- 2020-12-3
- 電池
【3891】ニッポン高度紙工業は+200%!【6955】FDKは+275%!【6937】古川電池は+357%!
世界的なEVシフトを受けて、リチウムイオン関連銘柄が大きく買われています。
日本の自動車メーカーはEVで出遅れている中、リチウムイオン電池やリチウムイオン電池材料では日本企業は強く、リチウムイオン関連銘柄はEVテーマ株の最右翼となっています。
リチウムイオン関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.リチウムイオン関連銘柄とは?
世界的にEVシフトが進む中で、リチウムイオン関連銘柄が大きな注目を集めています。
1-1.リチウムイオン電池とは?
リチウムイオン電池は、正極と負極の間でリチウムイオンが移動することで充放電を行う二次電池です。
リチウムイオン電池は、正極材、負極材、セパレーター、電解液の4部材で構成されており、各部材の材料の組み合わせによって性能や用途が異なります。
リチウムイオン電池のメリット
リチウムイオン電池は小型で大容量、繰り返し充電できることがメリットです。
スマホを始めとする多くの電化製品に使われており、EV(電気自動車)向けにも期待されています。
特にスマホの発展にリチウムイオン電池が寄与した点は大きく、2019年にはリチウムイオン電池の開発に貢献した吉野彰さんら3名がノーベル化学賞を受賞しました。
リチウムイオン電池のデメリット
一方でリチウムイオン電池は温度変化に弱く、高温で発火する危険性があることがデメリットとして挙げられます。
リチウムイオン電池のデメリットをなくした全固体電池などの次世代電池の開発も進んでいますが、未だ開発段階であるため、しばらくはリチウムイオン電池の優位は続きそうです。
今回注目するリチウムイオン関連銘柄としては、リチウムイオン電池を手掛ける電池メーカーはもちろん、リチウムイオン電池部材・部品やリチウムイオン電池製造装置を手掛ける銘柄も含まれます。
1-2.リチウムイオン関連銘柄はEV(電気自動車)の最注目テーマ株!
リチウムイオン関連銘柄は、EV関連で特に注目されるテーマ株となっています。
2020年秋には、世界的な環境政策重視の流れから、世界各国がEVシフトを進めるニュースが相次ぎました。
イギリスでは2030年までに、フランスでは2040年までに、中国では2035年までに、アメリカ・カリフォルニア州では2035年までに、カナダ・ケベック州では2035年までに、ガソリン車の新車販売規制を行うと発表。
日本でも、菅総理が2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると宣言しており、EVシフト待ったなしの状況です。
EVシフトの波は株式市場にも広がっており、アメリカのEV大手テスラモーターズの株価は急騰し、トヨタを追い抜いて自動車メーカーで世界1位の時価総額となりました。
日本の自動車メーカーはEVでは出遅れていることから、日本市場のEV銘柄としてはリチウムイオン関連銘柄が物色される傾向があります。
2020年10月から11月に掛けては世界的なEVシフトのニュースが相次いだことから、リチウムイオン関連銘柄は大きく買われたテーマ株となりました。
リチウムイオン関連銘柄は、日本株の最有力EVテーマ株として抑えておきましょう。
- リチウムイオン電池は、小型・大容量・繰り返し充電が可能な二次電池
- 2020年秋にはEVシフトのニュースが相次ぎ、EVテーマ株としてリチウムイオン関連銘柄が大きく買われた
2.リチウムイオン関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2-1.車載向けリチウムイオン電池に強い!【6752】パナソニック
総合家電大手の【6752】パナソニックは代表的なリチウムイオン関連銘柄です。
同社は車載向けリチウムイオン電池で世界シェアトップ争いをしており、アメリカのEV大手テスラモーターズ向けにもリチウムイオン電池を供給していることで知られています。
同社の株価は、2020年初めには1,014円を付けており、テスラの好業績にけん引される形で2月6日には1,264円まで上昇しました。
しかし、コロナショックの影響で3月23日には691.7円まで下落。
その後の反発も限定されており、1,000円をなかなか超えられない展開が続き、9月末時点の終値は888.8円に留まっていました。
しかし世界的なEVシフトのニュースが続いた2020年10月から11月に掛けては大きく上昇し、11月25日には一時1,145円まで戻しています。
2-2.EVシフトで急騰!【6955】FDK
富士通系の電池メーカー【6955】FDKは、2020年秋のEV相場で最も大きく買われたリチウムイオン関連銘柄の一つです。
同社の株価は、2020年年初には909円を付けていましたが、コロナショックでは3月23日に386円まで大暴落。
その後は反発したものの、1,000円前後で停滞していました。
EVシフトのニュースが相次いだ2020年11月下旬には急騰し、11月25日には1,450円まで上昇。
コロナショックからの2020年最大上昇率は+275%となっています。
EV相場となった2020年10~11月にはリチウムイオン関連銘柄は買われており、リチウムイオン電池を超えるバイポーラ型蓄電池を開発した【6937】古川電池や、リチウムイオン電池セパレーターを手掛ける【3891】ニッポン高度紙工業などが特に大きく上昇しました。
【6937】古川電池の2020年最大上昇率は+357%、【3891】ニッポン高度紙工業の最大上昇率は+200%となっています。
リチウムイオン関連銘柄の多くは、2020年3~9月までの新型コロナ相場では不調でしたが、EV相場となった2020年10~11月に大きく上昇してコロナショック前の株価を取り戻しています。
- リチウムイオン関連銘柄は、2020年3~9月の新型コロナ相場では不調だったが、EVシフトが相次いだ2020年10~11月には大きく買われた。
3.リチウムイオン関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【6752】パナソニック | 世界的リチウムイオン電池メーカー |
【6674】ジーエス・ユアサ | 車載向けリチウムイオン電池 |
【6937】古川電池 | 車載向けに強い蓄電池メーカー、リチウムイオン電池を超えるバイポーラ型蓄電池 |
【6955】FDK | 富士通系電池メーカー |
【6810】マクセル | 車載用リチウムイオン電池 |
【4080】田中化学研究所 | リチウムイオン電池正極材料 |
【4100】戸田工業 | リチウムイオン電池正極材料 |
【3891】ニッポン高度紙工業 | リチウムイオン電池セパレーター |
【6619】ダブル・スコープ | リチウムイオン電池セパレーター |
【6996】ニチコン | リチウムイオン蓄電システム |
4.オススメのリチウムイオン関連銘柄3選!
本格的なEV時代の幕開けに向けてオススメのリチウムイオン関連銘柄を抑えておきましょう。
4-1.【6752】パナソニック
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 総合家電大手。車載向け電池や住宅にも注力。 |
パナソニックは、車載向けリチウムイオン電池の世界シェアトップ争いをしている代表的なリチウムイオン関連銘柄です。
テスラモーターズ向けにリチウムイオン電池を提供している他、トヨタとの合弁会社「プライム プラネット エナジー&ソリューションズ」も車載用リチウムイオン電池を生産しています。
4-1.【4100】戸田工業
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 総合家電大手。車載向け電池や住宅にも注力。 |
戸田工業は、リチウムイオン電池正極材料に注力しており、リチウムイオン電池部材・部品関連銘柄として注目される銘柄です。
リチウムイオン電池正極材料に強い銘柄としては【4080】田中化学研究所とともに抑えておきましょう。
4-1.【6619】ダブル・スコープ
市場 | 東証一部 |
企業概要 | リチウムイオン電池セパレーター専業メーカー。 |
ダブル・スコープは、リチウムイオン電池セパレーター専業企業です。リチウムイオン電池部材・部品関連銘柄の中では最も出来高が大きい人気銘柄となっています。
リチウムイオン電池セパレーターを手掛けている銘柄としては、【3891】ニッポン高度紙工業とともにチェックしておきましょう。
5.まとめ
リチウムイオン関連銘柄は、2020年3~9月の新型コロナ相場では不調でしたが、EVシフトニュースが相次いだ2020年10~11月には大きく買われています。
【6752】パナソニックや【6674】ジーエス・ユアサ コーポレーション、【6955】FDKといったリチウムイオン電池メーカーが買われた他、【3891】ニッポン高度紙工業のようなリチウムイオン電池材料メーカーも大きく上がりました。
EVは注目テーマ株となっていますが、日本の自動車メーカーはEVでは遅れているため、今後も日本市場ではリチウムイオン関連銘柄がEVテーマ株の最右翼であり続けるものと見られます。
また、EVで出遅れている日本政府や自動車メーカーが今後どのようなEV戦略を打ち出すのかには注目が集まります。
EVシフトに関するニュースにはアンテナを張っておき、リチウムイオン関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
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