- 2019-10-18
- インフラ
ワークマンは2.5倍!イトーヨーギョーは3.4倍!
2019年9月に千葉県で大きな被害をもたらした台風15号、翌月に日本中に甚大な被害をもたらした台風19号と、日本では台風被害が相次いでいます。
株式市場でも台風被害の拡大による影響が出ており、電線地中化を手掛ける銘柄を中心に防災関連銘柄が大きく買われています。
地震や台風への備えを万全にしておくとともに、防災関連銘柄に注目していきましょう!
目次
1.防災関連銘柄とは?
千葉県に大きな被害を及ぼした台風15号や台風19号を受けて、防災関連銘柄に大きな注目が集まっています。
1-1.防災関連銘柄とは?
防災とは地震や台風などの災害に備えて、被害を軽減するために行われる取り組みのことです。
「災害対策」とも呼ばれます。
地震大国の日本ではこの10年間で見ても、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2017年の北海道胆振東部地震と、ほぼ3~4年に1度のペースで巨大地震が発生しています。
今後警戒されているのは、首都直下地震および南海トラフ巨大地震の発生です。
特に南海トラフ巨大地震によって発生する巨大津波は、日本経済に甚大な被害を及ぼすことは間違いなく、官民一体となった対策が急務となっています。
また日本は地震大国であると同時に、台風大国でもあります。
2018年7月の西日本豪雨では200人以上の犠牲者を出し、2019年9月の台風15号では多数の電柱が倒れ大規模停電が発生するなど千葉県を中心に大きな被害となりました。
そして2019年10月に日本に上陸した台風19号も、日本各地に大きな爪痕を残すことになりました。
今回注目する防災関連銘柄は、地震や台風による被害を軽減するための事業を手掛けている銘柄の総称です。
また防災関連銘柄は地震や台風が発生すると買われる傾向があるため、やや不謹慎なテーマ株だとも言えます。
1-2.防災関連銘柄にはどのような銘柄があるのか?
防災関連銘柄には、具体的にどのような事業やセクターを手掛けている銘柄が多いのかを見ていきましょう。
まず防災関連銘柄の代表格とも言えるのが、耐震工事や堤防建設といった防災インフラ整備に関わる建設・土木セクターです。
建設・土木セクターは、2020年東京オリンピックによる建設特需が一段落することになるため、今後はより一層、防災や国土強靭化関連銘柄としての側面が強くなるものと見られます。
次に千葉県で大きな被害を出した台風15号で大きな注目を集めているのが、電柱や電線を地面に埋め込む電線地中化を手掛けている銘柄です。
電線地中化は、台風被害だけではなく地震被害も大きく減らせるため、防災への切り札としても注目を集めます。
この他にも火災警報器や防災無線などの防災機器を手掛けている銘柄、台風情報や地震情報といった災害情報サービスを手掛けている銘柄、耐震コンサルティングや地盤調査を手掛けている銘柄など、
防災関連銘柄は多岐に渡ります。
また、相次ぐ自然災害によって個人の防災意識が高まっていることから、防災服や防災グッズを手掛けている銘柄も抑えておきましょう。
- 2018年の西日本豪雨や2019年の台風15号・台風19号などを受けて、防災関連銘柄への注目が高まっている
- 防災関連銘柄としては、建設株や電線地中化、防災機器を手掛けている銘柄などに注目
2.防災関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
大きく上昇している防災関連銘柄を見ていきましょう。
2-1.台風被害を受けて電線地中化に注目が集まる!【5287】イトーヨーギョー
2019年9月に千葉県で大きな被害を出した台風15号、2019年10月に日本各地に大きな爪痕を残した台風19号と、
2つの台風被害によって電線地中化が投資家の間で大きな注目を集めています。
電柱や電線を地面の下に埋め込むことにより、電柱が倒れたり電線が切れたりといった被害を減らすことに大きく貢献すると期待されるためです。
台風被害を受けて大きく買われている銘柄としては、無電柱化を実現する製品「D.D.BOX」「S.D.BOX」を手掛けている【5287】イトーヨーギョーが挙げられます。
同社は、台風15号によって千葉県で大量の電線が倒れる被害が出たことで、電線地中化への期待が高まり大きく買われました。
同社の株価は、台風15号の被害が出る前の2019年9月初めには710円を付けていましたが、台風15号で電線地中化への期待が高まったことから、9月には一時1,021円まで急騰。
さらに、超巨大台風である台風19号が日本に上陸するというニュースを受けてストップ高を連発。
台風19号上陸前日の10月11日には2,455円まで暴騰しました。
非常に不謹慎な株価動向ではありますが、
台風15号と台風19号を受けて、わずか1ヶ月で同社の株価は3.45倍(+245%)という驚異的な値上がり率となっています。
2-2.防災服大手の成長企業!【7564】ワークマン
続いて長期的に上昇している防災関連銘柄を見ていきましょう。
作業服チェーン店「WORKMAN」を展開する【7564】ワークマンは、防災服を手掛けていることから防災関連銘柄としても期待されます。
同社は防災服はもちろん、猛暑に強い夏物衣料や梅雨時のレインコードなどニーズに合った衣服を手掛けていることから、アパレル不況と言われる中で業績を拡大しています。
同社の株価は、2019年1月には3,580円を付けていましたが、業績・株価ともに右肩上がりとなっており、2019年10月には9,280円まで上昇。
上場来高値を更新しています。
2019年に入ってからの上昇率は最大2.59倍(+159%)となっており、今後どこまで株価が上昇するのか期待です。
- 千葉県に大きな被害をもたらした台風15号によって電線地中化を手掛けている銘柄が買われることに
- 防災関連銘柄としても知られるワークマンは長期的な上昇を遂げている
3.防災関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【1833】奥村組 | 中堅ゼネコン、免震技術に定評がある |
【1881】NIPPO | 道路舗装大手 |
【1883】前田道路 | 道路舗装大手 |
【4748】構造計画研究所 | 独立系システムインテグレーター、防災コンサルティングを手掛ける |
【4825】ウェザーニューズ | 気象情報サービス「ウェザーニュース」 |
【5287】イトーヨーギョー | 電線地中化を実現する製品「D.D.BOX」「S.D.BOX」 |
【5290】ベルテクスコーポレーション | 電線地中化を実現する電線共同溝(C・C・BOX)技術 |
【6744】能美防災 | 総合防災機器大手 |
【6745】ホーチキ | 総合防災機器大手 |
【7564】ワークマン | 作業服チェーン店「WORKMAN」、防災服に強み |
4.オススメの防災関連銘柄3選!
おすすめの防災関連銘柄を3銘柄見ていきましょう。
4-1.【5290】ベルテクスコーポレーション
市場 |
東証二部 |
備考 |
カルバートやマンホールなどのコンクリート二次製品を手掛ける |
ベルテクスコーポレーションは、電線地中化に欠かせない電線共同溝(C・C・BOX)技術を所有していることから、【5287】イトーヨーギョーとともに電線地中化で注目されています。
また、同社は土砂災害や落石から地域と人を守る防災事業も手掛けており、電線地中化を差し引いても防災関連銘柄に位置付けられます。
4-2.【6744】能美防災
市場 | 東証一部 |
備考 |
国内首位の総合防災機器メーカー |
国内トップの総合防災機器メーカーである能美防災は、防災関連銘柄として外すことはできません。
防災関連銘柄として東証一部の安全な銘柄に長期投資したい方には、同社か防災機器2位の【6745】ホーチキをおすすめします。
能美防災・ホーチキともに、東日本大震災からの8年間で株価は5倍以上に上昇している成長株です。
4-3.【1833】奥村組
市場 | 東証一部 |
東証マザーズ備考 |
大阪を拠点とする中堅ゼネコン。トンネル関係に強みを持つ |
建設株は防災関連銘柄を代表するセクターですが、東京オリンピック特需が一段落したこともあり、全体的に株価はさえない値動きとなっています。
奥村組は、道路や鉄道などのトンネル関係に強い中堅ゼネコンで、地震による構造物への被害を減少させる免震構法に定評があります。
地震に強い建設株としておすすめです。
ただ、建設株は全体として下落傾向にあることを念頭に置いておきましょう。
防災関連銘柄に長期投資するなら、建設株ではなく、能美防災かホーチキがおすすめです。
5.まとめ
千葉県に大きな被害をもたらした台風15号によって、防災効果が期待される電線地中化を手掛けている銘柄に大きな資金が流入してきています。
ただ、電線地中化は長期的に買われ続けるテーマになるかどうかは未知数です。日本が世界的に遅れている電線地中化が進むかどうかは投資家にとって大きな関心事になっていますが、進まない可能性もあるためです。
一方で、防災機器大手の能美防災やホーチキ、防災服を手掛けるワークマンなどは長期的に株価が値上がりしています。
防災関連銘柄としては、投機やトレードをしたいなら電線地中化を手掛けている銘柄がおすすめですが、長期的な投資をしたい場合は東証一部の成長株がおすすめです。
日本政府の防災対策に関するニュースにはアンテナを張っておき、防災関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
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