- 2020-10-27
- 人工知能(AI)
人工知能(AI)はSF映画の世界だけのテクノロジーだと思ってきましたが、今では現実の世界で実際に人工知能が使われ始め急速な発展を遂げてきています。
株式投資の中でも人工知能(AI)が注目され始めてから間もないですが、人工知能の進化はめざましく様々なテクノロジーに応用され始めています。
それらのテクノロジーの根幹にあるのが人工知能です。
AI(人工知能)関連銘柄は、2019年以降は2018年の反動からやや下火になっています。
しかし新型コロナウィルスの蔓延により多くの分野で活躍の場が広がりました。これにより株価も再び息を吹き返しています。
アフターコロナ以降も、AIがIoT社会を発展させるカギとなるトレンドはほぼ間違いありません。
まだまだ息の長いテーマである人工知能(AI)について、今後の予想、注目銘柄も併せて取り上げていきます。
目次
1.人工知能(AI)はさまざまな技術の根幹となる
人工知能は自動運転車、ロボット、ドローン、フィンテック、IoT、バイオ創薬といったあらゆる技術系の分野で密接に関わっております。
多くのテーマ株と関わっている人工知能関連株は投資家なら注目すべきと言えます。
1-1 テクノロジーの根幹に人工知能あり
近年IoTや自動運転車のニュースなどが飛び交い、技術の進化のスピードが加速しています。
これらの技術の根幹にあるのが人工知能です。
以下の技術に人工知能が活用されています。
- IoT
- ドローン
- フィンテック
- バイオ創薬
- 自動運転車
- iPhoneのsiri(シリ)
- お掃除ロボットルンバ
- ディープ・ラーニング
私たちの身近なモノであるsiriや企業のためのテクノロジーまで幅広く網羅されています。
このように多くのテーマ株にも関わっているため、投資家としては人工知能関連銘柄は無視できません。
1-2 医療でもAIは大活躍している
IBMの人工知能「Watson(ワトソン)」は膨大な数の医学論文を学習し、判断が難しい女性患者の白血病のタイプを見抜くことに成功。
これりより患者の回復に貢献しました。しかも所要時間はわずか10分でした。
また乳がんの転移を調べる画像判定を行ったところ、11人の医師よりも大幅に成績が上回る結果を出すことも成功しています。
このように人工知能は医療の世界でも活躍の幅を広げ、人間の命を救うまでになってきています。
人工知能の進化により、今後は更に人間では難しい症状などの判断できるようになり、医療分野は更に進化していくでしょう。
- 人工知能(AI)は様々なテクノロジーの根幹にある
- 身近な携帯や掃除機から、自動車や医療にも利用されている
2.コロナウィルス下でも人工知能(AI)が大いに活躍している
2018年の人工知能関連株の動きを振り返りましたが、関連株の動きを見れば注目度の高さは一目瞭然でした。
2020年も引き続き人工知能関連株は注目のテーマとなります。
2-1 コロナウィルスなど、あらゆる災害に対応し始めている
2020年には中国・武漢市を中心に広がりを見せている新型コロナウイルスが世界中のマーケットにも影響を与えるほどの大ニュースになっていますが、AIは新型コロナウイルス対策においても活躍しています。
AIの研究者グループは、機械学習を使ってSNSやウェブのビッグデータにアクセスし、感染が他の地域へと拡散していないか兆候を探っているとのことです。
また、2019年に台風15号で大きな被害を受けた千葉県は、AIを使って台風や大雨などの災害発生時にSNSに投稿された被害情報を収集し、災害支援に活用する取り組みを始める方針を発表しました。
SNSのビッグデータをAIが解析することによって人々の生活に役立てていく取り組みが、世界中で始まっていることが分かります。
特に、2020年には日本でも次世代通信技術「5G」の運用が始まることからも、AI・IoT・5G時代が本格始動していく1年になりそうです。
2-2 .人工知能(AI)はコロナ対策だけでなく、多くの分野で活躍が期待される
2020年は、新型コロナ対策を中心に人工知能がより身近になった1年とも言えそうです。
LINEを使った「新型コロナ対策のための全国調査」や新型コロナ接触確認アプリ「COCOA」には多くの人が参加し、ビッグデータを駆使した新型コロナ対策として機能しました。
民間企業が人工知能を使う場面も増加しており、ホテルやレストランの受付では接触を避けるため人工知能を搭載したロボットの導入が進んでいます。
さらに、人工知能は新型コロナワクチン製造のゲノム分析やタンパク質分析などにも用いられており、テレワークや遠隔医療の一部にも使われているとのことです。
新型コロナ対策で人工知能が活躍したことも背景に、新型コロナ相場では人工知能関連銘柄は好調な値動きとなっています。
さらに2020年9月に誕生した菅政権では、デジタル庁の創設を目玉政策に掲げたことも人工知能関連銘柄には追い風です。
菅総理は2020年10月20日に東京都内で開かれた人工知能をテーマにしたイベントにビデオメッセージを寄せ、新型コロナ対策や少子高齢化の解決に人工知能を積極的に活用していく考えを示しました。
- 人工知能はAI用半導体チップの開発により加速していく
- 人工知能の市場規模が4兆円から90兆円まで拡大されると予想
3. 分野の広い人工知能で、注目すべきセクターとは?
AI関連銘柄と一口に言っても、ビッグデータを使ったマーケティングから、自動運転やIoT、画像認識や音声認識など、さまざまな分野・セクターのAIビジネスを手掛けている企業があります。
3-1.2019年は画像、音声認識や自動運転に注目された
2019年のAI関連銘柄の動向を見てみると、画像認識や音声認識を手掛けているAI関連銘柄に資金が流入してきているようです。
特に音声認識は自動翻訳技術に応用できるため、インバウンド関連銘柄としても買われることが期待されます。
今後長期的には、自動運転に関するAI関連銘柄に注目が集まるものと思われます。
現在は、まだ完全な自動運転ができるAIは開発されていませんが、そう遠くない未来では、マーケットを席捲する最重要テーマ株になる可能性は非常に高いものと言えるでしょう。
3-2.2020年は5GとIoTに注目
5Gの運用が本格的に始まりました。
IoTや自動運転には高速な通信技術が必須のため、5Gの導入でIoT社会の進みがさらに早まるでしょう。
そこでIoTの根幹となる人工知能の需要が高まることが予想されます。
いよいよ夢にまで見た近未来の世界が本格始動していきます。
人工知能などは移り変わりも早いので、時代の流れに取り残されないよう関連銘柄も常に監視していきましょう。
4.過去、人工知能(AI)関連銘柄が上がった銘柄とその理由
2019年から2020年に掛けて上がったAI関連銘柄を見ていきましょう。
4-1.東証一部を代表するAI関連銘柄!【3655】ブレインパッド
ビッグデータ活用サービスやAIマーケティングサービスを手掛ける【3655】ブレインパッドは、東証を代表するAI関連銘柄です。
同社が提供しているレコメンドエンジン搭載プライベートDMP「Rtoaster」は、DMP市場で3年連続シェアトップを記録している同社の主力製品となっています。
同社の株価は、2019年2月には5,170円を付けており、2019年5月には9,300円まで上昇。
この期間には最大+79%の上昇率となりました。
しかし2019年5月に高値を付けてからはズルズルと値を下げ続けており、2020年2月現在は5,300円前後と、1年前とほとんど変わらない価格帯となっています。
4-2.AI低位株から大暴騰!【3747】インタートレード
証券会社向けシステムの開発を手掛ける【3747】インタートレードは、低位株から大きな値上がりを遂げたAI関連銘柄です。
同社は、金融業界向けにAIソフトを開発しており、金融工学(クォンツ)の技術を実現した「Dynamic Spider」や「Prospect」といった証券会社向けのAIシステムを提供しています。
同社の株価は、2019年2月には285円の低位株となっていました。その後も低迷は続き、2019年6月には208円にまで下落…。
しかし、2019年8月に新興ネット証券のLINE証券が、同社の金融システム「Spider」を採用することを発表したことにより、同社株には買いが殺到。
2019年9月には1,409円まで上がりました。
この期間の最大上昇率は+394%となっています。
ただ、高値を付けてからはズルズルと値を下げており、2020年2月現在は550円前後と、再び低位株に戻りそうな値動きとなっています。
5.人工知能関連銘柄をPICK UP
それではここから注目の人工知能関連株を数銘柄ピックアップしたいと思います。
3-1 【2321】ソフトフロントホールディングス
※参照元:Yahoo!ファイナンス┃以下全て同サイトより参照しております。
市場 | 東証ジャスダック |
注目ポイント | 通信ソフト開発が柱。自然会話AIソフトの開発でも注目 |
ソフトフロントホールディングスは、自然会話AIプラットフォーム「commubo(コミュボ)」で注目される通信ソフト開発会社です。
「commubo」は一問一答型ではない継続的な自然会話を実現する最先端AIコミュニケーションロボットで、さまざまなシーンのコミュニケーションの無人化を実現することが期待されます。
同社の株価は100円台で推移しており、いつ急騰してもおかしくありません。
3-2 【3782】ディー・ディー・エス
市場 | 東証マザーズ |
注目ポイント | 指紋認証デバイスや情報セキュリティーを手掛ける。 |
ディー・ディー・エスは、指紋認証デバイスやクラウド本人認証ソリューションなどを手掛けているAI関連銘柄です。
近年、マーケットでも注目されている「情報セキュリティー」に特化したAI関連銘柄でありながら、株価は300円台の低位株となっています。
また、政府が普及に力を入れているマイナンバーカード関連でも注目される可能性があります。
3-3 【4382】HEROZ
市場 | 東証マザーズ |
注目ポイント | AI将棋ゲームやAIソリューションを手掛ける。 |
HEROZは、2018年4月のIPOで公募価格の11倍の初値を付けたことでも知られるAI関連銘柄です。
AI将棋ゲーム「将棋ウォーズ」を開発したことで知られており、将棋AIの開発で培った最高峰のAIテクノロジーをビジネスに応用した「HEROZ Kishin」も提供しています。
2019年12月にマザーズから東証一部に昇格したため、リスクが小さくなりました。
マザーズ上場時代には短期投資向きの銘柄でしたが、東証一部に昇格したことによって長期投資向きのAI関連銘柄になったと言えるでしょう。
6.まとめ
人工知能(AI)は凄い勢いでその規模を拡大していっております。
様々なニュースからも分かる通り人工知能はあらゆる分野へと広がっていく流れを見せるはずです。
まだまだ発展途中の分野と言う事もあり判断が難しい点もありますが、人工知能は自動運転車、ロボット、ドローン、フィンテック、IoT、バイオ創薬といったあらゆる技術系の分野と密接に関わっております。
2020年はやはり5Gの導入が大きく、これからの発展に人工知能の本領が発揮できる時期になってきました。
2020年投資の一大テーマ株になると予想して今後の株価動向にも注目していきましょう。