- 2020-6-15
- テクノロジー
新型コロナ相場で、キーエンスは+61%!SMCは+63%!
工場の自動化を行うファクトリーオートメーション関連銘柄は、新型コロナ相場で最も買われている大型株セクターとなっています。
産業用ロボットやセンサーといったファクトリーオートメーション関連銘柄は日本企業が世界的競争力を持つセクターであり、外国人投資家に最も人気のテーマ株であると言っても過言ではありません。
ファクトリーオートメーション関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.ファクトリーオートメーション関連銘柄とは?
アフターコロナに注目が集まる中、産業界ではファクトリーオートメーションの流れが加速することが期待されています。
1-1.ファクトリーオートメーションとは?
ファクトリーオートメーション(Factory Automation、FA)とは、工場などの生産現場で産業用ロボットや工作機械などを使って、生産工程を自動化するシステムのことです。
工場にファクトリーオートメーションを導入するメリットとしては、作業が無人化されることで人手不足対策になる、人為的ミスの削減に繋がる、作業効率や安全性が向上することなどが挙げられます。
特に日本では今後長期間に渡って労働力人口が激減していく人口減少トレンドに入るため、人手不足解決に繋がることは大きなメリットです。
一方ファクトリーオートメーションのデメリットとしては、導入コストが高い点が挙げられます。
ファクトリーオートメーションは世界的にも成長セクターとなっています。
市場調査会社のグローバルインフォメーションによると、世界のファクトリーオートメーション市場は、2020年の1,518億ドルから2025年には2,293億ドルまで年平均8.6%で成長すると予測されており、特に産業用ロボットが市場をけん引するとのことです。
ファクトリーオートメーションは、日本企業が世界的競争力を持つ分野であり、産業用ロボットを手掛けるファナックや安川電機、センサーを手掛けるキーエンスなど世界的企業が多数あります。
このためファクトリーオートメーション関連銘柄は、外国人投資家にも人気の長期投資におすすめのテーマ株となっています。
1-2.新型コロナの影響でファクトリーオートメーションが進むことが期待!
新型コロナウィルスによって世界経済が大きな打撃を受けることは、外需株が多いファクトリーオートメーション関連銘柄にとってはネガティブ材料となります。
その一方アフターコロナをにらんで、工場における「3密」を減らすため、ファクトリーオートメーションが加速化することもほぼ間違いないと見られます。
これまでは、製造業の競争力強化という点からファクトリーオートメーションが進んできましたが、今後は工場での感染防止対策という色合いも強くなってくることでしょう。
新型コロナ相場においても、ファクトリーオートメーション関連銘柄は外国人投資家を中心に買い戻しの動きが広まっています。
世界株安局面となった2月下旬から3月上旬に掛けては多くのファクトリーオートメーション関連銘柄が売られたものの、その後の反発局面では“無人化”への期待から大きく買われており、コロナショック前の高値を更新している銘柄も少なくありません。
- ファクトリーオートメーション(FA)とは工場の自動化のこと。
- 産業用ロボットやセンサーなど、ファクトリーオートメーション市場では日本企業が世界的競争力を持つ。外国人投資家に人気のセクターとなっている。
- 新型コロナの影響で、ファクトリーオートメーションが急加速することが期待される。
2.ファクトリーオートメーション関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2020年の新型コロナ相場におけるファクトリーオートメーション関連銘柄の株価動向を見ていきましょう。
2-1.FA空圧制御機器の世界的企業!【6273】SMC
世界的なFA空圧制御機器メーカーとして知られる【6273】SMCは、ファクトリーオートメーション関連銘柄を代表する銘柄です。
同社は、ファクトリーオートメーションには欠かせないFA空圧制御機器を主力に、流体制御用機器にも力を入れています。
同社の株価は、2020年1月初めには49,380円を付けていました。
コロナショックによって3月13日には35,870円まで大きく下げたものの、その後は大きく反発しており、6月には58,670円まで上昇。
年初からはプラスとなっており、新型コロナ相場において上場来高値を更新しています。
3月の安値からは最大+63%の上昇率です。
2-2.FA用センサーの世界的企業!【6861】キーエンス
FA用センサーを始めとする制御機器大手の【6861】キーエンスも、新型コロナ相場で大きく買われているファクトリーオートメーション関連銘柄です。
同社は工場を持たないファブレス企業としても知られており、同社のFA用センサーは世界中の工場になくてはならないものとなっています。
同社の株価は、2020年初めには38,500円を付けていました。
コロナショックによって3月17日には28,905円まで売られましたが、反発局面では大きく買われており、6月には46,740円まで反発。
3月の安値からは最大+61%の反発となっています。
大型株の中では新型コロナ相場で最も大きく買われた銘柄といって間違いなく、上場来高値を更新し続けています。
新型コロナ相場で他の銘柄に先駆けて反発したことから、時価総額ランキングも急上昇しており、トヨタとソフトバンクグループに続く3位まで上げています(※2020年6月12日終値時点)。
ファクトリーオートメーション関連銘柄は、新型コロナ相場で「強い!」としか言いようがありません。
新型コロナ相場ではテレワークやワクチン開発に関連する中小型株の値動きが目立っていますが、ファクトリーオートメーション関連銘柄は大型株を中心に東証をけん引するセクターとなっています。
上記2銘柄に加えて、【6383】ダイフクも上場来高値を更新中となっており、【6645】オムロンも年初からプラスとなっています。
- ファクトリーオートメーション関連銘柄は、新型コロナ相場で最も買われているテーマ株の一つに!
- 大型テーマ株の中では新型コロナ相場で最も買われているセクターとなっている。
3.ファクトリーオートメーション関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【6103】オークマ | マシニングセンタに強い工作機械大手 |
【6141】DMG森精機 | NC旋盤、MCに強い工作機械大手 |
【6273】SMC | FA空圧制御機器の世界トップ企業 |
【6383】ダイフク | 保管システム・搬送システム世界トップ |
【6481】THK | 工作機械向け直動システム大手 |
【6503】三菱電機 | プログラマブルロジックコントローラー(PLC)やサーボモーターなどのFA機器国内トップ |
【6506】安川電機 | 産業用ロボットの世界的メーカー |
【6645】オムロン | 制御機器・FAシステム大手 |
【6861】キーエンス | FA用センサー最大手 |
【6954】ファナック | NC装置・産業用ロボットの世界的メーカー |
4.オススメのファクトリーオートメーション関連銘柄3選!
オススメのファクトリーオートメーション関連銘柄を3銘柄抑えておきましょう。
4-1.【6954】ファナック
市場 |
東証一部 |
備考 |
NC装置や産業用ロボット、小型マシニングセンタなどに強い世界的FA企業。 |
ファナックは、ファクトリーオートメーション関連銘柄の代名詞的な銘柄です。
2018年の米中貿易摩擦以降は株価的には不調が続いており、新型コロナ相場でも他のファクトリーオートメーション関連銘柄に比べると反発がそこまで強くありません。
ただ、ファクトリーオートメーションにおいては絶対に抑えておかなければいけない銘柄に違いないでしょう。
4-2.【6506】安川電機
市場 | 東証一部 |
備考 |
サーボモーターやインバーター、産業用ロボットに強いメカトロニクス大手。 |
安川電機も、ファナックと並んでファクトリーオートメーション関連銘柄を代表する銘柄です。
ファナックと同様に、2018年の米中貿易摩擦以降、株価は停滞しており、新型コロナ相場でもそこまで大きく買われてはいません。
ただ、アフターコロナでファクトリーオートメーションが注目されるならば、産業用ロボット大手の同社が長期的に買われないということはないでしょう。
4-3.【6861】キーエンス
市場 |
東証一部 |
備考 |
FA用センサーに強い制御機器大手。ファブレス企業としても有名。 |
キーエンスはFA用センサーに強く、ファクトリーオートメーション関連銘柄として外せない銘柄です。
新型コロナ相場においても上場来高値を更新しており、時価総額ランキングでは大躍進しています。
また世界的センサー企業であることから、2020年以降のIoT時代にはなくてはならない企業であり、今後も長期的な成長が期待されます。
アベノミクスが始まった2012年12月には約6,000円だった株価は、2020年6月に44,680円まで上昇しており、長期投資の強みを体現する銘柄です。
5.まとめ
ファクトリーオートメーション関連銘柄は、SMCにキーエンス、ダイフク、オムロンと、新型コロナ相場で最も大きく買われているセクターの一つとなっています。
特に代表的な大型株であるSMCとキーエンスが新型コロナ相場で上場来高値を更新しているのは圧巻であり、長期投資目的の外国人投資家の資金が殺到していると見て間違いないでしょう。
新型コロナ相場では、テレワークやワクチン開発といったテーマ株に注目が集まりますが、これらのテーマで暴騰している銘柄はいずれも中小株です。
いつ暴落するかも分からない中小株ではなく、日本企業が最も強みとするファクトリーオートメーション関連銘柄を新型コロナ相場の中で物色していることには、外国人投資家のしたたかさを感じずにはいられません。
ファクトリーオートメーションに関するニュースにはアンテナを張っておき、ファクトリーオートメーション関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう!
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