- 2019-11-25
- 銘柄選び

「暴落株を買ってみたいけど、どういう暴落株を選んで、どのタイミングで買えばいいのか分からない……」と、お困りではありませんか?
暴落株は高確率で反発することが期待でき、また長期投資をしている場合にはポジションを増やす絶好の押し目になることが多々あります。
しかし暴落株の選び方や買うタイミングを間違ってしまうと、さらなる暴落に巻き込まれて「落ちたナイフを掴む」ことにもなりかねません。
暴落株の買い時について抑えていきましょう!
目次
1. なぜ暴落時に株を買うのか?
暴落株を買うメリット・デメリットを抑えておきましょう。
1-1.暴落時に株を買うメリット
暴落株を買うメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
安く買える
何よりも暴落前に比べて、株を安く買える点が挙げられます。
特に長期投資をしている場合には、暴落は株を安く買い増しする絶好のチャンスになることが多々あります。
高確率で反発が期待できる
暴落したということは「多くの売りが出た」ということです。
株価は買いの方が売りよりも多ければ上昇し、売りの方が買いよりも多ければ下落します。
ただ永遠に上げ続ける株も、永遠に下げ続ける株銘柄もないように、需給状態はいつか必ず変化します。
株価が暴落して買いやすい価格にまで下がれば、今度は買いの方が売りを上回って大きな反発が期待できるようになるのです。
1-2.暴落時に株を買うデメリット
暴落時に株を買うデメリットには、以下のような点が挙げられます。
さらなる暴落に巻き込まれるリスクがある。
反発を期待して暴落株を買ったからといって、必ずしもそこから反発するとは限りません。
むしろ、「落ちたナイフを掴む」ことになってしまうことも少なくないのです。
例えば、-20%暴落した株が、そこからさらに-10%以上下落するようなケースは多々あります。
暴落時に株を買う行為は「逆張り」と呼ばれますが、逆張りは簡単なように見えて難しい手法です。
暴落株を買うときは、十分に暴落しきるまで待ってから買うことが重要となります。
そこまで大きな反発は期待できない
暴落株を買っても、そこまで大きな反発をすることはあまりないというのが実際のところです。
具体的なケースで考えてみましょう。
例えばある株が1,000円まで上昇したにも関わらず、800円にまで暴落していたとします。
このとき、反発を期待して800円で買ったとします。
ただその株が期待通りに反発したとしても、直近高値の1,000円を抜けるまで上昇することはほとんどありません。
なぜなら1,000円から800円にまで暴落したということは、反発する間に、その間の価格で買っていた人達の売りが入ってくるからです。
暴落前に株を高値で買っていた人達は、「損はしたくないから、せめてトントンで終わりたい……」と思っています。
すると850円で買った人達は850円になったら売りを出し、900円で買った人達は900円になったら売りを出し……と、暴落前にはなかった“抵抗ライン”が生まれることになります。
このような市場心理が働くため、暴落株が大反発して直近の高値を超えるには、より大きな買い材料が必要になるのです。
暴落株は、高確率で反発しやすいというメリットはあるものの、大きな反発はそれほど期待できないケースが多いと抑えておきましょう。
- 暴落株を買うメリット:安く仕込むことができる、高確率で反発が期待できる。
- 暴落株を買うデメリット:さらに下落するリスクがある、「やれやれ売り」が入るため大反発は期待できない
2.暴落銘柄はどのような株を買えばいいのか
暴落株を選定する基準や買い時について抑えておきましょう。
2-1.暴落銘柄を選定する基準
まずは「どのような暴落株」を選べばいいのかを抑えておきましょう。
そもそも「暴落」とひと言に行っても、2種類の暴落があります。
- 高値を更新している銘柄が、遂に高値を更新できなくなって暴落してしまうパターン
- 安値圏で停滞している銘柄に新しい悪材料が出るなどして、さらに暴落して安値を更新するパターン
心理的には後者の方が買いやすいと思ってしまいがちですが、安値をさらに更新するような暴落は、売りが売りを呼ぶ展開となり、いつ止まるか分かりません。
また安値圏では恐怖心から「誰もが早く売りたい心理状態」にあるため、売りに押されて反発がほとんど期待できません。
一方高値圏から暴落した場合は、売りがいったん収まれば、再び反発する可能性があります。
なぜならそのような銘柄の場合は、押し目を狙って安くなったら買おうと待っている投資家が多くなるためです。
つまり狙うべき暴落銘柄は「高値を更新して上昇している強い銘柄が暴落したケース」となります。
2-2.暴落銘柄の買い時
まず重要なのは、どのような株であろうと未来の株価展開を完璧に予想することは不可能だと認識しておくことです。
どのような指標やテクニカルツールを使ったとしても、完璧なタイミングで暴落銘柄を買うことはできません。
ただ一つの目安として、「ある株が高値を付けてから20~30%以上暴落したとき」が高確率で反発が期待できます。
「反発に乗り遅れたくない!」と焦って、高値から-10%程度まで落ちた所で買ってしまうと、さらなる暴落に巻き込まれてしまうケースが増えてきてしまいます。
暴落株を買う際に重要なことは、「さすがにこれ以上は下落しないだろう(売り手はいなくなっただろう)」という状態になるまで、“十分に引き付けてから買う”ことです。
十分に引き付けるまで待っていると、反発に乗り遅れて買えない場合も多々あります。
しかしなるべく「落ちたナイフを掴まない」ようにするためには仕方ありません。
なお暴落時の一つのテクニックとして、買いを分散させるというのは有効な方法です。
これは「逆ピラミッド」と呼ばれる手法となります。
例えば、-10%になったら500株買い、-20%になったら1,000株追加、-30%になったら2,000株追加するといったようにします。
- 暴落株で買うべきは、高値から暴落して反発が期待できる銘柄
- 「落ちたナイフを掴まない」ようにするため、暴落株は十分に引き付けるまで待ってから買うべき
3.暴落後上がらずにそのまま下がった場合の対処法
暴落株を買ったにも関わらず、そのまま下がってしまった場合の対処法について抑えておきましょう。
3-1.暴落後に下がってしまったら損切りするのが基本
高値圏から暴落した株を十分に引き付けてから買ったにも関わらず、その後に下がってしまうケースは当然あります。
こうなった際にできることは、早めの損切りしかありません。
損切りする価格の目安としては、「直近安値を下回った所」にするのがおすすめです。
暴落株がいったん反発したにも関わらず、暴落時に付けた安値を下回ってしまうと、多くの人が諦めて売りに出す展開になることが多くなってしまいます。
直近安値を下回って、暴落→反発というシナリオが崩れた時点で早めに損切りすることは、暴落投資における鉄則です。
3-2.ナンピンは非常にリスクがある行為
暴落株を買ってから、さらに下落してしまった場合には、株を買い増す「ナンピン」をしたくなってしまうことかと思います。
しかし暴落株をナンピンするのは非常に危険な行為です。
さらなる暴落に巻き込まれてしまったら、一発退場となってしまうリスクを抱えることにもなってしまいます。
暴落株がシナリオ通りの反発にならなかった場合には、損切りするのが基本です。
ナンピンはなるべくしないようにしましょう。
4.過去の暴落時、暴落後上がった銘柄とその理由
2019年にも、暴落後に大きく上がった暴落株が多数出現しています。
4-1.2019年秋の最強銘柄!【6584】三桜工業
同社は2019年9月初めに付けていた462円から、10月30日には2,050円まで急騰。
わずか2ヶ月で4.4倍となった大暴騰銘柄となりました。
しかし2,050円の高値を付けてから暴落が始まり、わずか3日で1,765円→1,365円→1,085円(終値ベース)まで暴落。
高値を付けてから3日で半値にまで暴落しました。
ただここからは反発しており、一時1,718円まで反発しています。
やはりこのケースでも重要なのは十分に引き付けることです。
もしも、高値から-10%程度暴落した所で買ってしまっていたら、暴落に巻き込まれていたことになります。
4-1.ニュースで暴騰後に暴落→大反発!【6166】中村超硬
太陽光パネルやウエハーなどの切断用ダイヤモンドワイヤを手掛ける【6166】中村超硬も、暴落後に反発した銘柄です。
同社は2019年10月17日引け後に、工業用途に利用されるゼオライトのナノ粒子化製造技術が科学技術振興機構(JST)に成功認定されたと発表。
翌日からストップ高を連発し、ニュース発表前に330円を付けていた株価は、10月30日には2,010円の高値まで急騰。
この期間には合計7回のストップ高になっています。
しかしその後は暴落となり、11月6日にはジャスト1,000円まで下げました。
1,000円まで下げてからは反発しており、11月11日には1,359円まで上昇しています。
こちらの銘柄でも、暴落後に十分引き付けてから買うことが重要であることが分かります。
5.まとめ
暴落株は安く仕込める絶好の押し目になることもありますが、銘柄選びや買い時には注意を払う必要があります。
暴落株を手掛ける際には、「さらなる暴落に巻き込まれるリスク」を小さくすることが重要です。
高値を更新して上昇している強い銘柄が暴落している場合と、停滞している弱い銘柄がさらなる暴落になる場合とでは、銘柄の性質が異なってきます。
強い銘柄の暴落を狙うようにしましょう。
また暴落はどこで止まるか分からないため、十分に引き付けてから買うことが何よりも重要です。
高値から-10%程度の下落では、暴落の始まりに過ぎない場合が多く、「落ちたナイフを掴む」ことになってしまいがちです。
売りがほとんど出尽くしたと思える所まで十分に引き付けてから買うようにしましょう。
暴落株の情報にはアンテナを張っておき、さらなる暴落に巻き込まれないように気を付けた上で暴落株を手掛けていきましょう。
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