- 2017-3-8
- 株の初心者用講座
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株式投資をしていると必ず訪れる場面として、保有株の株価下落があります。
「上がると思っていた銘柄がどんどん下がってしまった」「売ろうにも売れない」
このように銘柄を買った後、株価が下がり売れずに持ち続けている事を、塩漬けと言い、その銘柄の事を塩漬け株といいます。
塩漬け株を作らない事が1番ですが、そういった損をしてしまう場面で、どう塩漬け株から回避できるかが対応の仕方で決まってきます。
現在塩漬け株になっている、これから塩漬け株を作りたくないという方へ、その塩漬け株の対処法、活用法なども取り上げてみたいと思います。
多くの個人投資家が悩む塩漬け株の対処法を1度見直していきましょう。
目次
1. なぜ塩漬け株になってしまうのか?
まず、塩漬け株を作ってしまう要因から考えていきますが、 大きく分けると2つの人間心理が関わっています。
1-1 株の特徴から生まれる状況的心理
株価は大きく上がる時もあれば大きく下がる時もあります。 株価が上がり下がりを繰り返す事でチャートが日々形成される訳ですが、ずっと上がり続ける銘柄は無いのと同時に、ずっと下がり続ける銘柄もありません。
そういった株の特徴を知っているからこそ生まれる心理が塩漬け株を作ってしまう原因です。
買った時より株価が下がってしまったが「いずれ株価は上がってくるだろう」という期待が塩漬け株を作ってしまう大きな要因の一つです。
多くの個人投資家がこの要因から塩漬け株を作り出しておりますが、
いずれはいつですか?
こう聞かれた時に正確に説明できる人は殆ど居ないでしょう。
株価というものは絶対という保障がありませんので、下げの局面でいずれ、いつか、といった期待を込める投資は止めた方がいいと言えます。
1-2 損失を出すという心理的な抵抗
株式投資をしている人なら利益を出す為に投資をしている人が殆どでしょう。
だからこそ、損というマイナスの部分は出来るだけ出したくないはずです。
そういった人間の心理があり損失から目をそらしてしまう、 逃げてしまうといった行動を取ってしまいがちです。
個人投資家からよく「含み損になっている銘柄でも売らなければ損にはならない」と聞きますが、それは自分に言い聞かせた「ただのいい訳」だと思います。
確かに売らなければ損失はでませんが、そういった銘柄はどんどん損失が大きくなるといった傾向がよく見られます。
損失が大きくなれば更に売れなくなってしまいます。
その後、売るに売れなくなってしまい塩漬け株が誕生です。
このように、損失を出したくないという心理的抵抗が塩漬け株を生み出す一つの要因になっています。
確かに自分から損を確定させるといった行動をするのは勇気がいる事ですが、株式投資を続けていくならかなり重要な部分となります。
この後、取り上げるデメリット、活用法、塩漬け株を作らない対処法などを合わせてご覧になり、投資に活かして頂けたらと思います。
【ここだけチェック!】
・損失を出したくないという思いから塩漬け株を生み出している
2.長期保有と塩漬け株は違う
長期保有株と塩漬け株とでは何が違うのか曖昧にしている方もいますので、 この2つの違いについて明確にしていきます。
2-1 長期保有株とは
長期間保有する事を前提に分析して銘柄を保有する事になります。
一般的には数年間から長ければ数十年間といった長い期間銘柄を保有する事で、配当金や株主優待なども一つの目的として考えた投資法です。
長期間特定の銘柄を保有し続けますが、右肩上がりでゆっくりと上昇していく株である事と、配当金、株主優待といった株主還元がある銘柄が好まれます。
2-2 塩漬け株とは
予想と違う方向に株価が進んだ為、余儀なく長期保有する羽目になった銘柄と言う事になります。
一般的には短期保有目的の投資が多く、短期で利益を狙う予定だったものです。
予想通りに株価が動かず銘柄を売る事もできなかった為、結果として長期保有になってしまっていると言う事です。
多くの場合が長期間保有する事を前提としていませんので、短期の材料株などが選ばれている傾向があります。
このように長期保有と塩漬け株では、元々の保有目的が違うという所に差があります。
長期保有株=長期で保有する予定の銘柄
塩漬け株=長期で保有する予定じゃなかった銘柄
長期保有でも銘柄が買値より下がってしまう事もあるので、それも塩漬け株になるのでは? という考えもありますが、あくまでも長期で保有する事が目的なので、株価が多少下げる事はあまり関係ありません。
ただ、余儀なく長期保有株になってしまった塩漬け株を、長期保有銘柄だ!と 元々の保有目的をすり変えるのは違います。
塩漬け株を保有している個人投資家に良く見られる言動ですが、素直に認める事も株式投資を続けていく中では必要な事でしょう。
【ここだけチェック!】
・塩漬け株はしかたなく長期間保有する羽目になった銘柄
3.塩漬け株のデメリット
それではここから、塩漬け株を保有し続ける事で起こるデメリットをまとめてみます。
3-1 効率的な運用ができない
塩漬け株を保有する事で起こる最大のデメリットは、投資金が動かせず効率的な運用が出来ない事にあります。
投資金に余力があり、その他銘柄にも効率よく資金を回せる方ならデメリットは小さめですが、特に投資金が少ない方であればこのデメリットが大きいです。
塩漬け株に入っている分の投資金が動かせない事で、その他の有望銘柄への投資が出来なくなり、利益獲得のチャンスを減らす事に繋がるからです。
いくら全体相場が良くても、好材料を発表した銘柄を見つけたとしても資金が動かせなければ利益は狙えません。
一部でも売却する事で利益を狙うチャンスは増えますが、資金が拘束されている分のチャンスが無くなるという事は大きなデメリットでしょう。
株式投資をしている理由は、儲ける為という方が大半だと思われますが、その儲けるチャンスを自らストップしているという事です。
3-2 精神的ストレスとの戦い
塩漬け株を保有している事で精神的なストレスが増加、長く続くというデメリットもあります。
元々、多くの方が短期的に株価が上昇すると予想した銘柄となるので、長期的な予想はしていないのが大半です。
それに加え、目の前ではどんどん下がる株価を目の当たりにし、いつ上昇するか分からないといった不安から精神的なストレスが増加します。
この精神的ストレスは塩漬け株を手放す時まで続きます。
最悪の場合、このようはストレスはもう抱えたくないと思い株式投資から離れていく人も居ます。
精神的ストレスにより、良い判断が出来なくなってしまうといった事もありますので、塩漬け株を保有し続けるといった事がかなり大きなデメリットを引き起こすという事は分かって頂けたかと思います。
ただ、全ての人が当てはまる訳ではないので、あくまで一例として捉えて頂けたらと思います。
【ここだけチェック!】
4.塩漬け株を持っていたらどうするか
では、塩漬け株を保有していた場合どのような対処法が望ましいのか、具体的な対策を取り上げ、活用して頂けるようまとめていきます。
塩漬け株の対処法としては、主に5つのパターンが挙げられます。
4-1 損切り
即座に銘柄を売るパターンが損切りです。
購入時の株価から現時点でのマイナス分損失が発生しますが、更に株価が下げるといった場合などを考えると、損失額をこれ以上増やさない為にも必要な対処法です。
「やっぱりもう少し様子を見てみよう」というような、気持ちの変化などが起こる場合も想定すると、早めの行動が望ましいので損切りをすると決めた時点で売りに出す事が必要です。
損切りによるメリットとしては、資金が復活し動かせる事により新たな銘柄への投資が可能になる事と、精神的ストレスからの開放があります。
4-2 合わせ切り
これも損切りの一つではありますが、条件として、その他に保有している銘柄があり、含み益が出ているという事が必要です。
利益が出ている銘柄と損失が出ている銘柄をセットで売る事でマイナス分を無くす、という事です。
例えば10万円の利益が出ている銘柄と10万円のマイナスが出ている銘柄を同時に売る事で利益は0になります。
利益はありませんが、マイナス分も無くなります。
合わせ切りのメリットとしては、精神的ストレスから開放されるのと、手元の資金が復活し、新たな銘柄への投資が可能となります。
4-3 同水準の銘柄へ乗り換え
これも損切りをする流れとなりますが、損切りと同時に同じ価格帯の銘柄に乗り換えるという事です。
現在保有しているいつ上がるか分からない塩漬け株より、上昇期待が高い銘柄に乗り換えた方が早く利益を狙え、損失分も回収できる可能性がでてきます。
塩漬け株と同じ価格帯の銘柄へ乗り換える事で、精神的ストレスを軽減する事ができ、上昇期待できる銘柄へと切り換えた訳ですから再び投資意欲(モチベーション)も復活する事も可能となります。
4-4 ナンピン買い
これはその他に投資金がある事が条件ですが、塩漬け株になっている銘柄を更に追加で買うという事です。
買い足した分、保有銘柄の取得単価が下がりますので、ナンピン買いの後に株価が上がれば早い段階で損失分を取り戻す事ができます。
ただし、ナンピン買いした価格より株価が下がった場合は、損失を更に大きくしますので注意が必要です。
塩漬け株の状態からのナンピン買いには大きなリスクがあるという事を踏まえた上で行うべきです。
基本的には長期保有する投資家が、平均取得単価を下げる為に行うのがナンピン買いとなります。
4-5 長期保有 優待 配当金狙い
その名の通り、塩漬け株を長期保有株に切り替えるといった手法です。
それには条件があり、
塩漬けになっている株が配当金を出している銘柄であるか、株主優待を行っている銘柄なのかといった条件が必要です。
配当金や株主優待があれば、利益として戻って来る分がありますので、いくらか損失が軽減されるといった事があります。
ただ配当金や株主優待が無い銘柄だった場合は、長期保有として魅力、価値が低いので早めに損切りすべきだと判断できます。
塩漬け株の対処法として5パターンを取り上げて見ましたが、
固定された資金が動かせるのと、精神的部分の復活が可能になる為、現在の状況と合わせて有効活用して頂けたらと思います。
【ここだけチェック!】
・ナンピンはマイナスを大きくする可能性があるので注意
・配当金や株主優待がある銘柄であれば状況次第で保有し続ける価値もある
5.塩漬け株を作らないには?
そもそも、塩漬け株を作らない事が1番です。
その塩漬け株を作らない為にも銘柄を買う前の事から考えてみましょう。
株式投資をする上で、自分のマイルールを徹底している方であれば塩漬け株を作らないはずですが、そのルールを曖昧にしている方ほど塩漬け株を作りやすいといった傾向があります。
自分のマイルールとは、株式投資をするにあたって最低限取引のルールを決めておく事です。
ルールを曖昧にしていると、「今上がっているからこの銘柄にしよう」「いずれ上がりそうだからこのままでいいや」といった感情的な取引をしてしまい、損失を抱えやすいといったパターンに陥りやすいのです。
しかし、しっかりと自分のマイルールを決めておけば、「こういった材料が発表され、業績、出来高、チャートを見ても今保有すべきだ」「マイナス10%下落したから損切りしよう」といった明確な投資が出来るようになります。
ルールは個人個人によって種類、数は変わってきますが、最低限決めていて欲しいルールは下記の2種類あります。
5-1 銘柄を選ぶ時のルール
例えば、
・会社情報を必ず確認する
・取引市場を限定する
・業種を限定する
・急騰銘柄は避ける
・高値圏ではない銘柄を選ぶ
・出来高の多い銘柄を選ぶ
など、多々ありますが、自分の得意分野を知るためにも最初はある程度限定させて銘柄を選ぶ事もいいでしょう。
5-2 売買時のルール
購入、売却時のルールになりますが、指値で注文するのか、成行で注文するのか決めておく。
+10%上がったら売却する。-10%下がったら損切りする。
といったような明確な数字を決めておく事が重要です。
特に売却時は感情的判断をしがちですが、ここでこそ機械的な判断をすべきです。
それには明確な数字を決めておく事が必要なので、しっかりルールを決めておきましょう 特に損切り時の損切りラインは、銘柄購入前に必ず決めておくべきルールです。
-10%以上を超えると精神的にも売りづらくなる傾向にあるので、-10%以内に設定する事をお勧めします。
それでも決断しにくい人であれば、逆指値注文をしておき強制決済させるといった方法もございます。
この2種類のルールを最低限決めておく事で、塩漬け株を作らない投資が可能になってくるはずです。
【ここだけチェック!】
・特に損切りラインは明確にして、必ず守る必要がある
6.まとめ
多くの投資家の悩みである、塩漬け株ですが、まずは投資のマイルールを徹底し、塩漬け株は作らないといった事が重要です。
感情的投資は上手く行かない傾向にあるので、しっかりとルールに基づいた投資が基本です。
もし、塩漬け株を保有しているなら上記でとりあげた対処法を取り入れて、精神的復活、資金復活を実践してみてはいかがでしょうか。
それにより今後の投資環境が改善し、利益が狙える投資へと変化していけば嬉しく思います。
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