- 2021-8-2
- 自動車関連
日本自動車工業会の調査によれば、20代の約6割が自動車に「関心がない」と回答しています。
嗜好が多様化する中で、かつてのような「マイカー」への憧れは薄れつつあるようです。
そんな中注目されているビジネスが、「カーシェアリング」です。
「カーシェアリング」は自動車を保有することなく、必要な時に必要な時間だけ自由に利用することが出来ます。
その便利さゆえに市場規模が拡大しつつあり、今後も拡大が見込まれています。
今回はカーシェアリング市場拡大によって恩恵が見込まれる企業を「カーシェアリング」関連銘柄として、株価動向やその背景について分かり易くご紹介したいと思います。
目次
1.「カーシェアリング」関連銘柄に期待
「カーシェアリング」関連銘柄とは、オリエンタルランドの大型投資によって恩恵を受ける企業を指します。
1-1.「カーシェアリング」関連銘柄とは?
日本自動車工業会の「2017年度 乗用車市場動向調査」によれば、20代以下の若者において自動車の購入意欲を持つ割合は46%と半数を割っているそうです。
その理由として、「買わなくても生活ができる」、「今まで以上にお金がかかる」、「クルマ以外に使いたい」といったものが上位に来ています。
嗜好が多様化する中で、かつてのような「マイカー」を持つことへの憧れは薄れているようです。
また、都市部を中心に交通網が発達していることも背景にあるでしょう。
都心部では東京メトロ副都心線に代表されるように、新たな路線乗り入れなどの取り組みが進んでいます。
つまり、購入金額やその後の維持費の大きさと実際の必要性を比較した時に、自動車を保有することの有用性を感じない状況になっているのです。
一方で、友人との旅行や電車でのアクセスが悪い場所には、やはり自動車が必要であることには変わりありません。
自動車を購入するほどでは無いが、必要な時が無いわけではない。
そんなニーズを満たすのがカーシェアリングです。
順調に市場が拡大しており、今後も更なる成長が見込まれている分野です。
1-2.半導体不足を背景にカーシェアリングが注目を集めるか。
世界的な半導体不足を背景に、自動車生産が減産に追い込まれる事態となっており、カーシェアリング関連銘柄も大きな注目を集めるかもしれません。
自動車販売はアフターコロナに向けて需要が急回復していただけに、減産は自動車メーカーにとっては痛手ですが、この漁夫の利を受けて、中古車市場は活況となっています。
マーケットでは2021年6月から7月に掛けて、中古車関連銘柄が相次いで急騰。
ただ今後、中古車市場も高止まりが続くと予測されており、この動きが続けば、中古車よりもリーズナブルなカーシェアリングサービスが脚光を浴びる展開も考えられます。
マイカーに比べると、カーシェアリングは感染リスクがありそうな印象を受けますが、自動車自体が「3密」を回避できる移動手段であることには変わりません。
カーシェアリング関連銘柄は、2021年6~7月にマーケットで注目された「中古車事業」を手掛けている銘柄も多く、2021年後半に押さえておきたいテーマ株の一つです。
2.「カーシェアリング」関連銘柄の推移
2020年から2021年に掛けてのカーシェアリング関連銘柄の動向を見ていきましょう。
2-1.個人間カーシェアサービス「GO2GO」を提供!【7599】IDOM
中古車買取り専門店「ガリバー」を運営する【7599】IDOMは、個人間カーシェアサービス「GO2GO」を提供しているカーシェアリング関連銘柄です。
同社の株価は2020年7月には487円を付けており、約1年後の2021年6月には654円に留まっていました。
しかし2021年7月に急騰し、7月26日には986円まで上昇。
直近1年間では最大+102%の上昇率となっていますが、上昇分の大半は2021年7月の急騰によるものです。
同社はカーシェアリング関連銘柄として買われたというよりは、中古車株として買われたと見られます。
同社以外にも、2021年6月から7月に掛けては、中古車事業を手掛ける銘柄が相次いで買われました。
中古車株が2021年6~7月に注目テーマ株となった流れから、今後、カーシェアリング関連銘柄にも資金が流入してくることが期待されます。
2-2.カーシェアリング関連銘柄の代表株!【4666】パーク24
24時間貸駐車場「タイムズパーキング」を展開する【4666】パーク24は、日本株を代表するカーシェアリング関連銘柄です。
同社は、日本のカーシェアリングサービスでは圧倒的なシェアを誇る「タイムズカー(旧・タイムズカーシェア)」を手掛けています。
同社の株価は、2020年7月末には1,420円を付けていました。
2021年に入ってから上昇しており、2021年6月10日には2,579円まで上昇。
直近1年間では最大+81%の上昇となっています。
ただ、この上昇分はコロナショックからの反発分であり、コロナ前の2020年1月に付けていた2,649円はまだ回復していません。
- 中古車を手掛ける企業が買われており、カーシェアリング関連も恩恵を受けている
3.「カーシェアリング」関連銘柄
銘柄 | 備考 |
【4666】パーク24 | 時間貸駐車場「タイムズ」の運営や駐車場の受託管理を行う駐車場事業が中心。レンタカーやカーシェアリングにも参入。 |
【8591】オリックス | 総合リースの国内最大手。法人金融サービスを核として、事業投資や不動産投資、メンテナンスリースなども手掛ける。 |
【2353】日本駐車場開発 | 地方中心の駐車場運営会社。大型オフィスビル、商業施設などの駐車場運営マネジメントを行う。中国、韓国、ASEANなどに現地法人を展開。 |
【9619】イチネンホールディングス | 自動車リースや自動車メンテナンス受託などを行う自動車総合サービス事業が中心。パーキング運営、レンタル型カーシェアなども展開。 |
【2432】ディー・エヌ・エー | 主にモバイル・PC向けのインターネットサービスを提供。自動車分野へのサービス展開に注力中。 |
【9048】名古屋鉄道 | 愛知県・岐阜県を基盤とする鉄道事業者。交通以外では、名鉄百貨店などの流通、明治村などのレジャー・サービス、不動産事業などを展開。 |
【8056】日本ユニシス | システムインテグレーター。経営戦略などのコンサルティングからITソリューションの提供、運用管理・保守のサポートまでの一貫したサービスを提供。 |
【9832】オートバックスセブン | 自動車用品小売最大手。カー用品の販売や取付サービスなどを行う。シンガポールにてカーシェアリング会社向けメンテナンス請負サービスを展開。 |
【9437】NTTドコモ | 契約数で国内トップの移動体通信事業者。カーシェアリング事業も展開。 |
【1435】TATERU | アパート経営者に対し土地のマッチングサービスなどを提供する。「オリックスカーシェア」の入居者向け入会優待プランを導入決定。 |
【9417】スマートバリュー | ドコモショップの運営を行うモバイル事業と、クラウドソリューション事業を運営。郊外中心にカーシェアリング事業に参入。 |
4.おすすめ「カーシェアリング事業」関連銘柄
では、最後に注目すべき「カーシェアリング事業」関連銘柄を紹介します。
4-1.【8056】日本ユニシス
市場 | 東証一部 |
業種 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | NTTデータ、伊藤忠テクノ、SCSK |
注目ポイント | 金融、製造から流通、社会公共と幅広い分野で実績を有するシステムインテグレーター。 |
カーシェアリング向けシステムを供給しており、カーシェアリング市場拡大の恩恵を享受する可能性。
4-2.【1435】TATERU
市場 | 東証一部 |
業種 | 建設業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | フィット、住友林業、積水ハウス |
注目ポイント | アパート経営プラットフォーム「TATERU」の運営を中心に展開 |
「オリックスカーシェア」の入会優待プラン導入により入居率集客力が向上する可能性。
- カーシェアリングの周辺ビジネスに注目
5.まとめ
日本全体は人口減少、少子高齢化が不可避となっています。
若者が自動車を保有することに価値を感じなくなりつつある今、将来的な自動車保有台数は減少することが見込まれるでしょう。
また、今後都市部を中心に益々「クルマ離れ」が進行する可能性があります。
その際注目されるのが「カーシェアリング」です。
ちょっとした外出に適しており、とても便利な仕組みと言えます。
昨今シェアリングビジネスが注目されていますが、カーシェアリングはその先駆けと言えるかも知れません。
今後の市場拡大を織り込み、「カーシェアリング」関連銘柄に着目すると大きなリターンを獲得出来るかもしれません。
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