- 2020-12-17
- インバウンド
新型コロナウィルスにより、カジノ法案は遅れることになってしまいましたが、以前カジノ関連銘柄の注目度は高いです。
日本のカジノの開始まだ時間があるため、今後も続々と材料が出てくるため、長いテーマ株となりそうです。
またカジノというテーマ株に上手く乗る事で、利益が狙いやすくなるかも知れません。
今後【2743】ピクセルカンパニーズのような株価5倍を達成する銘柄を先取りする為にも、今回は今後のカジノ関連株で注目すべき銘柄を取り上げてみたいと思います。
目次
1.カジノ法案(IR推進法案)とは?
カジノ法案(IR推進法案)が何か?という部分から確認しておきましょう。
カジノ法案の正式名称が「IR推進法案」となります。 IRとは英語表記で「Integrated Resort」
日本語にすると「統合型リゾート」となり、カジノ施設、ホテル、ショッピングモール、展示場施設などが一体となったエンターテインメント施設のことを言います。
つまりカジノを含む統合型リゾートを法律により合法化し、日本でもカジノを作る為の法案という事です。
2020年に東京オリンピック開催が決まった事で、政府もカジノ法案を成長戦略の柱と位置付けてカジノ法案成立を急速に進めて来ました。
そして2018年7月に「カジノ法案」が成立。
IRの主な目的は、訪日外国人の増加です。
政府は2030年に訪日外国人旅行者数を6,000万人、旅行消費額15兆円を目標に掲げています。
この達成に向けて、IRは重要な施策の1つと言えるでしょう。
IR実施法案の着目していきたいポイントは以下です
- カジノの経済効果
- カジノの収益に対する税率
- 施設区域の選定・開業時期
- 運営業者の選定
- ギャンブル依存症対策
- 入場制限、年齢制限
- マネーロンダリング対策
これらを今後決めていく流れとなります。
徐々に決まっていく内容に絡んだ材料が発表される事で、カジノ関連銘柄への物色も今後高まるでしょう。
カジノ関連の材料や、好決算が発表された場合、翌日注目度が高まる可能性があり、短期で利益を狙える可能性が出てきますので要チェックです。
新型コロナウィルス下におけるカジノ法案について
2020年は新型コロナの影響でインバウンドが壊滅的な状況となりましたが、日本のカジノ誘致に向けた動きにも影響が出ています。
政府は2020年12月9日、カジノを含む統合型リゾート(IR)整備の基本方針案を出し、早ければ2020年代半ばとしてきたカジノ開業目標を「2020年代後半」にずれ込むよう見通しを修正しました。
新型コロナの影響で自治体の準備に遅れが出ていることや、世界最大のカジノ都市マカオの業績は半分以下に低迷しているなど海外事業者の業績悪化などが原因とのことです。
また政府は2021年1月から、自治体のカジノ申請を受け入れる予定でしたがこれも9ヶ月延期。
2021年10月1日から2022年4月28日の間に申請を受け付けるとのことです。
なお、2020年12月現在、横浜市・大阪府・和歌山県・長崎県の4地域がカジノ誘致を表明しています。
さらに自民党税制調査会は12月3日の会合で、カジノを含む統合型リゾート(IR)の利用客がカジノで得た利益に発生する所得税について、訪日外国人観光客は非課税とする方針で一致しました。
日本のカジノ誘致は新型コロナ次第であることは間違いなさそうです。
- カジノ法案(IR推進法案)とは日本でもカジノを作る為の法案
- IRの内容、詳細を決める「IR実施法案」はこれから
2.法案可決による経済的メリット
2-1 カジノ法案の大きなメリット、経済効果
いざカジノを作る流れになれば、まず建物や駐車場などを作って行くいきます。
つまり建設工事に伴う需要、雇用が生まれます。
また観光地として地域の活性化と外国人観光客の増加が見込めます。
カジノでの収益はもちろんですが、ホテルなどの宿泊施設やショッピングモールなども出来るので収益拡大が望めるのです。
2020年に東京オリンピックが開催される事で外国人観光客が増加します。
この一大ビッグイベントに合わせたいところですが時間がないのでこれは厳しいでしょう。
しかし2025年の大阪万博には間に合うかもしれませんので、カジノ法案には注目です。
外国人観光客の増加が鍵
2030年には外国人観光客を6,000万人まで増やすといった日本政府の目標があります。
これが可能になれば、カジノ市場の売り上げ規模は年間3兆4,000億円を超える可能性があるといった経済効果が期待出来ると発表されてます。
実際カジノで成功したマカオはIR開業が要因となり、2002年から2007年にかけて外国人観光客数が倍以上に増加。
2006年にはカジノ売上高がラスベガスを抜いて世界一となった事もあります。
一人当たりのGDPでアジアトップになるなど、「東洋の奇跡」と呼ばれたマカオの発展にはカジノが大きく関わっております。
また2005年にカジノ解禁が行われたシンガポールでは、2010年にマリーナベイサンズとリゾート・ワールド・セントーサの2施設がオープン。
それにより2015年までに1万人の直接雇用を生んだ他、カジノを含む観光収入が54%増となるなど、カジノ解禁により各国で大きな成果も出ております。
2-2 国内、海外の企業からも日本のカジノ市場は注目されている
2017年2月21日に開催された「CLSA ジャパンフォーラム 2017」 このフォーラムは日本最大規模の投資家フォーラムで、世界各国の機関投資家、上場企業のCEOやCFOなどが集まり毎年この時期に行われております。
このフォーラムに参加した米国カジノ運営大手、ラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長が東京を「最高の場所だ」と伝え、
日本で統合型リゾート施設が建設できることになれば、最大100億ドル(約1兆1,300億円)の投資を行うと発言しております。
また、マカオなどでカジノ運営大手のメルコ・クラウン・エンターテインメントの会長兼最高経営責任者ローレンス・ホー氏も会見で、日本でのカジノ設立における投資は「上限を設けずに挑む」と述べております。
CLSAのアナリスト、ジョン・オー氏によると、2023年に大阪と東京に統合型リゾート施設が造られた場合、日本のカジノ市場は250億ドル(約3兆2,500億円)規模に達し、マカオに次ぐ大きな市場になると予測しておりました。
このように、世界のカジノ王と呼ばれる大物が続々と東京進出でアピール合戦を行っている事もあり、日本のカジノ解禁は海外からも注目度が高いという事です。
これだけ日本のカジノは大きな市場規模になるからこそ、今後投資する上で重要なテーマである事がお分かり頂けたでしょう。
カジノ関連銘柄として絡んでくる企業が今後多数でてくるはずですので、今の内にしっかりとポイントを押さえておきましょう。
- カジノ法案は建設工事、雇用の拡大、地域の活性化と外国人観光客の増加が見込める経済効果がある
- マカオやシンガポールではカジノ解禁で成功している。
- 日本のカジノは世界のカジノ王と呼ばれる大物からも注目されている
3.カジノ解禁による懸念点
それではここからは逆に、日本でのカジノが解禁される事で懸念されるデメリットの部分について取り上げて見ます。
日本でのカジノ解禁に伴うデメリットは下記のような懸念事項が挙げられます。
3-1 ギャンブル依存症問題
日本はパチンコに代表されるよう、ギャンブル依存症問題が最悪な状況です。
日本のギャンブル依存症率は5.6%と、マカオの1.8%やアメリカの1.4%と比較すると断トツに高いです。
その理由として、まずパチンコ店が全国に約1万2,000店舗あり、機器の台数で言うと世界の約3分の2が日本にあります。
ATMや様々な設備が充実した店舗などもある事から、利便性の高さが利用者増加に繋がり、それがギャンブル依存症を多く生んでいるのかも知れません。
3-2 その他のデメリット
・治安悪化の可能性 ・組織犯罪問題 ・青少年保護問題 ・マネーロンダリングに使われるのではないか などが取り上げられます。
※マネーロンダリングとは、日本語でいうと資金洗浄を意味し、麻薬取引、犯罪や不正によって得た汚れたお金を、一般社会で使えるように出所を分からなくしてしまうというものです。
こういった問題を「IR実施法案」でしっかりと対策を練っていかなくてはいけません。
ただ、こういった問題解決時にも関連した銘柄が注目されるといった事があります。
それらも踏まえると、カジノ解禁によるデメリットの部分ではありますが、 「IR実施法案」と合わせてチェックしておく事で、カジノ関連株として投資対象銘柄が出てくる可能性もあります。
- 日本のギャンブル依存症率は断トツに高い
- 治安悪化や組織犯罪、青少年保護問題などの対策はこれから
- 「IR実施法案」の動向をチェックする事で関連銘柄が動く可能性も
4.カジノ関連でどの業種が株価に影響を与える?
4-1 カジノ運営関連
まず1番に取り上げられるのが、カジノを運営する企業です。 海外でカジノ運営を行う企業から新規にカジノ事業への参戦を表明している企業まであります。
ここで候補地とされている場所によって関連する銘柄が変わってきますので、今後の候補地動向に注目です。
関連銘柄としては
【6425】ユニバーサルエンターテインメント | パチスロ機大手。カジノリゾート業ではフィリピンの「オカダマニラ」開発急ぐ。 |
【4676】フジ・メディア・ホールディングス | フジサンケイグループの認定放送持株会社。若年層に強み。音楽・通販など多角化。 |
【9603】エイチ・アイ・エス | 格安航空券販売の最大手。個人の自由旅行に強み。ハウステンボスの運営も。 |
【9006】京浜急行電鉄 | 京浜・三浦半島が地盤。沿線再開発余地大。羽田空港関連に強み。 |
【4712】アドアーズ | アミューズメント施設運営。子会社で景品制作。不動産も展開。介護事業は撤退。 |
【6460】セガサミーホールディングス | 総合娯楽メーカー。傘下にサミーとセガ。パチスロ、ゲームソフト注力。 |
4-2 建設、不動産、設計関連銘柄
カジノ施設やホテル、ショッピングモールといったような建物を作って行く事になります建設工事に関わる関連銘柄も注目です。
カジノは魅力的な空間を演出する必要があるので、設計や内装のデザインといった関連銘柄も見ていく必要がありそうです。
関連銘柄としては
【1812】鹿島 | 建設業界大手。超高層ビル・耐震・原発など先端分野に強み。不動産開発も。 |
【1418】インターライフホールディングス | 内装工事会社。大型商業施設向け主力。音響・照明設備工事に参入。 |
【1847】イチケン | 建設会社中堅。商業施設建築・内改装が主体。ダイエー系からマルハン系に。 |
【7836】アビックス | LED映像表示装置の開発・販売。商業用映像看板向など。情報機器販売も。 |
4-3 ゲーム、アミューズメント関連銘柄
カジノで必要なルーレットやカードゲーム、スロットなどを手がける企業に注目。
現金計数機・メダル計数機などの関連銘柄にも注目です。
カジノ向けの機器に関わる関連銘柄やデータ管理システム関連銘柄まで目を向ける事で、出遅れ銘柄などを見つけ出すという事も出来るかも知れません。
関連銘柄として
【9766】コナミホールディングス | 家庭・携帯用ゲームが主力。スポーツ施設で首位。健康施設やカジノなど多角化。 |
【6418】日本金銭機械 | 貨幣処理、硬化計数機大手。紙幣鑑別機は米国でトップ。 |
【6428】オーイズミ | メダル計数機最大手。補給回収システムに強み。福祉介護へ参入。 |
【6457】グローリー | 貨幣処理機大手。国内で高シェア。たばこ自販機や認証システムなども。 |
【7612】Nuts | コンテンツの企画・制作。パチンコ・パチスロ関連が主力。アミューズメント・キャラクター事業も。 |
【2743】ピクセルカンパニーズ | カジノ向けゲーム機開発、太陽光発電支援、フィンテックに主力転換。オフィストナー撤退。 |
4-4 観光、ショービジネス関連
カジノを含めた統合型リゾートとしての施設となれば、米ラスベガスの主要カジノのように、サーカスやショーなどのエンターテインメント分野の関連銘柄も注目です。
旅行やホテル、飲食、代理店などの関連銘柄にも期待が持てますのでこちらも注目出来ます。
関連銘柄としては
【9816】ストライダーズ | IT系商社から投資事業にシフト。不動産管理とホテル運営が主体。新事業発掘へ。 |
【3237】イントランス | 東京都心部中心に不動産再生事業を手掛ける。賃貸・販売仲介にも参入。 |
【7860】エイベックス・グループ・ホールディングス | 音楽ソフト大手。若者向け人気歌手を擁す。映像配信など非CD分野を強化。 |
【4301】アミューズ | 大手芸能プロ。サザンや福山雅治など擁す。映画配給やソフト販売も。アジア強化。 |
【7951】ヤマハ | 楽器メーカー大手。電子ピアノで世界首位。半導体やAV機器も展開。M&A積極化。 |
その他として、決済関連銘柄やセキュリティ関連銘柄なども注目となりますが、関連する銘柄は少数となりますので、カジノ関連銘柄の一部として把握しておくだけでもいいでしょう。
- カジノ関連株は多くの業種が関わっている為、まだまだ多くの業種が表れる可能性がある
5.カジノ関連銘柄の動向について
カジノ関連銘柄の株価動向を見ていきましょう。
5-1.世界のカジノで実績アリ!【9766】コナミホールディングス
ゲームやフィットネスジムなどを柱とする【9766】コナミホールディングスは、2020年のカジノ関連銘柄の中ではほぼ一人勝ちとなった銘柄です。
同社は、1996年からカジノ事業(ゲーミング&システム事業)に参入しており、北米や豪州など世界各地で実績があります。
同社の株価は、2020年1月初めには4,450円を付けており、コロナショックでは3月19日に2,461円まで大きく落としました。
その後は反発しており、12月11日には6,120円まで上昇しています。
ただ同社はカジノ関連銘柄だから買われたというよりは、巣ごもり消費が好調だったゲーム株の一角として買われたと見るべきでしょう。
むしろゲーム株としてみると、任天堂やカプコンなどの他の銘柄よりも控えめな上昇だったと言えます。
同じく、ゲーム株でカジノ関連銘柄として注目されるパチンコ台大手の【6460】セガサミーホールディングスも、かろうじてコロナショック前の株価を取り戻した程度です。
5-2.カジノ低位株!【2743】ピクセルカンパニーズ
カジノ向けゲーム機や産業用太陽光発電などを手掛ける【2743】ピクセルカンパニーズは、低位株のカジノ関連銘柄として注目される銘柄です。
同社が開発した「PIXEL CASINO PLATFORM」は、世界で最も厳しい基準といわれるマカオのゲーミング規制当局(DICJ)の基準適合を受けています。
同社の株価は、2020年初めには181円を付けており、コロナショックでは3月17日に79円にまで暴落。ボロ株領域となっていました。
その後は反発し、7月6日には261円まで上昇。7月に高値を付けてからは低調で、200円前後で推移したままです。
少なくとも、2020年にカジノ関連銘柄は積極的に買われたとは言えません。
他のカジノ関連銘柄についても、良くてコロナショック前の株価を取り戻した銘柄がある程度となっており、コロナショックで付けた安値圏で停滞したままの銘柄も少なくありません。
カジノはインバウンド産業であるため、カジノ関連銘柄は新型コロナの影響を大きく受けてしまったと言えるでしょう。
6.注目の個別本命銘柄
それではここからは、先ほど取り上げたカジノ関連銘柄の業種別本命銘柄として、 1銘柄ずつチャートも合わせ取り上げて行きます。
6-1 【2743】ピクセルカンパニーズ
市場 | ジャスダック |
業種 | 卸売業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | 大興電子、日本電計、富士興産 |
注目ポイント | 子会社のLT Game Japanがカジノ向けゲーム機を開発 |
同社の子会社のLT Game Japanが、日本独自のコンテンツを生かしたカジノ用ゲーミングマシンの開発・販売を行っており、マカオカジノに製品供給予定となっています。
また、ピクセルカンパニーズは、主要テーマ株となっているフィンテック・IoT事業にも力を入れていることから、買い安心感もあります。
カジノ関連低位株の大本命として期待される銘柄です。
6-2 【9766】コナミホールディングス
市場 | 東証1部 |
業種 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | スクエニHD、カプコン、マーベラス |
注目ポイント | 1996年からゲーミング機器の開発を手掛ける |
カジノ関連銘柄の代表格と言える銘柄です。
カジノ関連銘柄としてはゲーミング機器に実績があるゲーム株が広く物色されると期待されます。
同社はその先駆けであり、ゲーム会社の中でも特にカジノ事業に力を入れていることで知られています。
同社は1996年からゲーミング&システム事業をスタートさせており、世界中のカジノにゲーミング機器の提供実績もあり。
6-3 【9353】櫻島埠頭
市場 | 東証2部 |
業種 | 倉庫・運輸 |
単位 |
1000株 |
比較される銘柄 | 東洋埠頭、リンコー、兵機海運 |
注目ポイント | 大阪港に地盤を持つ商業埠頭会社 |
大阪カジノ関連では絶対に抑えておかなければいけない銘柄の一つです。
カジノ誘致の最有力候補として期待される大阪夢洲に倉庫を持つことから、カジノ関連銘柄として注目されています。
大阪に土地を持っている倉庫業の【9307】杉村倉庫が、大阪カジノ誘致への思惑買いから暴騰しており、同じく大阪に土地を持つ低位株である同社にも期待が集まります。
大阪へのカジノ誘致が決まったら、真っ先に暴騰することが期待されます。
7.まとめ
2012年以降増加してきている訪日観光客。
日本の魅力に世界的に注目が高まっており、街中で外国人を見掛ける事が当たり前になりつつあります。
しかし観光先進国としては道半ばです。
2030年に訪日外国人旅行者数6,000万人を達成するためには、今後益々魅力を高めなければなりません。
その代表的な施策がカジノです。
カジノを集客装置として、日本の魅力を世界にアピールする取組みが着実に進んでいます。
カジノの実現は2020年代後半に下方修正されてしまいましたが、関連銘柄に対する株式市場の期待は高い状況です。
今の内から「カジノ関連銘柄」に投資することで、将来大きなリターンを獲得出来るかも知れません!
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