- 2017-4-29
- 低位株
仕手株に手を出すのは危険です!大切な資金を大きく失う恐れがある為ハイリスクであり、勝つことが難しいので仕手株には手をだしてはいけません。
仕手株のことをあまり知らない方の為にも、今回仕手株の危険性について説明していきます。
「まさか自分の保有銘柄が・・仕手株に?」
そういったパターンも十分考えられますので、急騰する株の魅力に騙されず対処する為にも仕手株の特徴を把握していきましょう。
目次
1.仕手株には絶対手を出すな!その理由とは
1-1.魅力があるからこそ騙される
仕手株とは巨額資金を持つ集団(仕手筋)が意図的に株価を吊り上げ、個人投資家を巻き込み、自分達の利益の為だけに動かす銘柄のことを言います。
その為、仕手筋が介入した銘柄は連日ストップ高をつけるなど、力強い上昇を見せる為、非常に魅力的な銘柄へと変貌します。
値上がり率ランキング上位に出れば更に多くの投資家が注目し参戦してきますので、より大きな株価上昇を見せることが多いのが特徴です。
1日で+10%、数日で+200%といったようなハイリターンが狙えるので非常に魅力的に写ります。
しかし、一歩間違うと大きな損失を出す可能性が高いということは把握しておかなければなりません。大きな魅力の裏には仕手筋という仕掛け人がいるので騙され高値掴みしてしまわないように注意して頂きたいです。
激しい動きが好きな人や、リスク管理をしっかりしている方ならこのような仕手株にエントリーするのも一つの方法ですが、個人投資家が勝つのは非常に難しいでしょう。
1-2.ハイリスクの危険性を秘めている
急騰銘柄でもよく見られますが、1度下げトレンドに入ると上昇時より早い時間で大きな下落を見せることがよくあります。
仕手株の場合は特に下落スピードが早く、保有している銘柄を仕手筋は全て売却する為、徹底的に売られます。
売りが連続で続けば元の株価以下まで下落することもありますので、高値で掴んだ投資家はどうすることもできません。
そのまま塩漬け株になるか、損切りにより大きな損を抱えてしまうといったハイリスクの特徴が仕手株にはあります。
上記のように仕手株は大きな損失を抱えやすい為、非常にハイリスクハイリターンな銘柄です。
実際に2017年の10月には仕手筋が逮捕される事件が起こりました。
東証マザーズに上場しているストリーム株を不正に吊り上げたとし相場操縦の疑いの為逮捕されました。
https://news.nifty.com/article/item/neta/12111-39593/
ストリームのチャートを見ると大きく上がったあと、即暴落しているのがわかると思います。
こういった株は危険であり、大きな損失を抱えない為には、やはり仕手株に手をださない方がいいと言えます。
では、そういった仕手株をどうやって見分けるのか?特徴や対策などが分からないと対応できないので、この後詳しくとりあげていきます。
- 仕手株はハイリスクハイリターン
- 仕手株で大損をするのはほとんど個人投資家
2.過去の仕手株は17倍から10分の1へ
では実際、仕手株はどのような動きをするのか過去の仕手株と合わせて見て行きます。
2-1.17倍という脅威の上昇を見せた【8029】ルック
仕手株の代表としてまずはこちらの銘柄があります。
2002年から2003年にかけての急騰劇でした。
2002年の安値は124円でしたがその後仕手筋が仕掛けたことで2003年には2,160円の高値を記録!
倍率にすると約17.4倍!
株価約17倍という脅威の上昇を見せ、個人投資家を中心に大きな話題となりました。
しかし、2,160円の高値を付けた後は上昇時の倍の速度で急落。
一気に347円の安値まで値を下げていましたので、仕手株の恐ろしさが実感できる瞬間でもありました。
当時2,000円以上の高値で参戦した投資家は売るに売れない状況となりました。
2017年4月時点でも株価は200円台で推移しておりますので、未だに1/10の価格でしか売れない状況と言えます。
この【8029】ルックはまさにハイリスクハイリターンの仕手株でした。
2-2.日本最大の大物仕手筋K氏
「兜町の風雲児」と呼ばれた加藤暠(あきら)氏は日本最後の大物仕手筋と言われた有名な人物です。
加藤氏が仕掛けた銘柄は「加藤銘柄」「K筋」「K銘柄」などと呼ばれ、噂だけでも株価が上昇するといったような強い影響力をもっていました。
- 【5192】三ツ星ベ 26.5倍
- 【1819】太平工業 17.5倍
- 【6844】新電元 16.6倍
- 【5936】東洋シャッタ 15.8倍
- 【3431】宮地鉄工所 14.7倍
- 【7961】兼松日産農林 12.6倍
- 【2211】不二家 10.2倍
- 【6378】木村化工機 9.2倍
- 【8061】西華産業 8.6倍
- 【5410】合同製鐵 8.6倍
- 【6362】石井鉄工 8.5倍
- 【5122】オカモト 7.8倍
いずれも急騰しており、倍率上位だけ見てもこれだけの銘柄があります。
これら以外にも30銘柄以上あるとされていますので、いかに加藤氏の力が凄かったのか分かって頂けると思います。
仕手株というのはこのように仕手筋の力により急騰を見せますが、反対に急落も同じようにあったということですので、非常に魅力的ですが、危険な銘柄ということです。
- 株価10倍を越える仕手株は過去には大量にあった
- 兜町の風雲児加藤暠氏は個人投資家に大きな影響を与えた
3.仕手株になる銘柄は主に3つの大きな特徴がある
ここまでの流れで仕手株は急騰しやすく急落もしやすい危険な銘柄ということは分かって頂けたかと思います。
しかしどんな銘柄でも仕手株としてターゲットになるのではなく、仕手筋に狙われやすい銘柄には特徴がありますのでまとめていきます。
3-1.発行済株式数が少ない小型株
狙われやすい銘柄の特徴としてまず、発行済株式数が少ない小型株が狙われるということが分かっています。
発行済株式数が少ない方が力ずくで動かしやすく、資金も少なくて済みます。
大型株となれば資金も何十倍と必要になることと、大量の資金を投じても株価が大して動かなため小型株を狙います。
3-2.普段見向きもされないボロ株
ボロ株とは一般的に業績が良くない、成長が期待できない、株価100円未満の銘柄のことをさしますので、個人投資家には人気が無く普段見向きもされていません。
そんなボロ株をなぜ仕手筋が狙うのかというと、ボロ株が仕手筋などの資金で急騰すればインパクトが強く、市場の投資家の目を集め反応が良いということが挙げられます。
100円以下の低位株が急騰すれば短期で利益を狙いやすい為、個人投資家の資金も集まりやすいためターゲットになりやすいのです。
▼低位株について最も詳しい記事はこちらです
3-3.信用取引が出来る銘柄(空売りができる銘柄)
信用取引の空売りができる銘柄であれば、急騰時に空売りを誘いやすい為、買いの投資家+売りの投資家を巻き込むことが狙えます。
それにより出来高も増え、更なる踏み上げによる上昇を狙いやすいということが挙げられます。
空売りが増えるということは、急騰後の急落を予想した投資家が多くなるということになりますが、その後も力強い上昇相場を見せれば空売り投資家はたまらず買い戻しする為、買いを誘う形となります。
そういったことから信用取引ができる銘柄も選ばれやすいようです。
仕手株に狙われやすい銘柄はこれらの特徴がありますので、現在保有している銘柄も当てはまらないかチェックしておきましょう。
- 発行済株式数が少ない銘柄であれば資金も少なく動かしやすい
- ボロ株が急騰すれば個人投資家の注目を浴びやすい
- 空売り投資家も巻き込むことで更なる上昇相場を形成しやすい
4.仕手株を掴まない為の見分け方と対策を覚えよう
仕手株の特徴まで分かったところで、実際に仕手株を掴まないようにしなければいけません。そこで仕手株の見分け方と保有してしまった時の対策をまとめていきたいと思います。
4-1.仕手株の見分け方は3項目+3項目!
仕手株の見分け方としてまずは上記で紹介したような仕手株の特徴と当てはまっていないか確認する必要があります。
- 発行済株式数が少ない小型株ではないか
- 普段見向きもされないボロ株ではないか
- 信用取引が出来る銘柄(空売りができる銘柄)ではないか
これら3項目をチェックして見ましょう。
また、これら3つの項目以外にも仕手株を見分ける方法はあります。
- 材料があっての急騰か
- 出来高が急激に増えていないか
- 株価が100円以下
株価が急騰する時は大抵好材料や決算などがきっかけですが、何も材料がないのに急騰する銘柄は注意が必要です。仕手株は資金を使い力ずくで株価を上げてきますので、材料がないというのは仕手株の可能性が出てきます。また、出来高の急増も同じく材料があっての増加なのかチェックしておきましょう。
後一つのチェックポイントとしては、株価が100円以下という部分になります。仕手筋は株価100円以下の低位株を仕掛けている実績が数多くありますので、安すぎる銘柄も注意が必要になります。
このようなポイントが仕手株の見分け方になるでしょう。
4-2.保有銘柄が仕手株のような動きをした場合の対処
もし、保有している銘柄が仕手株のような動きが見られたらどうするべきか、仕手筋に狙われてしまった場合の対処法としては状況に合わせた3つのポイントがあります。
①仕手株に狙われたかもしれない状況
仕手株、急騰株の序章であればその後株価急騰の可能性がありますので、利益を狙いたいところですが、急落のリスクを考えると逆指値注文を入れておくのがいいでしょう。
逆指値注文とは、○○円以下になったら売るといったような指値注文です。
逆指値を入れておくことで、利益も狙え、急落時にも対処可能となります。
買値より上で逆指値を入れることができれば損失を出す事はありません。その後急騰していった場合は逆指値も同じように上げていく形がベストでしょう。
②上昇途中で保有し、実は仕手株だったかもしれない状況
仕手株の上昇局面だった場合、いつ急落するか分からない状況となります。その為、逆指値を入れ下げ局面に対応するか、すぐにその銘柄を手放す形がいいでしょう。
それでもまだ保有しておきたい場合は損切りラインは必ず設定しておきましょう。急落により損失を大きく抱えてしまう可能性も高いので、損切りは徹底です。
利確の方法はこちらが参考になります。
関連記事:【利確のタイミングを逃さない!基本ルールを覚えて精度を上げる】
③材料なき急騰で仕手株の可能性が高い場合
急落の危険性が高い為すぐにロスカットするか、利益確定し銘柄を手放しましょう。
急騰銘柄と同じく上昇分の下落が待っているので、できるだけ早く売り逃げる形がベストかと思われます。
▼ハイリスクでも仕手株で利益を狙いたい方はコチラをご参考下さい
- 仕手株を掴まない為にもチェックポイントは把握しましょう
- もしも、仕手株を保有していた場合はすぐに売却できる体制で対応
5.まとめ
以上のように仕手株は仕組まれた銘柄の為、急落の可能性やもて遊ばれる危険性があります。
仕手株の特徴を覚え、材料無き急騰銘柄などにも飛びつかないようにしましょう。
時代により仕手筋の動きも変わってきていますが、危険度は変わらないので大切な資金を守る為にも仕手株には手を出さないようにしましょう。