- 2019-1-12
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日本は国土の半分が「豪雪地帯」に指定されています。
豪雪地帯には約2,000万人の方が生活を営んでおり、冬には雪害対策に苦労しています。
他方で、雪による被害は豪雪地帯に留まりません。
東京都心においても、降雪によって交通網がストップしたり、事故が発生したりと多くの被害が発生しています。
こうした日本特有の気象条件を背景に、様々な雪害対策の商品・サービスを提供している企業が存在します。
今回はこれら企業を「大雪」関連銘柄として、株価動向やその背景について分かりやすくご紹介したいと思います。
目次
1.「大雪」関連銘柄に期待
「大雪」関連銘柄とは、雪害対策としての商品・サービスを提供している企業を指します。
1-1.「大雪」関連銘柄とは?
首相官邸のHPには、防災関連の一部に雪害に関する情報が取りまとめられています。
同HPによると、日本では24都道府県・532市町村が豪雪地帯に指定されており、国土に置き換えると、日本の約半分が豪雪地帯と言われているのです。
また、大雪による被害を受けるのは豪雪地帯の住民だけではありません。
スキーやスノーボードなどのレジャー、観光目的で訪れる多くの人々も、危険な目に遭うかも知れないのです。
最近では、東京都心での降雪によって交通網への被害が報道されていますが、
東京では2018年1月に積雪が20センチを超えて、鉄道網の乱れやスリップ事故などの多くの影響を及ぼしました。
頻度は少ないものの、東京に暮らしている場合でも雪害対策は重要なものと言えるでしょう。
そうした需要に対し、様々な商品・サービスを提供している企業が存在します。
雪害対策は被害の最小化あるいは早期の復旧を行うために重要であり、社会的にも重要な存在です。
ここでは、それら企業を「大雪」関連銘柄としてご紹介していきたいと思います。
1-2.なぜ「大雪」関連銘柄は株価が上昇するのか?
「大雪」関連銘柄が株式市場で注目されている理由は、需要量の増加です。
需要には大きく2つあります。
大雪が降ったことによって発生する実需
大雪が降った際に必要となる商品として代表的なものは、雪かき用のスコップでしょう。
豪雪地帯の人々は既に買ってあるケースが多いかと思いますが、非豪雪地帯においては備えが万全では無い可能性があります。
大雪が降ったことをきっかけとして雪関連の商品を買いに行く人が多いのではないでしょうか。
準備・対策関連の需要
ある地域で大雪による被害がニュース等で報じられると、準備・対策の文脈で雪関連の商品を購入する人が増えるのです。
「明日は我が身」ということでしょう。
実需と対策需要が相まって「大雪」関連銘柄にとっては売上高が増加する機会となります。
一過性とは言え、販売数量が増加することは業績面に好影響をもたらす期待感から、株式市場で注目度が高まることが想定されるでしょう。
- 「大雪」関連銘柄とは、雪害対策としての商品・サービスを提供している企業のことを指す
- 大雪の実需と対策需要によって「大雪」関連銘柄の売上高が増加する
2.「大雪」関連銘柄の推移
過去に上昇した関連銘柄と、その上昇理由を見ていきましょう。
2-1.雪かき需要増加期待から株価が上昇
【5962】浅香工業は大雪関連の銘柄の1つです。
同社は、ショベルやスコップや除雪用品を製造・販売している企業です。
創業は約350年前と歴史が古く、「金象印」のブランドで認知されています。
同社は農業用のショベルやスコップの他に、除雪用のスノーカートや雪落としなどを手掛けており、大雪が降った際に需要が高まる製品を数多く販売しています。
そのため記録的な大雪が降った際には、実需と対策需要の観点から注目度が高まりやすい銘柄と言えるでしょう。
実際2018年1月22日に関東地方で大雪が降った際には、同社の株価は前日に対して最高で11%程度一気に上昇しました。
1日の上昇幅としてはかなり大きな上昇率であり、大雪関連銘柄として株式市場で認知されていることを表しています。
これから雪シーズンが本格化しますので、今年も同社が注目される可能性があります。
気象情報を注意深くウォッチすることで、大きなリターンを獲得出来るかも知れません。
2-2.雪対策のカー用品需要増加期待から株価上昇
2つ目にご紹介したいのが、【9882】イエローハットです。
同社の名前はテレビCMでお聞きになったことがあるのではないでしょうか。
カー用品を中心に全国規模で販売を行っている企業です。
決算説明会資料によると、2018年9月末時点で国内店舗数が717店舗とカー用品でトップクラスのシェアを誇っています。
大雪が降った場合、スリップ事故を防止する必要がありますので、自動車タイヤ用のチェーンの需要が増加します。
また、積雪時や路面凍結時などに対応するスタッドレスタイヤも店舗では取り扱っています。
大雪が降ると実需として売上が増加する他、そうした報道を受けて雪対策で関連商材を購入する人が増えますので、イエローハットも大雪関連銘柄と言えるでしょう。
2018年1月22日の株価は、前日比で2.4%上昇と浅香工業ほどの上昇はしていないものの、比較的大きな上昇率となっています。
今後も大雪が降った際には、株式市場から高い注目を集める可能性があるでしょう。
- 大雪が降ったことで売上高が増加する企業は注目が集まりやすい
- 特に大雪が降った日は株価が大きく反応しやすい
3.「大雪」関連銘柄
銘柄 | 備考 |
【5962】浅香工業 | ショベル、スコップなどの農作業用品を製造・販売しており「金象印」で有名。除雪関連の商品も多く取り扱っている。 |
【9882】イエローハット | カー用品を全国規模で展開。一部海外でも店舗網を有する。車検やサービス事業の拡充に注力。雪対策用品を販売。 |
【9832】オートバックス | カー用品の販売で全国規模で展開。国内でトップクラスのシェアを有する。雪対策関連の用品を販売。 |
【7508】G-7ホールディングス | オートバックスと業務スーパーを中核として展開するフランチャイジー。オートバックス店舗では雪関連の商品を販売。 |
【3190】ホットマン | イエローハットを中心にTSUTAYA・アップガレージ・カーセブンなどを展開するフランチャイジー。イエローハット店舗で雪関連の商品を販売。 |
【8218】コメリ | 新潟地盤でホームセンターを展開。大型店の「パワー」など3業態でドミナント展開を行う。雪関連の商品を店舗で販売。 |
【8168】ケーヨー | ケーヨーデイツーのブランドで首都圏中心にホームセンターを展開。小商圏型の店舗などが好評。雪関連の商品を店舗で販売。 |
【6390】加藤製作所 | 油圧ショベルやトラッククレーンなどの建設用機械を製造・販売。手掛ける製品の中にはスノースイーパも含まれている。 |
【8085】ナラサキ産業 | モーターなどの電機設備やコンクリートポンプ車などの建築設備を手掛ける。建設機械関連事業では除雪車なども製造している。 |
【7450】サンデー | イオングループ企業で東北を中心にホームセンターを展開。店舗では雪関連の商品を販売している。 |
4.おすすめ「大雪」関連銘柄
では、最後に注目すべき「大雪」関連銘柄を紹介します。
4-1.【3918】PCIホールディングス
市場 | 東証一部 |
業種 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | ソーバル・アドソル日進、DIT |
企業概要 | 自動車・重機向けに組み込みソフトウェアを開発している企業です。 |
位置情報を活用した除雪などの研究開発を進めている。
4-2.【3191】ジョイフル本田
市場 | 東証一部 |
業種 | 小売業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | オリンピック、島忠、バローHD |
企業概要 | 茨城県地盤のホームセンターで巨大な店舗運営力が強みです。 |
関東で大雪があった際、特需の恩恵を享受する可能性がある。
- 今後除雪関連に参入する企業は大雪の際一気に注目度が高まる可能性
- 関東の大雪の際に特需を享受する企業には注目が集まりやすい
5.まとめ
大雪が降ると人々の生活に大きな影響を及ぼします。なかには日常生活に被害を受ける方もいるでしょう。
そうした被害を最小化するために、様々な商品・サービスを提供しているのが「大雪」関連銘柄です。
彼らの存在によって、早期の復旧が可能になっていると言えるでしょう。
また、株式市場では大雪が降った際には注目度が一気に高まり、売上増加期待から株価が上昇します。
しかし一方で、大雪による一過性の需要増加であることから、株価上昇は短期的に留まる可能性には注意が必要です。
短期的なリターン獲得を狙う場合などに、「大雪」関連銘柄に着目すると良いかも知れません。
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