- 2020-4-22
- IoT
2011年ごろからビッグデータは新たなテーマとして急速に注目され始めています。
人工知能やIoTといった一大テーマにも関わることから投資家としてはチェックしておくべき分野です。
ビッグデータはこれから拡大する成長市場ということもあり、関連銘柄への期待値も非常に高く、急騰銘柄も出始めています。
そんなビッグデータの注目銘柄や今後の展望を確認していきましょう。
1.ビッグデータの基礎と活用ビジネスをチェック
ビッグデータは株式投資でも注目され始めている分野ですが、まずは基礎から確認していきましょう。
1-1.そもそもビッグデータとは何か?
ビッグデータとは明確な定義があるわけではありませんが、簡単に言うと大容量のデータが積み重なったものと一般的に言われています。
ビッグデータ=「大容量のデータ」
データには様々な種類があり、それらのデータは膨大です。
インターネットの普及によってデータは日々膨大に増え続け、特にリアルタイム性のあるデータなどは管理できないことで見過ごされてきました。
しかし、情報通信技術の進化によりビッグデータが生まれ、それを活用することで膨大に膨れ上がった大容量のデータを保管、分析、解析が可能となります。
それにより、リアルタイムデータもビッグデータを活用し即座に管理、分析することで新たなビジネスとして利用できるようになります。
特にIoT(インターネットとモノが繋がる)では膨大なデータ管理が必要であることからも、ビッグデータは不可欠なものとなります。
1-2.ビッグデータは株価予想にも活用されている
では、そのビッグデータがどのようなビジネスで活用されているのか見ていきます。
既に利用しているWebサービス業者を例に見ると分かりやすいです。
Web検索サービスなどによって得られた膨大なデータを基に、ビッグデータを利用して広告などのビジネスをしています。
世界で18億人が利用するSNSですが、この膨大な会員データを基盤にビッグデータを活用して広告などで収益を上げています。
| Amazon
ネットショップでも、会員のデータや購買履歴などのデータを元にビッグデータを利用し、おすすめ商品などを提示することで会員に購買意欲を高めさせています。
このように、海外の大手企業を中心にビッグデータは積極的に活用され、収益を伸ばしています。
また、投資の世界でもこのビッグデータを活用し、株価予測として利用しているファンドなどがあります。
株価予測システムとして、新聞やインターネットなどの企業ニュースデータをビッグデータで活用し、投資テーマを選定、株価動向の動きも分析することで積極的な運用を目指しています。
更に、Twitterを利用した株価予想を行う手法もあります。
ツイートされた膨大な言葉を元に、株価との関係を調べそれを投資に活かすというものです。
事故やニュースなどのツイート情報もビッグデータを活用することで、マスコミよりも早い情報収集が可能となり、素早い判断材料として活用できるようです。
Twitterを利用した株価予想は、アメリカの論文でダウ平均株価の動きを87.6%説明できたと発表しているので今後投資の世界でも発展していきそうです。
このように、ビッグデータは世界の大手企業や株式投資の世界でも活用されており、市場規模として年27%のペースで成長していますので、注目度は高いです。
1-3.コロナウイルスの収束のカギとなる
新型コロナウィルス相場の中で、ビッグデータが大きな注目を集めており、ビッグデータ関連銘柄は密かに大きな上昇を続けています。
新型コロナウィルス対策においては、大手IT企業が提供するビッグデータが重要な役割を果たしており、特にGoogleが公開している世界各国の人々の活動動向のビッグデータは必見です。
Googleが提供するビッグデータによると、都市封鎖(ロックダウン)が行われた欧米各地では活動量が明らかに低下しており、自粛要請を受けた日本でも減少しています。
ただ、日本では3月下旬の3連休のタイミングで人手が増加していることがビッグデータでも分かっており、その後の感染拡大に繋がったものと見られます。
また日本では厚生労働省とLINEが共同で全国健康調査を行い、2,500万人以上のユーザーが回答しました。
ビッグデータの活用は、人類が新型コロナウィルスを乗り切るカギとなることは間違いありません。
AIベンチャーを中心としたビッグデータ関連銘柄は新型コロナウィルス相場で上昇しており、代表的なビッグデータ関連銘柄である【3906】ALBERTは3月中旬の安値から2倍以上の反発となっています。
- 情報通信技術の進化により膨大なデータを解析できるビッグデータが生まれた
- 大手企業や投資の世界でもビッグデータは活用されている
2.IoTを支えるビッグデータの将来の展望
IoTや人工知能を支えるビッグデータですが、投資対象として考える場合今後どのような展望が望めるのか考えていきます。
2-1.国策のビッグデータ
まずビッグデータは国の成長戦略「革新的な新産業・新サービスの創出と全産業の成長を促進する社会」で活用を促進していくと力を入れています。
国土交通省での活用としては、平成24年に開通した東京港臨海道路で利用されています。
内橋に多数のセンサーをつけることで橋のひずみや振動などを常に検知しデータとして蓄積。
それらのデータを元に橋の破損状況などを確認できることで、安全に利用できる道路を目指しています。
また、ビッグデータをリアルタイムに活用し
- 交通渋滞の緩和
- 医療の充実
- 犯罪抑止
- 電力網
といった社会的課題の解決や社会インフラの効率的運用にも効果を期待し、取り組むとされています。
これらのように、国も力を入れた国策銘柄でもあることからビッグデータは一大テーマとして注目できます。
2-2.世界のデータ量は大規模に増加中
ビッグデータの将来を予測する上で、現在のデータ量の増加を知ることが重要です。
世界のデータ量を調べると人類がこの世に現れてから2000年までに残したデータ量は12EB(エクサバイト)と言われていますが、インターネットなどの情報通信が普及すると爆発的にそのデータ量を増やしています。
その要因として挙げられるのがSNSや動画サイトの利用者増加などがあります。
- Twitterは1日に約2億件のつぶやきがある
- Facebookでは毎月75億枚の写真が投稿されている
- Youtubeでは毎分45時間分の動画がアップされている
それらの要因もありデータ量が爆発的に増加しています。
2011年のデータ量としては1.8ZB(ゼタバイト)とされており、
2020年には44ZB(ゼタバイト)までそのデータ量は膨れ上がるとされています。
このデータ量単位については見慣れない為、よく分からないと思いますので簡単に説明致します。
まず、2時間映画1本が平均で10GB(ギガバイト)です。
44ZB(ゼタバイト)をGB(ギガバイト)にすると440兆GBとなり、映画44兆本分となります。
つまり、数え切れないようなとんでもないレベルでデータ量が増えるということです。
これだけのデータ量が2020年には利用されるとの予測がありますので、ビッグデータは絶対的に必要で、その需要は爆発的に拡大するでしょう。
- ビッグデータは国策として様々な分野で利用され始めている
- 今後データ量は爆発的に増えることからもビッグデータは必須になる
3.ビッグデータとIoTの強力ダッグで一大テーマへ
ビッグデータは様々なテーマとの繋がりを見せる他、関連銘柄は高い倍率を見せています。
3-1.IoT×人工知能×ビッグデータ
IoT、人工知能の発展にも重要な位置づけのビッグデータは、その市場規模を拡大しています。
IoTでは、あらゆるモノがインターネットに繋がりそれらを操作、制御していけるようになります。
あらゆるモノが増えれば増える程、そのデータ量は膨大に膨れ上がるので、ビッグデータ無しでは不可能とも言えます。
ビッグデータによって膨大なデータを保管でき、人工知能が分析や解析をすることでIoTとして機能します。
このように、ビッグデータは今後のIoT時代に合わせ重要なポジションを担っています。
また、それらのことからビッグデータは人工知能をはじめ、様々な関連銘柄との繋がりがあることで好材料を掴みやすい特徴があります。
それにより、株価上昇を見せる銘柄があります。
例えば、【6172】メタップス
2016年10月に、人工知能関連銘柄が物色されている中、売り上げ急拡大と好決算を発表したことで、人工知能を活用したビッグデータ解析を手掛ける同社は連日ストップ高を記録。
その後も人工知能関連銘柄がテーマ株として物色される中、同社株も材料を増やし上値を更新。
約3ヵ月で+300%の株価上昇を見せました。
ビッグデータは多くの分野と関連しており、一大テーマである人工知能やIoTとの繋がりが大きい為、期待値は非常に高いと言えます。
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3-2.医療×ビッグデータ
医療にもビッグデータの波が押し寄せています。
医療は個人情報の扱いが難しかったため、ビッグデータの利用が遅れていましたが、データを匿名化にする技術が生まれ商機が訪れました。
日立製作所(6501、東1)と第一生命(8750、東1)は2018年3月、医療ビッグデータ分析のイノベーション創出事業で連携すると発表。
顧客の健康状態が収益に大きな影響を及ぼす生保会社と、ビッグデータの扱いに慣れたIT企業がタッグを組んだわけです。
日本システム技術(4323、東1)が開発した医療ビッグデータ解析システム「JMICS」は、医療保険事業の改革に取り組む自治体や健康保険組合が利用しています。
メディカル・データ・ビジョン(3902、東1)は医療情報の収集と分析を得意とする会社で、すでに約2,500万人分の患者情報を保有しています。
医療用ビッグデータについては、ようやく法整備が動き始めました。
医療ビジネスは国の規制が強く、急成長は難しい分野ですがその分、この市場で地位を獲得すれば「長く稼ぐ」ことができます。
医療ビッグデータ銘柄を狙う個人投資家も、中長期的な視野が求められます。
3-3.ビッグデータ関連銘柄の動向
ビッグデータ関連の86銘柄を、2017年6月28日以降の安値~2018年6月28日までの倍率を算出。
その結果、去年比平均で1.7倍の上昇がありました。
倍率上位TOP5(2017年6月28日以降の安値~2018年6月28日)
ランキング | 証券コード | 銘柄 | 倍率 |
1 | 3808 | OKウェイヴ | 16.7倍 |
2 | 3906 | ALBERT | 8.83倍 |
3 | 3655 | ブレインパッド | 4.31倍 |
4 | 3054 | ハイパー | 4.2倍 |
5 | 9753 | IXナレッジ | 3.7倍 |
去年比で3倍以上の株価上昇を見せております。
86銘柄中、51銘柄はプラス成長と6割を超える銘柄が上昇。マイナスは35銘柄。
これらの上昇には人工知能関連銘柄やIoTといった、関連銘柄の注目度が上がったことも要因としてあります。
それに伴い、ビッグデータ関連銘柄全体が高い倍率となっていますので今後も注目です。
- IoT、人工知能と密接に繋がるビッグデータは注目度大
- 関連銘柄は高い倍率を見せており今後も期待値が高い
4.ビッグデータ関連銘柄をピックアップ!
4-1.【3914】ジグソー
市場 | 東証マザーズ |
業績 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | 安川情報システム、NTTデータ |
注目ポイント | 2016年には株価が約6倍もの上昇を見せた |
同社はIoTビッグデータをベースとした自動運用サービス、ネット環境の自動監視システムなどを手掛けております。
ビッグデータを得意とする同社は人工知能やIoTなどの関連銘柄とも繋がっていることから注目です。
2016年には株価が約6倍もの上昇を見せたこともあり、ポテンシャルが高い銘柄です。
4-2.【3925】ダブルスタンダード
市場 | 東証マザーズ |
業績 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | ロックオン、ブレインパッド |
注目ポイント | 新たなサービスを提供や業績も順調 |
2012年の創業の同社ですが、顧客関連データや官公庁などのデータから収集したビッグデータから独自のアルゴリズム処理を行い、新たなサービスを提供しています。
また、業績も順調でビッグデータ関連銘柄としては本命視できる銘柄です。
4-3.【3666】テクノスジャパン
市場 | 東証一部 |
業績 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | ALBERT、野村総合研究所 |
注目ポイント | ZMPやフィスコと提携するなど話題性も豊富 |
同社はITコンサル、ビッグデータ事業に注力しており、ZMPやフィスコと提携するなど話題性も豊富です。
子会社が統計アルゴリズムを活用した人工知能「scorobo」製品を発表するなど、人工知能関連としても注目です。
値動きも軽い銘柄の為、注目度が集まれば大きな上昇も期待できそうです。
4-4.【4323】日本システム技術
市場 | 東証一部 |
業績 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | アイル、日本サード・パーティ |
注目ポイント | 医療系のビッグデータは期待を集めている |
同社は医療系のビッグデータを活用しています。
提供するサービスは保険者の取り組みを広範囲に支援するものとして期待を集めている。
また、東大と医療ビッグデータを活用した共同研究を開始すると発表しており、ビッグデータ関連として今後が注目の銘柄です。
5.まとめ
ビッグデータは今後IoTや人工知能の発展などにより大きく拡大していくでしょう。
多くの業種に絡んでいることや成長市場ということもあり、新たな材料が豊富に出てくることにも期待できます。
関連銘柄の動きも好調なため、早めにチェックしておくべきセクターです。
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