- 2021-10-6
- 半導体
信越化学工業は+51%!SUMCOは+69%!
世界の半導体市場から日本メーカーが姿を消してしまって久しいですが、半導体の製造に欠かせないシリコンウエハーは、日本企業が圧倒的な市場シェアを誇っている分野となっています。
半導体は、2020年以降のIoT時代にはますます需要が増加することが確実であるため、シリコンウエハーを手掛けている企業にも大きな期待が高まります。
シリコンウエハー関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.シリコンウエハー関連銘柄とは?
日本企業が圧倒的な強さを誇るシリコンウエハーについて抑えておきましょう。
1-1.シリコンウエハーとは?
シリコンウエハーは、半導体の製造において欠かせない材料です。
シリコンウエハーはその名前の通りシリコン(ケイ素)から作られています。
その形状は薄い円盤状となっており、表面が平坦になっている点が性能にも大きく関係してきます。
半導体の技術革新の歴史は、シリコンウエハーの大口径化の歴史と言っても過言ではありません。
半導体はシリコンウエハー上に回路を書き込むことによって製造されますが、1枚のシリコンウエハーから製造できる半導体が多くなればなるほど半導体の製造コスト削減に繋がることになります。
シリコンウエハーが登場したばかりの1960年代には直径0.75インチ程度でしたが、現在は12インチのものが主流となっており、15インチ以上の開発も進められています。
例えばスマホが毎年のように小型化・高機能化しているのは、シリコンウエハーの高品質化・低コスト化が大きな要因です。
2020年以降には全てのモノがインターネットに繋がるIoT機器が、身の回りにさらに増えていくことは確実です。
IoT時代には、IoT機器に使われるメモリやセンサー、パワー半導体など、半導体の需要が増加していくことは確実であり、シリコンウエハーは現代社会でますます重要な材料になっていくことは間違いありません。
1-2.シリコンウエハーの勢力図に変化の兆し
2021年の株式市場は、半導体製造装置メーカーを中心とする半導体株が最強テーマ株となっていますが、【4063】信越化学工業と【3436】SUMCOの2銘柄に代表されるシリコンウエハー関連銘柄も好調です。
ただ2020年12月には、シリコンウエハー世界3位の台湾GlobalWafers社が、世界4位のドイツSiltronic社を買収する方針を発表。
この買収が成立すれば、GlobalWafers社がSUMCOを抜き世界2位となり、信越化学工業とSUMCOの2強となっていたシリコンウエハー市場の勢力図が変わることになります。
2021年のシリコンウエハー関連銘柄は、レーザーテックや東京エレクトロンといった主要半導体株に比べると値上がり率も控えめとなっており、半導体株の中でもローリスクとなっています。
半導体株は2020年3月のコロナショック以降は上昇し続けており、さすがにそろそろ調整局面に入ってもおかしくないほど買われ過ぎている銘柄も目立ってきている状況です。
シリコンウエハー関連銘柄も半導体株の一角として買われているものの、他の半導体株に比べると緩やかな上昇に留まっていることから、半導体株が調整局面に入っても大暴落はしないものと思われます。
- シリコンウエハーは半導体の製造に欠かせない材料
- シリコンウエハー市場では、信越化学工業とSUMCOが世界シェアの半分を占める
2.シリコンウエハー関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2018年から2019年に掛けてのシリコンウエハー関連銘柄の株価動向を見ていきましょう。
2-1.シリコンウエハー世界トップ!【4063】信越化学工業
シリコンウエハーや塩化ビニールで世界トップシェアを誇る【4063】信越化学工業は、代表的なシリコンウエハー関連銘柄です。
同社は、シリコンウエハー以外の化学事業も手掛けているため、SUMCOに比べると、化学セクターでリスクヘッジされている銘柄となります。
同社の株価は、2020年10月には一時13,450円を付けており、年末に掛けて上昇。
2021年に入ってからは高値圏で横ばいとなっており、9月14日には21,480円まで上げています。
この1年の最大上昇率は+59%です。
2021年に入ってから3ケタの上昇率が当たり前となっている半導体株の中では控えめな上昇率と言えます。
2-2.シリコンウエハー世界2位!【3436】SUMCO
シリコンウエハー専業で世界シェア2位の【3436】SUMCOは、最も代表的なシリコンウエハー関連銘柄です。
同社はシリコンウエハー専業企業であるため、信越化学工業に比べて純粋なシリコンウエハー関連銘柄となっています。
この違いは株価にも表れており、SUMCOは信越化学工業よりもリスクのある値動きをしやすいことが特徴です。
SUMCOの株価は、2020年10月には一時1,480円を付けていましたが、半導体不足を背景に買われ、2021年4月30日には2,954円まで上昇。
この期間に最大+99%の上昇率となりました。
ただ高値を付けてからは売られており、2021年10月1日には2,151円で大引けとなっています。
もしかしたら、半導体株の調整入りの先導株となる可能性も考えられる値動きです。
- 2021年のシリコンウエハー関連銘柄は、半導体株の中では控え目な上昇となっている。
3.シリコンウエハー関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【3436】SUMCO | シリコンウエハー世界2位 |
【3445】RS Technologies | シリコンウエハーの再生加工 |
【4043】トクヤマ | 高純度多結晶シリコン |
【4063】信越化学工業 | シリコンウエハー世界トップ |
【4238】ミライアル | シリコンウエハー出荷容器、シリコンウエハー搬送容器 |
【4275】カーリットHD | 半導体用シリコンウエハー |
【4368】扶桑化学工業 | シリコンウエハー原料 |
【5384】フジミインコーポレーテッド | 半導体ウエハー用研磨材 |
【5711】三菱マテリアル | 半導体用シリコンウエハー |
【7609】ダイトロン | シリコンウエハー製造装置 |
【7995】日本バルカー工業 | シリコンウエハーの再生加工 |
【8155】三益半導体工業 | リコンウエハーの研磨加工 |
4.オススメのシリコンウエハー関連銘柄3選!
2020年以降のIoT時代に向けておすすめのシリコンウエハー関連銘柄を3銘柄見ていきましょう。
4-1.【3436】SUMCO
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | シリコンウエハー世界2位のシリコンウエハー専業メーカー |
シリコンウエハー世界2位のSUMCOは、シリコンウエハー関連銘柄として外すことはできません。
ただ、同社はシリコンウエハー専業であることから半導体市場の影響を受けやすく、東証一部の銘柄の中ではリスク・リターンともに大きい銘柄であることは留意しておきましょう。
4-2.【4063】信越化学工業
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | 総合化学大手。シリコンウエハーや塩化ビニールに強い |
シリコンウエハー世界シェアトップの信越化学工業も、SUMCOとともに必ず抑えておきましょう。
同社は、シリコンウエハーだけでなく塩化ビニールなどにも強みを持つ総合化学メーカーであるため、SUMCOよりもリスク・リターンが小さく安定しています。
半導体株に長期投資したい場合におすすめです。
4-3.【4275】カーリットホールディングス
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | 電気系化学品や発炎筒、産業用爆破材などを手掛ける化学メーカー |
カーリットホールディングスは、半導体シリコンウエハーも手掛けており、シリコンウエハー関連銘柄の出遅れ株として期待できる銘柄です。
信越化学工業とSUMCOを始めとするほとんどのシリコンウエハー関連銘柄が2019年に反発している中で、同社は下落しています。
出遅れ株としての反発が期待されますが、リスクが隠れている可能性もあるため注意しておきましょう。
5.まとめ
2018年には半導体バブル崩壊懸念からシリコンウエハー関連銘柄は大きく値を下げましたが、2019年には一転して値を大きく戻しています。
シリコンウエハー関連銘柄としては、世界シェアトップの【4063】信越化学工業と世界シェア2位の【3436】SUMCOの2銘柄は必ず抑えておきましょう。
この2銘柄は日本株を代表するテック系企業であるため、外国人投資家にとっても人気の銘柄となっています。
リスクを取ってもいいならSUMCO、安全重視なら信越化学工業がおすすめです。
シリコンウエハーは、半導体の需要が急増するであろう2020年以降のIoT時代において、最も重要な材料となることは間違いありません。
半導体市場の動向にはアンテナを張っておき、シリコンウエハー関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
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