株主優待

クロス取引で株主優待をタダ取りしよう!信用取引のプチ応用で賢い投資

株主優待を狙って株を購入した後、優待落ちや急な悪材料によって株価が下落し、含み損を抱えてしまうことはよくある話です。

最悪の場合、そのまま株価が上がることなく売るに売れず塩漬けとなってしまう可能性もあります。

 

もし、株価下落リスクがほとんど無い状態で株主優待の権利を取得出来る方法があれば、試したいですよね?

少ない投資金でも効率よく回して、次々と株主優待の権利が獲得できます。

 

今回は、信用取引と現物取引を上手く使って、株主優待を効率よく取得する裏ワザ「クロス取引」について説明します。

クロス取引を行うにあたり理解すべき仕組みと用語

クロス取引は別名つなぎ売りとも呼ばれ、信用取引と現物取引の損益を相殺して±0で株主優待を取得する手法として、優待投資家の間ではメジャーな取引です。

 

しかし、クロス取引を行うにあたって、まず信用取引の「空売り」を理解しなければなりません。

空売りの仕組みや注意事項、必要な手数料など理解しておきましょう。

信用取引とは?現物取引との違い

株式取引には、自分の資産で運用を行う「現物取引」と、資産や株券を借りて行う「信用取引」があります。

 

信用取引とは、証券会社に資金や株券を借りて取引する方法で、少額の投資金でも多額の利益を狙える方法です。

 

現物取引の場合、どれだけ頑張っても自分の資産が投資上限額です。

ですが、信用取引を行うと自分の資産以上の金額で株を購入出来たり、借りた株券を高く売って安く買い戻すことで差額の利益を得る方法があります。

下落相場で利益が出せる信用取引の「空売り」術

空売りとは、空(株を持っていない状態)のものを売りに出すことから名付けられました。

 

少し難しいので、少し簡単な例を見ていきましょう。

A君はB君に本を貸しました。

B君はその本を、古本屋に1,000円で売りました。

 

しかし、B君はA君に借りた本を返さなくてはいけません。

B君は全く同じ本を別の古本屋にて800円で買うことができ、その本をA君に返しました。

 

B君の手元には(1,000-800=)200円の利益が残りました。

 

イメージできましたでしょうか?

借りたものを高く売却し、安く買い戻して、返却する、この一連の流れを空売りといいます。

 

上記の例では、A君が証券会社・B君が投資家ということになります。

 

空売りの最大のメリットは、下落相場で利益が出せること。

株の相場は上がったり下がったりを繰り返していますので、通常の現物取引では安く買って高く売ることで利益を出します。

 

株の市場が下落相場に陥った時、現物取引で利益を出すには難しいですが、空売りを利用することによってチャンスに変わるのです。

 

▼おすすめ記事
【空売りの仕組みは簡単!暴落時もチャンスに変えよう】

一般信用取引と制度信用取引の大きな違いは?

信用取引にも種類があり、「一般信用取引」と「制度信用取引」の2種類があります。

一般信用取引は、私たち投資家が直接証券会社から資金や株券を借りることに対し、

制度信用取引は、証券金融会社から証券会社を通じて投資家に資金や株券が与えられます。

 

借りた株券(or資金)の持ち主が「証券会社」か「証券金融会社」かの違いです。

 

制度信用取引の場合、どの証券会社からでも行うことができますが、一般信用取引は各証券会社が独自で決めたルールがあるので一般信用取引を行っていない会社もあります。

 

一般的に、信用取引は制度信用取引のことを指しています。

 

さらに、この2つは同じ信用取引でも必要になるコスト(金利や逆日歩。次項で説明します)に違があります。

どちらにもメリット・デメリットがありますので、詳しくは下記のリンクにてご確認ください。

 

▼おすすめ記事
【一般信用取引と制度信用取引の違いは?それぞれのメリット・デメリットを把握しよう】

逆日歩(ぎゃくひぶ)について

逆日歩は、制度信用取引のみにかかる一番厄介なコストです。

(一般信用取引にはかりません。)

 

例えば、ある株券が一気に人気が上がり、大勢の投資家が「株券を貸してくれ!」と申し込みが入ったとします。

 

その申し込みが証券金融会社の保有する株券以上だった場合、不足した株券を機関投資家等から借りて株券を調達します。

この時に証券金融会社は機関投資家にレンタル料金(品貸料)を支払います。

 

そのレンタル料金を、貸し出す投資家にも負担してもらう。

これが「逆日歩」です。

 

逆日歩が厄介だというのは、「蓋を開けてみないといくらかかるか分からない」ことです。

昨日の時点では逆日歩は発生していないが、今日いきなり逆日歩が発生していたなんてこともあります。

 

それも金額さえ分からないので、ある日突然高額な逆日歩を支払う羽目になったというケースもあるのです。

少なくとも、現時点で逆日歩がある銘柄に対しては空売りを仕掛けない方が良いでしょう。

空売りが出来る銘柄は限られている。貸借銘柄について

空売りは全ての銘柄で行えるわけではありません。

 

証券金融会社が定めた基準をクリアし、認められた銘柄のみ空売りを行うことが出来ます。

この認められた銘柄を「貸借銘柄」といいます。

 

この貸借銘柄に選定されていない株は、空売りを行うことは出来ません。

また、貸借銘柄に選定されていても、一時的に空売りが出来なくなることもあります。

 

補足として、貸借銘柄とは株券を借りて空売り(売建)し、更に資金を借りて購入(買建)も行えるという意味で、買建のみ行える銘柄は「貸借融資銘柄」と言います。

 

似た名前で解りづらいですが、「貸借銘柄」か「貸借融資銘柄」かによって全然違いますので、気になる銘柄については、日本証券金融会社のHPで確認しましょう。

 

 

【ここだけチェック!】
  •  信用取引で株券を借りて売買を行う「空売り」は株価下落時に利益を狙える
  •  制度信用取引を利用する際、逆日歩には注意!
  •  空売りは全ての銘柄で出来るわけでなく貸借銘柄に限る

 

損益なしで優待だけを頂く裏ワザ「優待タダ取り」

では、本題となる『株主優待をほぼリスク0のタダ取りが出来る方法』をご紹介していきます。

タダ取りとはどういうこと?

株主優待で人気を得ている銘柄は、ほぼ必ず「優待落ち」という一時的な株価の下落があります。

 

優待落ちは、優待目的で集まった投資家達が優待の権利を取得した後、効率を重視して売りに駆け込むことから起こる現象です。

この優待落ちによって、現物買いで権利を得たものはいいけれど多額の含み損を抱え、資金が長期間拘束される可能性もあります。

 

「クロス取引」は、この優待落ちのリスクにも対応する手法です。

(クロス取引は「つなぎ売り」とも呼ばれます。)

 

前項でも申し上げたように、空売りは下落時に利益が出て現物買いは上昇時に利益が出ます。

この2つを組み合わせることによって、万が一優待落ちで株価が下落しても、現物買いで損切りした分を空売りの利益で相殺することができるのです。

 

「損益なし=タダ」という流れから「優待タダ取り」と言われています。

実際掛かる手数料や金利について

クロス取引でタダ取りと言っても、売買するにあたっての手数料や空売り時の貸株料(株を借りている間にかかる金利)が発生します。

 

では、株主優待ランキング上位の「マクドナルド」で計算してみましょう。

 

マクドナルド株をGMOクリック証券でクロス取引をしてみた

 

【2702】マクドナルド
  • 【権利月最終日】12月26日
  • 【株価】5,200円(2017年12月26日価格)
  • 【優待単元】100株以上(520,000円~)
  • 【優待内容】マクドナルド無料引換券BOOK

 

GMOクリック証券の手数料
  • 取引手数料:259円×2(買いと売りで2回かかります)
  • 信用取引の空売り貸株料:1.10%/年(制度信用取引を利用した場合)

 

1.1%÷365日=0.00003014

520.000×0.00003014=15

つまり、一日あたり15円の貸株料が発生します。

 

12月26日の権利付き最終日にクロス取引した場合

 

クロス取引のフロー
  • 12月26日 購入で優待権利獲得
  • 12月27日 全て決済

 

貸株料は売却した日だけではなく受け渡し日(売却した日から3営業日後)までかかるので、最低でも2日分はかかります。

 

【結果】クロス取引による2日間での合計コスト

259(取引手数料)+259(取引手数料)+15(貸株料)+15(貸株料)=548円

 

今回の例では548円のコストがかかりますので、目安として把握しておきましょう。

こちらに逆日歩が付いていた場合、逆日歩のコストも追加されます。

 

 

【ここだけチェック!】
  • 優待の権利確定後は「優待落ち」で下落する傾向にある
  • 現物取引と信用取引を同時に行うことによって優待落ちリスクを回避できる

 

人気の優待銘柄は要注意!

お得に優待を取得出来るクロス取引ですが、人気のある銘柄はすぐに株券不足に陥ります。

 

一般信用取引で空売りしようにも、証券会社の株券がない制度信用取引で空売りをしかけると、実は倍率が高く高額な逆日歩がついてしまったというケースはよくあります。

得をしたい気持ちは周りも同じ。逆日歩に気を付けよう

リスクなく優待がもらえるクロス取引は、人気優待株に集中する傾向があります。

 

利回りが異常にいい株、使い勝手の良いお得な株、高額な金券など、この辺りの銘柄はクロス取引を行う投資家が目をつけやすい銘柄です。

 

下手をすると、5,000円の優待を貰うために50,000円の逆日歩を支払う羽目になることも十分ありえます。

そう、クロス取引を行う際に一番気をつけるべきは「高額逆日歩」です。

 

先ほど逆日歩は「蓋を開けてみないと分からない」と表現しましたが、ある程度の予測は可能です。

それが「貸借倍率」です。

 

貸借倍率とは、買残÷売残で計算される信用倍率の指針で、この倍率が1倍を切ると逆日歩が発生する可能性が出てきます。

 

Yahoo!ファイナンスなどで貸借倍率を確認してみましょう。

高額逆日歩のついた銘柄

過去に優待人気に火がつき、高額逆日歩が発生した事例をご紹介します。

 

【4712】アドアーズ(現:KeyHolder)

3,500株保有でOliveSPAのエステ券2万円相当のチケットが貰えるアドアーズは、2016年に優待を新設して大きな注目を浴びました。

しかし、投資家たちが我先に優待を獲得しようと次々にクロス取引を行い、2万円相当の優待株に1株あたり24円、優待獲得株数の3,500株で8万4千円の逆日歩がつきました。

 

【2226】湖池屋

ポテトチップスでお馴染みの湖池屋は、100株保有で1,000円相当の自社製品が貰える人気優待株です。

湖池屋にもクロス取引で空売りが集中し、なんと1株あたり320円の高額逆日歩がつきました。

その結果、1,000円相当のお菓子詰め合わせは、3万2千円の高級ポテトチップスとなってしまったのです。

 

これらの事例は制度信用取引を利用した事例であり、一般信用取引を利用した際は逆日歩はかかりません。

しかし、人気優待株は在庫に限りがある一般信用では競争率が激しくなります。

 

優待権利獲得のためのクロス取引で、結果的にコストがかかってしまう取引には注意しましょう。

 

▼おすすめ記事
【株主優待にもリスクは存在する。優待内容の改悪や廃止で株価下落の可能性も?】

【ここだけチェック!】
  •  人気の優待銘柄は投資家が集中するため、逆日歩が高額になりやすい
  •  優待金額<逆日歩にならないように気をつけよう

 

株主優待のタダ取り手順まとめ

最後に、優待タダ取りの手順について簡単にまとめていきます。

 

1.権利付き最終日に全く同じ値段で空売りと現物買いを行う

市場が始まる前に成行注文しても構いませんが、指値で同じ値段で注文でも構いません。

その場合必ず約定する価格で指しましょう。

現物と信用がお互いをカバーする為、売買価格と数量が一致していればOKです。

 

2.翌営業日(権利落ち日)に2つを同時決済する

同時決済も上記と同じで、お互いがカバーするように同じ値段に指値をした方が無難です。

また、権利付き最終日の市場が終わったタイミング(午後3時以降)に現渡注文でもOK。

権利落ち日から更に持ち越すと信用空売り側に金利がプラスされていくので、ポジションの解消は権利付き最終日の翌日が無難です。

 

上記の方法でクロス取引成立になります。

 

損益はお互いで相殺されていますので、この時点でかかるコストは、現物買いを行った手数料と、信用空売りの1日あたりの金利です。

 

制度信用取引を利用しており逆日歩があればこの時点でかかります。

 

ちなみに、優待株に配当金があった場合は、配当調整金で相殺されますので、配当金は事実上貰えません

あくまでも優待のみ獲得するという手法です。

 

▼おすすめ記事
【株主優待の始め方は簡単!仕組みやもらい方までの必要知識を解説】

【ここだけチェック!】
  •  クロス取引の場合、現物買いと空売りは同じ価格・同じ数量で仕掛けよう
  •  権利付き最終日の1日だけ株主になろう
  •  配当金は配当調整金で相殺されるので事実上もらえない

 

まとめ

株主優待は毎月魅力的な銘柄が沢山あり、どれも欲しい!だけど資金が足りないという時などにも有効です。

 

 

株主優待をクロス取引で短期的に取引することで、少ない投資金で次々に銘柄シフトを行うことが出来ます。

逆日歩や株不足など注意するべき点はたくさんありますが、お得な手法なことは間違いないです。

 

ただ、企業側は長期株主で居てほしいと思っていますので、長期保有者向けに優待拡充を行っていることもあります。

本当に魅力的な企業の優待銘柄は、ロングスパンで資産運用を行うこともオススメです。

 

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