- 2019-11-18
- 半導体
信越化学工業は+51%!SUMCOは+69%!
世界の半導体市場から日本メーカーが姿を消してしまって久しいですが、半導体の製造に欠かせないシリコンウエハーは、日本企業が圧倒的な市場シェアを誇っている分野となっています。
半導体は、2020年以降のIoT時代にはますます需要が増加することが確実であるため、シリコンウエハーを手掛けている企業にも大きな期待が高まります。
シリコンウエハー関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.シリコンウエハー関連銘柄とは?
日本企業が圧倒的な強さを誇るシリコンウエハーについて抑えておきましょう。
1-1.シリコンウエハーとは?
シリコンウエハーは、半導体の製造において欠かせない材料です。
シリコンウエハーはその名前の通りシリコン(ケイ素)から作られています。
その形状は薄い円盤状となっており、表面が平坦になっている点が性能にも大きく関係してきます。
半導体の技術革新の歴史は、シリコンウエハーの大口径化の歴史と言っても過言ではありません。
半導体はシリコンウエハー上に回路を書き込むことによって製造されますが、1枚のシリコンウエハーから製造できる半導体が多くなればなるほど半導体の製造コスト削減に繋がることになります。
シリコンウエハーが登場したばかりの1960年代には直径0.75インチ程度でしたが、現在は12インチのものが主流となっており、15インチ以上の開発も進められています。
例えばスマホが毎年のように小型化・高機能化しているのは、シリコンウエハーの高品質化・低コスト化が大きな要因です。
2020年以降には全てのモノがインターネットに繋がるIoT機器が、身の回りにさらに増えていくことは確実です。
IoT時代には、IoT機器に使われるメモリやセンサー、パワー半導体など、半導体の需要が増加していくことは確実であり、シリコンウエハーは現代社会でますます重要な材料になっていくことは間違いありません。
1-2.シリコンウエハーは日本企業の独壇場!
半導体というと、「かつては日本企業が市場を席巻していたが、今では見る影もなくなってしまった」という印象を持つ方が少なくないかと思われます。
確かに半導体メモリ分野では、NAND型フラッシュメモリに強いキオクシア(旧・東芝メモリ)を除くと、日本勢は総崩れ状態です。
しかし半導体の製造に欠かせないシリコンウエハーや半導体製造装置などの分野では、現在でも日本企業が圧倒的な存在感を誇っているのです。
半導体の評価などを行うジェイチップコンサルティングによると、2018年度の半導体用シリコン売上金額シェアは、信越化学工業が24.3%で世界トップ、SUMCOが22.9%で世界2位となっています。
シリコンウエハー関連銘柄としては【4063】信越化学工業と【3436】SUMCOが2大銘柄として君臨しており、半導体関連ニュースが流れると、この2銘柄は物色されることが多くなっています。
ただ世界の半導体市場は、2018年に前年比+13.7%の4,688億ドルとなり過去最高となったものの、半導体バブル崩壊が懸念されたことから、2018年には半導体株は大暴落となりました。
2019年に入ってからは、半導体市場に持ち直しの動きが見られていることから、半導体株は大きく反発しています。
- シリコンウエハーは半導体の製造に欠かせない材料
- シリコンウエハー市場では、信越化学工業とSUMCOが世界シェアの半分を占める
2.シリコンウエハー関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2018年から2019年に掛けてのシリコンウエハー関連銘柄の株価動向を見ていきましょう。
2-1.シリコンウエハー世界トップ企業!【4063】信越化学工業
シリコンウエハーや塩化ビニールで世界的シェアを誇る大手化学メーカーの【4063】信越化学工業は、シリコンウエハー関連銘柄の代名詞的な銘柄です。
同社はシリコンウエハーの世界シェア30%近くを占めている、シリコンウエハーの世界トップ企業となっています。
同社の株価は、2018年1月に13,175円の上場来高値を付けていました。
しかし半導体バブル崩壊懸念から暴落。2018年12月には7,982円まで下落し、年間では最大-39%の下落となりました。
2019年に入ってからは反発しており、年初に付けていた8,236円から、11月には12,510円まで上昇。
2019年の上昇率は最大+51%となっています。
2-2.シリコンウエハー世界2位!【3436】SUMCO
シリコンウエハー専業で世界2位の【3436】SUMCOも、シリコンウエハー関連銘柄として必ず抑えておかなければいけない銘柄です。
信越化学工業はシリコンウエハー以外にも手掛けている総合化学メーカーですが、SUMCOはシリコンウエハー専業メーカーとなっている点に違いがあります。
SUMCOの株価は、2018年1月に3,345円の高値を付けていましたが、半導体バブル崩壊懸念により大暴落。
2018年12月には1,128円まで下げて、2018年の下落率は-66%に。
2019年に入ってからは横ばい後に反発しており、年初に付けていた1,151円から、10月には1,950円まで上昇。
2019年に入ってからの上昇率は最大+69%となっています。
SUMCOは、2018年に信越化学工業の2倍暴落したにも関わらず、2019年に入ってからの反発率は信越化学工業とそこまで変わっていません。
信越化学工業に比べると、SUMCOはシリコンウエハー専業である分、半導体市場の影響をより大きく受けやすく、リスク・リターンともに大きくなっていることを抑えておきましょう。
- 信越化学工業・SUMCOともに、半導体バブル崩壊懸念が出た2018年には暴落したが、2019年には持ち直している
3.シリコンウエハー関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【3436】SUMCO | シリコンウエハー世界2位 |
【3445】RS Technologies | シリコンウエハーの再生加工 |
【4043】トクヤマ | 高純度多結晶シリコン |
【4063】信越化学工業 | シリコンウエハー世界トップ |
【4238】ミライアル | シリコンウエハー出荷容器、シリコンウエハー搬送容器 |
【4275】カーリットHD | 半導体用シリコンウエハー |
【4368】扶桑化学工業 | シリコンウエハー原料 |
【5384】フジミインコーポレーテッド | 半導体ウエハー用研磨材 |
【5711】三菱マテリアル | 半導体用シリコンウエハー |
【7609】ダイトロン | シリコンウエハー製造装置 |
【7995】日本バルカー工業 | シリコンウエハーの再生加工 |
【8155】三益半導体工業 | リコンウエハーの研磨加工 |
4.オススメのシリコンウエハー関連銘柄3選!
2020年以降のIoT時代に向けておすすめのシリコンウエハー関連銘柄を3銘柄見ていきましょう。
4-1.【3436】SUMCO
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | シリコンウエハー世界2位のシリコンウエハー専業メーカー |
シリコンウエハー世界2位のSUMCOは、シリコンウエハー関連銘柄として外すことはできません。
ただ、同社はシリコンウエハー専業であることから半導体市場の影響を受けやすく、東証一部の銘柄の中ではリスク・リターンともに大きい銘柄であることは留意しておきましょう。
4-2.【4063】信越化学工業
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | 総合化学大手。シリコンウエハーや塩化ビニールに強い |
シリコンウエハー世界シェアトップの信越化学工業も、SUMCOとともに必ず抑えておきましょう。
同社は、シリコンウエハーだけでなく塩化ビニールなどにも強みを持つ総合化学メーカーであるため、SUMCOよりもリスク・リターンが小さく安定しています。
半導体株に長期投資したい場合におすすめです。
4-3.【4275】カーリットホールディングス
市場 | 東証一部 |
注目ポイント | 電気系化学品や発炎筒、産業用爆破材などを手掛ける化学メーカー |
カーリットホールディングスは、半導体シリコンウエハーも手掛けており、シリコンウエハー関連銘柄の出遅れ株として期待できる銘柄です。
信越化学工業とSUMCOを始めとするほとんどのシリコンウエハー関連銘柄が2019年に反発している中で、同社は下落しています。
出遅れ株としての反発が期待されますが、リスクが隠れている可能性もあるため注意しておきましょう。
5.まとめ
2018年には半導体バブル崩壊懸念からシリコンウエハー関連銘柄は大きく値を下げましたが、2019年には一転して値を大きく戻しています。
シリコンウエハー関連銘柄としては、世界シェアトップの【4063】信越化学工業と世界シェア2位の【3436】SUMCOの2銘柄は必ず抑えておきましょう。
この2銘柄は日本株を代表するテック系企業であるため、外国人投資家にとっても人気の銘柄となっています。
リスクを取ってもいいならSUMCO、安全重視なら信越化学工業がおすすめです。
シリコンウエハーは、半導体の需要が急増するであろう2020年以降のIoT時代において、最も重要な材料となることは間違いありません。
半導体市場の動向にはアンテナを張っておき、シリコンウエハー関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
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