- 2020-1-8
- 特集
ホープは+1,493%!レアジョブは+1,347%!
2019年の株式市場は、相場全体が落ち込んだ2018年とは一転して、多くの銘柄が値上がりとなりました。
2019年の急騰銘柄やテーマ株を抑えておけば、オリンピックイヤーとなる2020年のマーケットに備えておくことができるようになります。
オリンピックイヤーとなる2020年のマーケットに向けて、2019年の急騰銘柄を抑えておきましょう!
1.2019年に急騰を見せた銘柄
2019年の株式市場は、米中貿易摩擦に揺れた2018年とは一転して、相場全体が大きく反発した1年となりました。
1-1.半導体、教育ICTなどが注目された一年となった
日経平均株価で見ると、2019年の年初は19,561.56円から年末には23,656.62円にまで上昇。
年間では+20.93%という非常に高いパフォーマンスです。
2019年にマーケットで特に注目されたテーマとしては、半導体が挙げられます。
半導体関連銘柄は、2018年の米中貿易摩擦では最も暴落したセクターとなりましたが、2019年には一転して最も買われたセクターとなりました。
半導体メモリ製品を手掛ける【6840】AKIBAホールディングスは最大+660%の上昇となり、年間上昇率4位となっています。
半導体検査装置を手掛ける【6920】レーザーテックは東証一部の主力銘柄ながら+358%の上昇となり、市場全体をけん引しました。
2020年に向けたテーマ株として大きな注目を集めたのが、教育ICT関連銘柄です。
2020年から小学校からプログラミング教育が必修化されることも背景に、大相場が到来しています。
オンライン英会話を手掛ける【6096】レアジョブは年間+1,347%となりテンバガーを達成し、教育ICT事業を柱とする【3933】チエルは+395%、東証一部を代表する教育ICT関連銘柄である【8057】内田洋行も年間+287%の上昇となっています。
また次世代通信規格こと5G関連銘柄は、堅実に買われたテーマ株となりました。
2019年は世界中で5Gの運用が始まった「5G元年」となったことから、市場参加者の注目度の高さが浮き彫りになったと言えます。
無線機器を手掛ける5G関連銘柄の【6838】多摩川ホールディングスは最大+547%の上昇となり、年間上昇率6位。
アメリカで5G事業を始めることが伝えられた【9424】日本通信は、低位株から大きな値上がりとなり人気銘柄となりました。
- 2019年は半導体、教育ICT、5G関連銘柄が注目された
2. 2019年急騰ランキングを発表!
2019年に急騰した銘柄トップ10を見ていきましょう。
第1位 【6195】ホープ +14.93倍
1位 | 【6195】ホープ | 安値:225円(2019/1/04) | 高値:3,585円(2019/12/30) | 倍率14.9倍 |
【 テンバガー達成!!】 ホープは自治体のホームページ作成や広告バナー作成、自治体向けメディアやマーケティングなどを手掛けています。 事業内容からしたらテンバガーを達成する銘柄には思えませんが、2019年5月27日大引け後に発表した決算で、赤字予想から一転して黒字に上方修正したことを受けて大きく買われるようになりました。 12月にはさらに買われ、レアジョブを抜いて上昇率1位に躍り出ました。 |
第2位 【6096】レアジョブ +13.47倍
2位 | 【6096】レアジョブ | 安値:217.3円(2019/1/04) | 高値:3,145円(2019/12/23) | 倍率13.47倍 |
【 テンバガー達成!!】 レアジョブは、オンライン英会話「レアジョブ英会話」を手掛けています。 2020年からは小学校でプログラミング教育が始まるなど教育ICT関連銘柄が注目されていた所に、好決算や株式分割などの好材料を次々と発表したことから大暴騰、テンバガーを達成しました |
第3位 【8894】REVOLUTION +9.5倍
3位 | 【8894】REVOLUTION | 安値:8円(2019/2/20) | 高値:84円(2019/11/12) | 倍率9.5倍 |
REVOLUTIONは、山口県を地盤に不動産賃貸を手掛けている不動産会社です。 一時は10円未満となっていた超ボロ株ですが、11月には84円まで急騰。 しかし12月終わりには40円まで大暴落しています。典型的な仕手株ですが、ボロ株投資の夢を体現した銘柄となりました。 |
第4位 【6840】AKIBAホールディングス +6.6倍
4位 | 【6840】AKIBAホールディングス | 安値:1,150円(2019/1/04) | 高値:8,750円(2019/12/24) | 倍率6.6倍 |
AKIBAホールディングスは、メモリ製品や電子部品の製造販売を軸に、通信コンサルティング事業なども手掛けています。 半導体関連銘柄やAI関連銘柄に位置付けられる銘柄です。 好決算を次々と発表したことが好感されたことに加えて、半導体株の大反発の波に乗ったことで年間4位の上昇率となっています。 |
第5位 【3135】マーケットエンタープライズ +5.93倍
5位 | 【3135】マーケットエンタープライズ | 安値:526円(2019/1/04) | 高値:3,650円(2019/11/19) | 倍率5.93倍 |
マーケットエンタープライズは、リユース品の買取・販売サービス「高く売れるドットコム」を運営しています。 リユースなどのCtoCには消費税が掛からないこともあり、消費税増税関連銘柄と見ることもできますが、好決算を連続したことが大きく買われた最大の要因と見られます。 |
第6位 【6838】多摩川ホールディングス +5.47倍
6位 | 【6838】多摩川ホールディングス | 安値:477円(2019/1/04) | 高値:3,090円(2019/12/30) | 倍率5.47倍 |
多摩川ホールディングスは、無線機器に必要な高周波回路素子製品の生産・販売を行っている会社です。 5G関連銘柄に位置付けられます。 5GやIoT関連銘柄として注目されたことはもちろん、5月に発表した決算で最終利益が2.5倍の増益となったことも大きな買い材料となりました。 |
第7位 【3830】ギガプライズ +4.49倍
7位 | 【3830】ギガプライズ | 安値:491.5円(2019/1/04) | 高値:2,750円(2019/12/25) | 倍率4.49倍 |
ギガプライズは、集合住宅向けネット接続サービスを手掛けている会社です。好決算・株式分割といった買い材料を発表したことが大きく買われる要因となりました。 また同社は名古屋証券取引所の新興市場セントレックス上場銘柄で、名証セントレックスをけん引する銘柄となっています。 |
第8位 【4970】東洋合成工業 +4.43倍
8位 | 東洋合成工業 | 安値:834円(2019/1/04) | 高値:4,530円(2019/12/30) | 倍率4.43倍 |
東洋合成工業は、半導体向けの感光性材料を手掛けています。 半導体関連銘柄として買われたことはもちろん、好決算を発表したことも大きく買われる要因となりました。 2019年の半導体株の勢いを象徴する銘柄の一つです。 |
第9位 【3933】チエル +4.24倍
9位 | 【3933】チエル | 安値:501円(2019/1/04) | 高値:2,626円(2019/12/27) | 倍率4.24倍 |
チエルは、教育ICT製品を手掛けている会社です。 2020年から始まるプログラミング教育でも注目されている教育ICT関連銘柄となっています。 2019年11月に発表した決算で黒字転換となり、12月には政府が小中学生一人一台にパソコンを配備すると発表したニュースでも大きく買われました。 |
第10位 【4800】オリコン +3.99倍
10位 | 【4800】オリコン | 安値:372円(2019/1/04) | 高値:1,857円(2019/8/21) | 倍率3.99倍 |
オリコンは、音楽を始めとするランキングデータベース「オリコンチャート」を展開していることで知られています。 顧客満足度調査事業が好調だったことで好決算を連発し、増配も発表したことから大きく買われました。低位株だったことも大きく買われる要因になったと見られます。 |
- 2019年の急騰トップ10銘柄は、ほぼ全ての銘柄が好決算を発表している。
- テーマ株としては、半導体と教育ICTの強さが光った。
- 2019年初めには500円未満の低位株だった銘柄が半数近くを占めている。
3.2020年に注目したい銘柄、テーマ株とは?
オリンピックイヤーとなる2020年に注目したい銘柄・テーマ株を抑えておきましょう。
まず何といってもオリンピック・パラリンピックに関連する銘柄は抑えておきましょう。
インバウンドや観光・ホテル、テレビといったオリンピックで大きな経済効果を受けそうな銘柄に注目です。
次に2019年にも最も大きく買われたテーマ株の一つとなった教育ICT関連銘柄は、2020年からプログラミング教育が小学校で必修化されることもあり引き続き注目が集まります。
ただ教育ICT関連銘柄は2019年中に大きく上げてしまっていることから、2020年には逆に売られるリスクも高いことには注意が必要です。
政府政策に関連するテーマ株としては、2020年6月に終了するキャッシュレス還元に続く経済政策として実施するとされている「マイナンバーポイント」に関連する銘柄を抑えておきましょう。
世界情勢に目を向けてみると、Facebookの仮想通貨リブラや、中国政府がデジタル人民元の発行を検討しているなど、仮想通貨やブロックチェーン関連銘柄が再び注目されるかもしれません。
また注目銘柄ではなく、リスクに目を向けておくことも重要です。
オリンピック終了後の日本経済や日銀の出口戦略、バブルが懸念されている不動産市場など、“オリンピック後”には要注意しておきましょう。
5.まとめ
2019年の急騰ランキングトップ10を見てみると、半導体関連銘柄と教育ICT関連銘柄の強さが光りました。
半導体関連銘柄では【6840】AKIBAホールディングスが上昇率4位、【4970】東洋合成工業が上昇率8位となっており、教育ICT関連銘柄では【6096】レアジョブが上昇率2位、【3933】チエルが上昇率9位となっています。
半導体関連銘柄は2018年に大暴落した反動で大きく買われ、教育ICT関連銘柄は2020年から始まるプログラミング教育を始めとする教育改革への期待から買われたと見られます。
また急騰ランキングトップ10の内、半数近くの銘柄が2019年初めの時点では500円以下の低位株だったことも注目ポイントです。
オリンピックイヤーとなる2020年にはご祝儀相場となることも期待されますが、オリンピック後の日本経済や日銀の出口戦略、バブル崩壊懸念もある不動産市場など、リスクにも目を向けておくことが重要です。
2019年に急騰した銘柄を抑えておき、2020年のマーケットに備えておきましょう!
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