実上貰えません。

あくまでも優待のみ獲得するという手法です。

 

【ここだけチェック!】
  •  クロス取引の場合、現物買いと空売りは同じ価格・同じ数量で仕掛けよう
  •  権利付き最終日の1日だけ株主になろう
  •  配当金は、配当調整金で相殺されるので事実上もらえない

 

5.まとめ

 

株主優待は毎月魅力的な銘柄が沢山あり、どれも欲しい!だけど資金が足りないという時にも有効です。

株主優待をクロス取引で短期的に取引することで、少ない投資金を次々に銘柄シフトを行うことが出来ます。

 

逆日歩や株不足など注意するべき点はたくさんありますが、お得な手法なことは間違いないです。

しかし、企業側は長期株主で居てほしいと思っており、長期保有者向けに優待拡充も行っていることもあります。

 

本当に持ちたい銘柄はロングスパンで資産運用を行うこともオススメです。

 

▼合わせて読みたい
【【2018年版】株主優待と配当金、両方狙えるおすすめ銘柄15選】

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
SNSにてすぐに
情報を受け取れます