- 2017-10-19
- 株の初心者用講座
株式投資の世界には、10月に買って4月に売ると効果的に収益を上げることができるという経験則が存在しています。
これを「ハロウィン効果」と言い、過去の統計を見るとわかるように成功率が高く、長い間その有効性が続いている投資法です。
数あるアノマリーの中でもとくに注目され、信頼度の高いハロウィン効果について解説していきます。
目次
1.世界の株式市場で見られるハロウィン効果
秋の収穫を祝うキリスト教のお祭り「ハロウィン」は日本でも定着しつつあり、この時期の株式市場では大きな変化があることから注目されています。
1-1.ハロウィン効果とは?
ハロウィン効果は「10月末に株価は下がる」というもので、この時期にあたる毎年10月31日のハロウィンにちなんだ名称が使われています。
その動きに理論的な根拠はないものの、世界の株式市場で多く見られる現象として、ハロウィン効果を利用したハロウィン投資が有名です。
10月末の安くなったところで株を買いリターンを狙うハロウィン投資をより効果的に行うには、もうひとつのアノマリーを意識しなければなりません。
それが「セルインメイ(5月までに株を売れ)」というものです。
10月末に株を買い、翌年の4月頃に売る。
この2つがセットでハロウィン効果と広く認識されており、パフォーマンスが高い経験則から投資家に広く知られています。
時期によって株価にある一定の傾向が見られる株の動きをアノマリーと言いますが、長年その有効性が続くハロウィン効果は信憑性が高いといえるでしょう。
1-2.アノマリーと株価の関係
株式市場には実に多くのアノマリーが存在しており、なかでもハロウィン効果は非常に有名で多くの投資家が判断指針にしています。
というのも、過去の歴史的な暴落の多くが偶然にもこの時期に起きているからです。
1929年:世界大恐慌
1987年:ブラックマンデー
1998年:アジア通貨危機
2001年:アメリカ同時多発テロ
2002年:不良債権問題を背景に19年ぶりの9,000円割れ
2003年:円高進行による失速
2004年:ハイテク株の下落で9日続落
2008年:リーマンショック
2009年:円高進行で7か月ぶりの下落
2011年:欧州債務不安と米国景気の二番底懸念
2015年:中国リスクの高まりと米国利上げへの警戒
10月頃に日本株の下げが目立った暴落相場を挙げてみましたが、2000年代に入ってからはより顕著に表れています。
株式相場ではアノマリーという強い力が働いており、その現象に従って行動する投資家が増えたことからアノマリー通りに株価が動きやすいとも言えます。
▼アノマリーに関する記事はこちら
【アノマリー投資法で儲ける!現実的かつ有効性のあるお勧め投資法】
- 10月末に株を買い翌年の4月頃に売ることでハロウィン効果を期待できる
- 過去の歴史的暴落相場の多くが10月頃に集中している
2.なぜ10月に株価は下がり4月に向けて上昇するのか
ハロウィン効果が期待できる10月から4月にかけての株式運用は、高いパフォーマンスが実現できる理由があるのではないでしょうか。
2-1.ファンドや投資信託の動きに関係している?
株価がある時期一定に動きやすい理由は諸説ありますが、10月頃に株価が下落しやすいのはヘッジファンド決算前の換金売りが出るからと考えられています。
欧米のヘッジファンドは11月に決算を控えていることが多く、その成果を良く見せるため無理にポジションを動かすことがあるのです。
大きな資金が一気に売られることで相場の価格変動率(ボラティリティ)が上がり、個人投資家の不安を煽るとも指摘されています。
また、パフォーマンスの悪いファンドや投資信託は決算期に解約されることから、その手続きを45日前に行わなければならず、これも10月頃にあたるのです。
これらの理由がハロウィン効果を引き起こしているのか明確ではありませんが、少なからず海外の機関投資家が関わっていると考えられるでしょう。
4月に株を売る理由については、秋になり夜が長くなるにつれて気持ちが不安定になり、リスク回避的な行動をしやすくなると言われています。
2-2.「10月に買って4月に売る」ハロウィン効果を検証!
過去の株価推移を見ると、10月に底値をつけて4月にかけて上昇している相場が目立っています。
以下のグラフでは、購入から半年後に売却した場合のパフォーマンスが高い月を統計で表していますので見てみましょう。
【画像引用元:http://www.nikkoam.com/fund-academy/rakuyomi/vol-1158】
日本株を表す赤い棒グラフを見ると、10月から半年保有するハロウィン投資をした場合の成績が他の月と比べると圧倒的に高いことがわかります。
ハロウィン効果を狙った投資戦略は非常に有効と言えるでしょう。
また、早い段階で十分な利益が出ていたり、相場に過熱感が感じられる場合などは4月に売ることを意識し過ぎずに、早めに利益確定してしまいましょう。
去年のように、年末に高値をつけるケースもあるということです。
- 10月頃に株価下落しやすいのは海外機関投資家の売りが関係している
- 過去20年間の統計からハロウィン効果を狙った投資戦略は有効である
3.まとめ
ハロウィン効果が期待できる「10月に買って4月に売る」アノマリーは、過去の統計を見る限り非常に有効な投資戦略と言えます。
成功率はダントツに高いことがわかりましたが、いつ戦争が起こるかわからないリスクの中で、損切りルールを徹底することも忘れてはいけません。
ハロウィンの時期が近づくと、その効果を得るためにも買うタイミングを意識しておくと良いでしょう。