- 2019-9-24
- テクノロジー
野村総合研究所は+69%!インタートレードは+368%!!
日本のITインフラが老朽化し、保守管理する人の退職が重なる「2025年の崖」が懸念されていますが、
ソフト・システム開発関連銘柄には特需が到来するかもしれません。
ITインフラの老朽対策と同時に、AIやIoT、5Gといった最新テクノロジーへの対応が迫られる企業はIT投資を活発化。
ソフト・システム開発関連銘柄は業績・株価ともに堅調です。
今回はソフト、システム開発関連銘柄に注目していきましょう!!
目次
1.ソフト、システム開発関連銘柄とは?
ITインフラの老朽化と技術者の退職が重なる「2025年の崖」を前に、ソフト、システム開発関連銘柄が注目を集めています。
1-1.ソフト、システム開発関連銘柄とは?
ソフト、システム開発関連銘柄とは、ソフト開発や情報システムの構築を行い、ビジネス業務の仕組みを作る事業を手掛けているIT企業セクターのことです。
日本のシステムインテグレーターは、日立やNECなどのメーカー系、グループ企業の案件を請け負うユーザー系、親会社を持たない独立系の3つに分類されます。
ソフト、システム開発関連銘柄は、情報システムの企画・構築・運用を手掛けるシステムインテグレーター(SIer)を中心に、関連銘柄数は400銘柄近くに及ぶ巨大セクターです。
また日本のシステムインテグレーターは、アメリカなどの海外とは違いがあります。
日本のシステムインテグレーターは大手が受注した業務を下請けの会社に委託する垂直統合型が多いです。
この構造は「ITゼネコン」とも呼ばれています。
海外のシステムインテグレーターは水平分業型になっていますので、日本と海外ではこのような違いあるのです。
日本からはアメリカのGAFAや中国のBATなどの、世界的IT企業が生まれないことが度々指摘されていますが、労働集約型の日本のIT構造に原因があると指摘されることも少なくありません。
残念ながら日本のソフト、システム開発関連銘柄には、GAFAのような国際競争力はないということが現状です。
しかし、業績を拡大して株価が順調に推移しているソフト、システム開発関連銘柄は多く、日本のITインフラを支える内需株として有望なセクターとなっています。
1-2.国内のITインフラが老朽化する「2025年の崖」とは?
2019年は、新元号「令和」への改元や消費税10%増税など、ソフト、システム開発関連銘柄にとって追い風となる出来事が相次ぎましたが、マーケットでは「2025年の崖」と呼ばれる次なる材料に期待が高まっています。
現在多くの日本企業では、基幹系システムや情報システムの老朽化が問題になりつつある一方、IoTやAI、5Gといった最先端のデジタルテクノロジーへの対応に迫られています。
特に2025年には企業のITインフラの老朽化とサポート終了、保守を担当する技術者の退職時期が重なる見通しです。
これは「2025年の崖」と呼ばれ懸念されています。
経済産業省によると、「2025年の崖」による経済損失は、最大12兆円にも上ると予測されています。
企業のITシステムの保守管理コストがかさむだけならまだしも、
老朽化したシステムを使い続けることによって、AIや5Gといった最先端テクノロジーに対応できなくなってしまうことは企業にとって致命的です。
このような背景から、国内の多くの企業はIT投資を活発化させており、ソフト、システム開発を手掛ける企業にとっては大きなビッグチャンスが到来しています。
- ソフト、システム開発関連銘柄とは、ソフト開発や情報システムの構築を行うIT企業セクター
- 日本のソフト、システム開発関連銘柄には国際競争力はない。内需株として抑えておこう
- 日本企業のITシステムが老朽化する「2025年の崖」を前に、企業のIT投資が活発になっている
2.ソフト、システム開発関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2019年に大きく上昇している.ソフト、システム開発関連銘柄を見ていきましょう。
2-1.LINE証券にシステム導入で急騰!【3747】インタートレード
証券会社向けディーリングシステムの開発を手掛ける【3747】インタートレードは、2019年に特に大きく買われているソフト、システム開発関連銘柄です。
同社は、長らく200円から400円の価格帯で推移していた低位株でした。
しかし2019年8月23日に、LINE証券向けに金融商品取引向けシステム「Spider」を納入したと発表。
このニュースに対して投資家の資金が殺到しました。
同社の株価は、ニュース発表前日の2019年8月22日には301円を付けていましたが、ニュースを受けてストップ高に。
株価は上昇を繰り返し、9月18日には1,409円にまで上昇!
ニュース発表から1ヶ月足らずで、最大4.68倍(+368%)の暴騰となっています。
2-2.ユーザー系Sierの代表格!【4307】野村総合研究所
ユーザー系システムインテグレーター大手の【4307】野村総合研究所は、ソフト、システム開発関連銘柄を代表する銘柄です。
同社は、野村證券向けの情報システムを始めとする金融業向けシステム構築に強みを持ち、また日本郵政グループのシステムを手掛けるなど流通業にも強みを持つことで知られています。
同社の株価は、2019年初めには1,326.7円を付けていましたが、2019年に入ってからは一貫して上昇し続けており、
2019年9月には2,253円の高値を付けています。
2019年に入ってからの上昇率は最大+69%となっており、上場来高値を現在進行形で更新中です。
2019年には上記2銘柄以外にも【2327】日鉄ソリューションズや【6701】NEC、【4768】大塚商会など、ソフト、システム開発関連銘柄は多くの銘柄が軒並み大きな上昇となっています。
- 2019年には、ソフト、システム開発関連銘柄は多くの銘柄が上昇している
3.ソフト、システム開発関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【2327】日鉄ソリューションズ | 新日鉄グループのユーザー系システムインテグレーター |
【4307】野村総合研究所 | 金融・流通業に強みを持つユーザー系システムインテグレーター |
【4739】伊藤忠テクノソリューションズ | 伊藤忠商事系のシステムインテグレーター |
【4768】大塚商会 | 中小企業に強みを持つ独立系システムインテグレーター |
【6701】NEC | メーカー系システムインテグレーター |
【6702】富士通 | メーカー系システムインテグレーター |
【8056】日本ユニシス | 金融や流通分野に強みを持つ独立系システムインテグレーター |
【9613】NTTデータ | 官公庁向けに強みを持つ独立系システムインテグレーター |
【9719】SCSK | 住友商事グループのシステムインテグレーター |
【9749】富士ソフト | 組み込みソフトに強い独立系システムインテグレーター |
4.オススメのソフト、システム開発関連銘柄3選!
2020年以降に向けておすすめのソフト、システム開発関連銘柄を3銘柄見ていきましょう。
4-1.【6702】富士通
市場 |
東証一部 |
備考 |
総合電機・ITベンダー大手。官公庁向けのITサービスに強みを持つ |
メーカー系システムインテグレーター大手の富士通は、ソフト、システム開発関連銘柄として外すことができない銘柄です。
かつては競争力があったパソコンや携帯電話で衰退したこともあり、同社に対してはあまり良いニュースは聞かれなくなってきています。
しかし株価は高値圏で推移しており、「2025年の崖」で今後も買われることが期待されます。
【6701】NECとともに注目しておきましょう。
4-2.【4739】伊藤忠テクノソリューションズ
市場 | 東証一部 |
備考 |
伊藤忠商事系のシステムインテグレーター |
ユーザー系システムインテグレーター大手の伊藤忠テクノソリューションズも、ソフト、システム開発関連銘柄として抑えておきましょう。
社も他のソフト・システム開発関連銘柄と同じく、株価は高値圏で推移しています。
4-3.【9749】富士ソフト
市場 |
東証一部 |
備考 |
組み込みソフトに強みを持つ独立系システムインテグレーター |
富士ソフトは、ファクトリーオートメーションや自動車、家電といった組み込みソフトに強みを持つ独立系システムインテグレーターです。
今後のIoT時代に注目のソフト、システム開発関連銘柄として抑えておきましょう。
5.まとめ
経済誌や経済新聞では、日本からはアメリカのGAFAや中国のBATのような世界的IT企業が輩出できていないとよく書かれています。
しかし株式市場においては日本のソフト・システム開発関連銘柄は好調そのものです。
ITインフラが老朽化を迎える「2025年の崖」とともに、企業はAIやIoT、5Gといった最新テクノロジーへの対応に迫られていることから、今後も企業のIT投資が活発化することは間違いありません。
ただソフト、システム開発関連銘柄は、中小企業から大企業まで関連銘柄が400前後あります。
これから特需が到来することを期待して、闇雲によく知らない銘柄まで物色することはおすすめできません。
ソフト、システム開発関連銘柄を物色する際には、東証一部に上場している大手の安全な銘柄を中心に手掛けることをおすすめします。
日本のITインフラに関するニュースにはアンテナを張っておき、ソフト、システム開発関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
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